第13話 冒険者登録と報酬
受付嬢はアイリーンとタメを張れる位の顔面偏差値の持ち主だった。
俺はおおぅ!と唸っていた。
「アイリーン、ね、猫耳だよ!ってぇ!」
「ごめんあそばせ」
何故かアイリーンに足を踏まれちゃった。足がもつれたのかな?だが、それでもカウンターに向かい一歩踏み出し、受付嬢と向かい合った。だがアイリーンが俺を押しのけて、受付嬢の真正面に立っていた。しかも足はなぜか踏んだままだ。何故だ?怒っているのだけは分かる。
何故だ?ひげが痛かったか?加齢臭か?いや、今の体はピチピチの18歳だからない!それともさっき降下する時に抱き合ったけど、つい股間が膨らんでしまい押し当てる形になった事か?
違うんだよ!それは君が綺麗なのがいけないんだ!だって君のように綺麗な子と、あのように抱き合ったらどんな状況でも男なら反応するだろう!
レオンは的外れな事を心の中で叫んでいた。
「ようこそトラスコフの町の冒険者ギルドへ。本日のご要件は?」
「これを買い取って頂きたいのですが、こちらで良いのですか?」
アイリーンはレオンの手から背嚢をもぎ取ると魔石等の一部をカウンターに出した。
「冒険者カードをお持ちでしょうか?」
「持っていませんよ」
「魔石とドロップアイテムの買い取り及び査定は冒険者以外では出来ません。冒険者で無いのでしたら、冒険者へ登録いただければ買い取りが可能になりますが、いかがしますか?」
「じゃあ私と夫を登録してください!」
へっ?と心の中で唸る。アイリーンさん?打ち合わせと違いますよ?確かに夫婦とした方が何かと便利だけど、違うって絶対バレますって!あかんて!
ただの仲良しカップルの方が自然だって!
何故アイリーンがこのように言ったのか分からないけど、お兄さんこの先どうなっても知らんよ?
「ご夫婦でしたか。それではこちらにご記入下さい」
「ごめんなさい。私達2人共読み書きが出来ません」
そうなのだ。先程依頼が貼られている掲示板をちらっと見たが、文字が書かれているはずなのだが、読めなかった。
「それではこちらで代筆しますので・・・」
名前、性別、年齢出身地を記載との事だった。
出身地を聞かれ、俺が受け答えするつもりだったから打ち合わせをしていなくて焦ったんだよね。
「村って名前が有るのですか?今迄気にした事がなかったものですから、ただ村としか分からないのですが、駄目ですか?」
可哀想な子を見る目で見られてしまった。
「たまにいらっしゃるんですよ。田舎の方とかで。じゃあこちらに来てください。能力測定をしますね」
受付は後方の者と変わり、受け付けてくれているお姉さんに2階へ案内された。小部屋に入り、そこでまずひとつの玉に手を添える。2人共白くなった。犯罪者だと赤くなるそうだ。
次に魔力量を測定すると、アイリーンは宮廷魔術師並、俺は測定不能との事でかなり驚かれた。
また、得意属性を確認したが、アイリーンは水、俺はユニーク、つまり特殊だと言われた。勿体ないから王都にて一度見て貰った方が良いと言われ、王都までと、隣の国までどれ位か聞いたが、王都へは馬車で1日半、隣の国の王都迄は馬車で4日の距離だと言われた。国境自体は馬車で1日位だそうだ。
レベルは現在12になっており、一般冒険者相当らしい。
9迄が駆け出し
10からが一般
20からが中級
30以上が上級だそうだ。
あくまで目安だそうで、ギルドで出す依頼には推奨レベルがあり、パーティー員募集の時等に目安となるレベル、使える魔法等の条件を掲示するとの事。
受付嬢が記載内容等を元に登録してきたカードと針を渡され、指をチクッとして血を出し、カードに垂らすと登録完了だ。
取り敢えず、町に来る道中に倒した魔物の魔石やらを出すも、サイクロプスの魔石を見て驚き、何かの魔道具に乗せると驚いていた。
「こ、これ、上級に近い中級推奨のサイクロプスですよ!よく倒す事が出来ましたね?」
「あっはい。偶々崖の上から岩を落とし、幸運な事に頭に直撃したからなんですよ!ほら、倒した後にこれもあったんですよ!」
「魔法のブレスレットじゃないですか!これ売れば金貨500枚は下らないですよ!」
「ごめんなさい、田舎の出なので、どれ位の価値か分からないのです」
「そうですねぇ!お2人が普通に泊まるような中級宿のお部屋で1泊銀貨8枚、普通の家庭で1ヶ月生活するのに必要なお金は、この町ですと銀貨100枚から150枚と言われていますよ!」
「ご丁寧にありがとうございます!」
その後お勧めの宿を教えて貰い、諸々で金貨51枚の分の貨幣を受け取り、ギルドを後にした。
因みに金貨1枚は銀貨100枚だそうだ。つまり金貨51枚分を得たというのは、普通の家庭が2〜3年位過ごす事が出来るだけのお金を得た事になる。日本円に換算すると、1000万円から1500万円相当だろうか?凄い・・・
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