第110話 シャルルが目覚めた

 朝早かったが、アウィンからシャルルが起きた旨を伝えられた。

 俺は眠い目をこすりながら起きると、メイドさんに俺のパーティーメンバーを起こして貰い、客人が起きた為、俺の部屋にて話し合いをすると伝えてもらった。


 また、軽く朝食を食べたいので、お茶と一緒に持ってきてもらう。


 程なくして皆眠い目をこすりながら現れたが、皆寝間着のままだった。俺もそうだから人の事を言えないが、正直、目の保養、コホン、目のやり場に困った。


 皆中々にセクシーだ。ニーナはこの場に男は俺だけなのでセーフだが、乳首が半ば透けている肌着のみだ。あかん、ニーナを見て欲情してしまう。いや、セーフではない。アウトです!


 アイリーンも胸元のボタンが外れており、ポロリしそうだ。ブラが見えているぞ!

 流石にシャルルは客人用の寝間着に着替えさせていたからまともだが、取り敢えずニーナの背後からコートを掛け、アイリーンのボタンを掛ける。

 胸に手が触れるが、そうも言っていられない。胸が気になって話しどころではないからだ。

 高校生相手に俺は何やっているんだよ!


「おはー!ありがとうごやいまふ」


 まだ口が回らないようだ。


「朝早くに悪いな。それよりも、一応俺も男だからな。格好には気を付けてな。早速だけど、シャルルさんが起きたから、詳しく話してもらうから」


 皆に告げ、俺はシャルルさんを迎えに行った。


「おはようございます。皆俺の部屋に揃いましたので。ただ、寝ている所を起こしたので寝間着ですが、気にしないでください」


 ドアから出てきたのは、セクシーな寝巻き姿・・・ではなく、用意していた普段着にちゃんと着替えていたシャルルとアウィンだった。


 ついその容姿からまじまじと見てしまった。

 彼女は顔を赤らめていた。


「体は大丈夫そうですね。顔が少し赤いですが、まだどこかおかしいですか?」


「あっ、はい。大丈夫ですわ。その、まじまじと見られたので恥ずかしく赤くなっただけですわ」


 やばい。見惚れた事がばれたか?切り抜けたい。


「本当は体に触れて大丈夫か確認したかったのですが、妙齢の女性にそのような事はできないので、大丈夫そうか観察させて貰いました」


「ご心配お掛け致しましたが大丈夫です。胸を見られたり触られたりと強姦され始めましたが、幸いレオン様のお陰でまだ生娘のままでございます。念の為お伝え致しますわ。大事な事ですのでもう一度申し上げます。ちゃんと生娘のままですから」


「レオン殿、改めてシャルル様の純潔を守って頂き、感謝する」


 妙に純潔を強調するな。俺が言葉に困るじゃないか。


「取り敢えず皆のところで、改めて自己紹介などをしましょう」


 そうして部屋に案内する。


 テーブルと椅子を出し、皆が座れるようにし、シャルルとアウィンの対面に俺達が座る。


「改めて、俺はパーティー【レオーネ】のリーダーをしているレオンです。また、この屋敷の主でもあります。パーティーは、ニーナ、アイリーン、道村さんことみっちゃん、エンピアルの5人です。このエンピアルは奴隷ではありますが、奴隷としては扱っていません。この屋敷の全ての奴隷もそうです」


「あっ、はい。先程は、ではなく、昨夜お助け頂きありがとうございます。私は、サルベル王国第12王女のシャルル・アルベル・サルベルでございます。シャルルとお呼びください。様付けや、殿下と呼ばれるのは好きではないので、呼び捨てでお願いします」


 そこから皆自己紹介をした。


「何でもニーナを訪ねてきたと。それと・・・」


 ドアがノックされた。

 するとメイドさんが現れ、イデアさんが来ていると言う。勿論、即ここに通してもらう。


 イデアは部屋に入ると手を上げ、会釈だけになったが、ニーナの格好を見てため息をついていた。


 シャルルが挨拶をする。お久しぶりと言っていたから面識があるようだ。

 後で知ったが、1年だけだったが、国と国の交流?の為に一部の王族を定期的にお互いの国に留学させている。シャルルは以前留学した時に、イデアの元で魔法の研鑽に励んだ、ある意味弟子の1人だった。


 シャルルは話し始めた。


「私の目の前に、空より6人の異世界の男女が舞い降り、私の館に逗留頂いていたのですが、問題が発生しました・・・」


「ちょっと!誰が現れたの?」


 みっちゃんが興奮していた。


「すまない。彼女の知人友人のはずなんだ。俺とみっちゃん、アイリーンは異世界から、その6人と一緒に来た。詳しくは後で話しますが、俺のスキルで各国に38名を飛ばし、みっちゃんの他に6名がイデアさんの元にいます」


「あっはい。私の所に来たのは・・・」


 そうして6人の事、何が起こったのかや、ニーナに1週間だけで良いから、貴族の子息に稽古をつけて欲しいと頼んできた。


「ニーナ、助けてあげなさい。そうすべきです」


 ニーナは頷き、俺を見る。

 勿論頷く。


「分かったよ。お師匠様の許可が出たし、アタイも行こう」


「どれ位の猶予がある?」


「はい。国王陛下に拝謁しなければならないのです。その、出来ればこの後すぐにでも城に向かいたいのです。ニーナさんに同行頂けると有り難いので助かります。そうですね、明日の出発で何とかといった所ですわ」


「分かりました。私は、出発の準備をします。イデアさん、あの6人を宜しくお願いします。必要ならこちらに3室用意しますから、泊まるのはこちらでも行けます。後で引き合わせますが、屋敷を任せているフリオールと、執事長のセバスチャンに言って頂ければと思います。みっちゃんは一緒に行くよな?」


「当たり前のクラッカーよ。来るなと言われても行くわよ!」


「私は準備の為に外しますので、皆さんで話し合ってください。それと、アイリーン、ニーナ、みっちゃんはちゃんと着替えるように。エンピアル、行くよ」


 そうして俺はエンピアルを伴い、フリオールの所に暫くの間屋敷を留守にする事を告げに行くのであった。

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