第14話 アルタイル星人の交信が両親バレた。

 全てがお見通しのようだった。丁度いいこれで私の悩みが少しは解放されるかも知れない。これまでの経過をありのままに述べた。父のドリューンが納得したように語りかける。

「そうかマリアの血液をねぇ。マリアの血液を宇宙人に渡し気味が悪いと思うだろうが心配しなくていい。アルタイル星人は本当に地球と交流を望んでいる。その点は心配ない。それとその鉱石だが私は詳しい事を知らないが多分その通りの効力があるだろう。マリアが心配するように何処から手に入れたという問題がある。だからそれは世間に知られないようにすればいい」

「でも地球にとって必要な物よ。世界のエネルギー不足が解消され、医学界にいいえ人類の一番の悩みである癌やこれまで治せなかった難病も死滅出来るのに私達の都合で隠し通しなんて出来ない」

「確かに地球、いや人類にとって貴重な宝となるだろう。それを私達の都合で隠しとか知らんふりも出来ないかもしれないな」


「でも私がアルタイル星人と交信を始めたのをどうして知ったの」

「貴女の様子が変だから父のドリューンと相談したの。そこで貴女の事を知るには、あの機械しかないと二十年ぶりに出して来て父に渡したの。本当は処分するつもりだった。でも困った時にきっと役に立ちと捨てきれなかったのよ」

「ああそれで知ったのね。お父さんは今でもアルタイル星人と交信しているの」

「それはない。今の私は完全に人間でありアルタイル星人もそれを認めている。だから交信は一切ない。彼等も私を置いて行った負い目があるだろう。その為に娘の君に贈り物したつもりだろうが。だがアルタイル星人は人の心理が分かって居ない。説明しても彼等には人間の心を何処まで理解しているか」

「分ったわ。私もこれでホッとした。やっぱお父さんとお母さんは頼りになるし尊敬出来る。ではあの石をどう公表するか考えてみましょう」

「あら、褒めているの。でもこれからは一人で悩まないで相談するのよ」

「ハイ分かったわ。ねぇこう言うのはどう」

「何か良い方法でもあるのかい」

「うんアルタイル星人に今の私の心情を打ち明け、日本政府にアルタイル星人からメッセージを送るのよ。それを私に託したと」

「それも一つの方法だが彼等が動いてくれると良いのだが」


 それから数日後、マリアから連絡を取ろうとしていたらアルタイル星人の方からメッセージが送られて来た。もちろん例の機械へ。面倒なのでマリアは機械の名前をコミュニケーションとテレポート(瞬間移動)をミックスして『コミポート』と名付けた。このコミポートはアルタイル星人とメール交換みたいな感じだが、地球にはないあらゆる機能を持っている。ある意味スーパーコンピューター以上かも知れない。だが父は人間の姿をしているがアルタイル星人は粒子の集合体だと言って居たから形そのものがないのかも知れない。逆にどんな形にでもなれるのだろうか。蛸みたいだったら幻滅してしまう。マリアも見たいとも思わない。

 「やあマリア、私はドレーンだ。先日はありがとう。予定にない海水など送ってくれて大いに役立ちそうだ。我が星にないバリテリアが多く含まれていて役に立ちそうだ。どうかねあの石は地球に発展に繋がりそうか」


「それがね、あの鉱石がアルタイル星の贈物としても私が頂いたと言えば、どう言う理由で手に入れたのかと追及されるの。私が貴方達と交信して友好関係を結びお礼に貰ったとしても信じないと思うの、私がアルタイル星人二世と言えば父がアルタイル星人と分かり私の家族は大変な事になるの。だから迂闊に鉱石を公表出来ないの」

「ふ~ん人間って複雑なようだな。分かった安心してくれ。こちらから日本政府にメッセージを送ろう。そこで君を紹介しょう。我がアルタイル星人が地球に降り立った時にバクテリアにやられて重症となったところを、たまたま山に登っていた君に命を救われた。そのお礼に石と機械をプレゼントしたとね」

「ちょっと無理があるけど上手くやってくれる。父と私の素性を明かさない事が絶対条件よ」

「大丈夫だ。まかせなさい。その内に日本政府が君に会いたいと行って来るはずだ」


つづく

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