ラブコメ×恋人ルート 本当の気持ち

『この声が聞こえている?』

『えへへ、なんだか恥ずかしいな』

『でもね、それ以上に嬉しいの』

『私、知らなかったんだ』

『自分の気持ちを正直に伝えることがこんなに難しいってこと』

『うまく言葉になんてできないんだってこと』

『だから、こうやって私の気持ちを聞いてくれるのは嬉しいんだよ』

『それに……』

『神通力を修得してまで、私の気持ちを知りたいって思ってくれたこと』

『本当に嬉しいんだ』

『やっぱりちょっと恥ずかしいけど』


『私はね』

『神通力を取り戻さなきゃいけないの』

『わからないかもしれないけど』

『私が生まれた時から持っていた力だから』

『この力がないと、不安で仕方ないの』

『神としての自分が否定されているような気分になるの』

『だから、この下界で暮らすのはずっと不安だったわ』

『何が起きるのかもわからない』

『人間の心も読めない』

『何かあっても、変える力も持っていない』

『でも、そんな気持ちに気づかれたくなかったから』

『できる限りそんな素振り見せないようにしていたわ』

『あなたの前ではね』

『あなたは私に協力してくれるただ1人の人間だもの』

『嫌われたくないじゃない』

『離れたくないのよ』

『あなたが神通力を修得しようと頑張っていることも分かってたわ』

『この世界じゃ神通力が手に入りそうにないから』

『世界を変えようって言ってくれたこと』

『本当は嬉しかったの』

『私のために、考えてくれているんだって分かったから』

『でもね、同時に悲しかった』

『ダメだよね、私』

『こんなただ、遊んでいるだけの世界』

『神通力が手に入りそうにないことなんて、私にもわかっていたのに』

『あなたと離れたくなかったの』

『あなたにそんなこと言ってほしくなかったの』

『ふふふ、不思議な気持ちね』

『こんな気持ちになったの初めてよ』

『でも結果として、他心通を手に入れられた』

『この世界は無駄じゃなかったのよね』

『この世界には意味があった』

『私の気持ちは救われた』

『もう十分』

『この世界は終わらせましょ』

『世界を変えて、他の神通力を探しましょ』

『これ以上、この世界にいると私は甘えちゃう』

『あなたに神通力以上のことを求めちゃう』

『それはダメなの』

『だって私は神だから』


『私の嘘』

『気づかれてたのかしら』

『私は嘘をつくのが下手だから』

『ふふふ』

『私があなたを好きになったのは』

『神足通の能力のせいじゃないの』

『神足通には、人の気持ちを変えてしまうほどの力なんてないの』

『だからこの気持ちは』

『私の本当の気持ち』

『じゃあ、なんであなたのことが好きかって?』

『そんなの決まっているじゃない』

『理由なんてないよ』

『人を好きになることになんてね』

『神でさえもわからないことなの』

『でも、これで安心できるでしょ』

『安心して世界を変えられるでしょ』

『だって、あなたが森で会う私は』

『あなたが何を考えていたとしても』

『絶対にあなたのことが好きなんだから』

『どんな世界でも一緒』

『神足通を使っても一緒のことなの』

『私はあなたが好き』

『あなたのことが大好き』


『これで私が伝えたいことは全部かな』

『これでわかったでしょ』

『あなたがするべきこと』

『私が本当にしてほしいこと』

『あなたは世界を変えて、神通力を探してほしいの』

『私に何を言われても』

『絶対に世界を変えて』

『この世界を終わらせて』

『どんな世界になっても私はあなたのことが好きだから』

『ずっと』

『ずっと大好きだから』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る