第30話 しなやかに
ボキボキボキボキ
バキバキバキバキッキン
折れる音が耳に響く
しゃがみ込み
折れた部分にギブスはめ
割れた部分は悪態と鼻水と少しの良心を混ぜて貼り合わせ
また歩き出す
パキパキ
ひろいわすれた欠片が小さく
泣いているのが聞こえた
どうする?
知らない振りして行くか
戻るか?
立ち止まり考える
トボトボ戻る
それも生きてきた証の一部だ
拾い上げとりあえず悪態でくっ付けてやる
人生なんて
生きるなんて
考えたら出したら音がした
やばい
歩け歩け!
躓き
時に骨折
殴られ
時に打撲
罵られ
時に倒れる
心が悲鳴をあげたって
それでも歩き出す
俺は
しなやかに
途轍もなく
しなやかに……
何も無かったかのように
それがどうした!
ほぼほぼ 俺らは
そうやって生きているんだ
しなやなになんて考えてもないわ
誰かのためなのか
自分のためなのか
なんのためなのか
今日も歩く
ただそれだけだ
流れる言葉を掴まえたい 紫陽花の花びら @hina311311
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