第13話   第四章 家族の結束

 こうなったら誰か信頼出来る人に相談するべきか。両親は勿論考えたが母も父も、その事には触れたくないだろう。次に考えられるのは友人……いや笑われるだけだ。それなら大学の講師が一番良いだろう。アルタイル星からの石だと説明しても分るかな。隕石は世界各地で何個か落ちている日本の岐阜県でも五年前に畑に落ちていたそうだが、珍しい石だと家に飾って居て五年も経って、つい先日隕石と分かり話題になったばかりだ。それと同じでただの隕石だろうと言われたらそれまでになる。それを証明させるにはやはりアルタイル星人から貰ったパソコンのような物を見せて信用させるしかない。もし信用させたとしても君とアルタイル星とどういう関係があるのだと問われると、やはり父がアルタイル星人でありその娘とだと言わなくてはならない。アルタイル星人が日本に住んでいると分かったら日本国内はともかく世界中が大騒ぎになる。母や父も引っ張りだされアルタイル星人と結婚した母も注目を浴びる。そしてマリアも宇宙人二世だと分かる。

 やはり駄目だ。私の生活も東京の片田舎で静かに民宿を営む両親の幸せを壊す訳には行かない。まったくアルタイル星人のドレーンと言う奴、これで私に贈り物したつもりか。いっそのこと畑に埋めてしまえばいい。何年か何十年か先、誰かが掘り起こしたとしても隕石だとして騒ぐが珍しい事でもない、それでいずれ終息するだろう。この悩みがアルタイル星人達に説明したって分かる訳がない。もう関わりたくない、そう思った。


 マリアが家に帰ると父のドリューンが玄関前で立っていた。どうもいつもの優しい父と雰囲気が違う。

「マリア、話があるから家に入りなさい。いままで何処に行っていた」

「あれ、お父さん今夜はどうしたの。怖い顔して」

「とにかく家に入って話をしよう」

 ちょっと今日は疲れたからと言って誤魔化せる雰囲気ではなかった。仕方なくリビングに行くと母の佐希子は真剣な顔をしている。一体どうしたと言うのか。暫くすると父はパソコンのような物を持って来た。そうアルタイル星人がから貰ったもと同じ物だ。

「あっそれは……それどうしたの」

「やっぱり見覚えあるか。マリアも同じ物を持っているだろう。これはお父さんの物だ」

「どうして知って居るの。まさか私がアルタイル星人と交信していた事を知って居るの」

 すると母の佐希子が言った。

「私は貴女の母よ。どうも最近様子が変だと思っていたの。とうとう貴女は父の秘密を知ったようね。隠しても仕方ないわね。父が宇宙人だとしても今更驚きもしないでしょうね。アルタイル星人が貴方に接触しているようね。本当は普通の女の子に育って欲しかった。でもいつの間にか、貴女は少しずつ変わって来ている。父のドリューンの代わりにアルタイル星人が連れて行こうとしているのではないかと心配なの。正直にこれまでの事を話しなさい」


つづく

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