第22話 逆転現象発生と新しい関係の形が形成された夜は儚い日となった(完結)


 詩織の言葉を聞いた新上が心の中で一人考えていると、理沙が戻って来た。

 考え事をしている新上を見て「ん? どうかしたの?」と疑問に思ったのか声をかけてきた理沙。直後詩織のマッサージが終わった事に気付いた理沙は新上に抱き着いて「なら次は私だね!」と満面の笑みでお願いしてきた。

 こんな笑顔を見せられて断る男子などいようか?

 少なくとも新上の知る人物ではいない。

 てな、わけで詩織にしたように理沙にもマッサージをしていく。

 詩織と同じく無防備な姿と安心しきった表情を見せる理沙。

 二人からの信頼の現れを身をもって実感する新上。

 本当に嬉しく思うも、理沙の直球過ぎる行為にもう心がジェットコースター状態。

 詩織が好きな俺と理沙が好きな俺。

 初恋相手と結ばれたいと願う俺と親友の女の子と結ばれたいと願う俺。

 幼馴染と男女の仲になりたいと考える俺と幼馴染に負けないぐらい俺のことを知り尽くした親友と男女の仲になりたいと考える俺。

 沢山の自分が心の中で反発し合う。


「理沙今幸せでしょ?」


「うん♪」


「新上マッサージ上手だもんね」


 詩織と理沙本当に仲が良いと見てて思う新上。

 だけど、この二人が仲良しだからと言って反発することがないかと言われればそうじゃない。

 しばらくして理沙のマッサージが終わったタイミングで二人の間に流れる空気が一気に重たくなった。


「新上ありがとうね~」


「どういたしまして」


「なら理沙も満足した所で理沙に伝えて置きたいことがあるんだけどいいかな?」


「いいよ~」


 大きく背伸びをして再び人をダメにするクッションにだら~んとなった理沙に詩織が爆弾を放り込んでしまう。


「私ね、理沙がトイレに行ってる間に新上に告白したよ」


 ――ドガーン!!!


 そんな効果音が似合うだろうか。

 新上と理沙の目が大きく見開かれた。

 いやいやいやいやカミングアウトするタイミング可笑しいだろ!?

 そんなことを今さら思っても――もう全てが遅かった。

 紛れもない本格的な恋の開戦が……始まってしまった。

 理沙のとろ~んとした視線が鋭くなり詩織だけを見ていたからだ。

 対して詩織も今は理沙だけを見ている。

 流石にこの間に割って入る勇気はない新上優斗。


「今は新上のことが異性として好きってね」


 人をダメにするクッションが大好きな理沙がダメにならなくなった。

 その時点で理沙の熱量というか、本気度というべきだろうか。

 それだけ真剣なのがわかる新上。


「ふ~ん。ってことはやっぱり私の勘が当たってたってことだね?」


「結果的にはそうなるかな?」


「詩織が望んだ関係はもう無理だよ?」


「うん。恋が入った、ようやく三人の恋が。だからこれからもよろしくね理沙」


「勝っても負けても恨みっこなしだよ?」


「もちろん。そのアドバンテージ彼女ポジションいつまでキープできるか楽しみだよ」


「あら? 幼馴染以上の関係には興味がなかったはずの人がよく言うじゃん」


「それを言うなら親友以上にはならないかな~って去年まで言ってた人も同じだと思うけどな~」


「「うふふっ、あははっ♪」」


 こうして俺が追っていた恋は――。

 急展開を迎えて。


 ――追う恋から追われる恋になってしまった。


 ええええええええええええ!?


 マジか!?

 ついに俺もモテキが!?


 などと、普段なら思いたいがあまりの急展開に俺は言葉を失った。


 そして新上は気付いてしまう。

 二人の会話から。


 俺は二人以外の女性と結ばれることはなく、二人のうち必ずどちらかを選ばなければならない? と。



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後書き


 プロローグが長くてもすみません。

 これを一話二話で纏めれないのが光影です(笑)


 需要があれば物語(この先の展開)を書かせて頂こうかと思っています。

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愛を叫び散った日から始まる新しいLOVEストーリーは意外なもの!? 光影 @Mitukage

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