第15話 アルタイル星から日本政府にコンタクトあり。

 ここは内閣府 文部科学省国際監視課兼危機管理室。ここには三百人前後の係員が二十四時間体制で大型コンピューターを母体とした端末パソコンで世界中の情報を管理している。

「主任! 妙な信号をキャッチしました。先ほどから我々と接触を図りたいようですが」

「また新手のウイルスじゃないのか」

「おっ今度は完全に日本語で語り掛けています」

「いったい何処の国だ。日本政府の用があるなら外交ルートを使うだろう。失礼な奴だ」

「いや地球外から送られているようです」

「なんだって? 宇宙からの交信か。しかも日本語で語り掛けているとは信じられん。宇宙国際監視課に廻せ。何処から送られているかキャッチさせる」

「はい、こちら宇宙国際監視課、既に電波の発信元が分かりました。アルタイル星からのようです」

「それは本当ですか。宇宙人からの交信とは凄いことじゃないですか。いや驚いている場合じゃない。文部科学大臣に報告しなければ」

「しかしアルタイル星まで十七光年もあるんだぞ。今届いたって十七年も前に送ったものかも知れない。因みに月まで光では一秒。太陽なら八分十八秒だ。つまり十七年前の光が今届いたのか、いかに途方もなく遠い星だよ」

「その通りですよね、ちなみに交信出来たとしても地球から送っても十七年かかり返信が十七年では三十四年もかかっては意味がない」

 宇宙から我が日本国に交信しているという情報の知らせに文部科学大臣は驚いた。これまでUFOとか世界各地で噂は絶えないが、どれも未確認で宇宙人の存在が謎とされている。それが日本語のメッセーシが送られて来たと報告が入った。文部科学大臣はまたデマだろうと宇宙監視センターに向かった。監視センターではたった今、日本文でメッセージが届けられた。これは完全なるアルタイル星人からのメッセージだ。


『ようこそ地球の諸君。我々はアルタイル星から発信している。諸君は光の速さで届く時間を計算しているようだが我々は違う。しかし十七光年は余りにも遠い。それでも八日間で地球に行く事が出来、物資も送れる。物資以外なら時間の空洞を使えば瞬時に届く。つまり諸君が読んでいる文章は時間差がないリアルタイムで届く。またそちらの情報を送れば我々は時間の空洞に入れ、やはり瞬時に届く計算だ』

 スタッフ全員と文部科学大臣が一斉に溜め息をつく。だが本当に宇宙からのメッセージなのか信じられない。何処かの国の誰かが悪戯をしているんじゃないかと。試しに返信を送った。

「我々は俄かに信じがたい。本当にアルタイル星からなのか証拠を示して欲しい」

『信じられないのも無理がない。ある若い日本人女性に我々の仲間を助けて貰った。そのお礼に鉱石と機械をプレゼントした。彼女はその機械をコミポートと名付けたそうだ。彼女が我々の使者だと思って良い。なお彼女は特殊能力の持ち主だ。接触したいなら連絡をくれ。こちらから彼女が直接、文部科学省に出向くよう連絡しておく。なお我々は友好を望んでいる。友好の印に彼女に鉱石を託した。その鉱石は地球のエネルギーと医療革命を起こすだろう』

 そこで通信は切れた。やはり地球以外から送られたものだと分析の結果わかった。政府も我々も友好を望むと送信して、それでは早速彼女を出迎える準備をしておくと伝えた。


つづく

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