ラブコメ×恋人ルート 動物カフェ

「ところで――」

「今日行く動物カフェって、なんの動物なの?」

あの動物カフェは確か――


      → 犬 ←

      猫

      猿

      フクロウ

      ハリネズミ

      ペンギン


「そう、まああなたが言うなら間違いないんだろうね」

「間違っていたとしても、神足通がそうしちゃうだろうし」

神足通はこんな些細なことにも発動するのか。

便利な力だ。


「いらっしゃいませー」

店員に案内されて窓際のソファに腰掛ける。

すると、店内の動物が僕の下に近寄ってきた。

「ねえ」

「動物カフェってニッチなニーズに応えていると思わない?」

彼女は動物に目もくれず、僕に話しかけてくる。

「いろいろな動物を見たいなら動物園に行くでしょ。一緒に暮らしたいならペットとして買えばいい。動物カフェってね、一度は触れてみたいってそういうニーズに応えた業態なの」

「だけどね、キャストが人じゃなくて動物でしょ。そうすると固定客がつきにくいってデメリットがあるの。当然よね。この子たちは、今日ここに来た私たちのことを覚えてくれないだろうし、営業も広報もしてくれないんだから」

「でもデートスポットとしては悪くないわね。動物好き同士なら話が弾むこと間違いないし。あと子供とかを連れてきてあげたら、いい体験になるんじゃないかしら」

彼女は動物カフェに対する理論を次々と述べる。


      → あまり動物に興味なかったか ←

      経営に興味があるのか


「ち、違うわ」

「わー、かわいいなー、ヨシヨシ」


      → 無理しなくていいぞ ←


「ごめんなさい。別に動物が嫌いなわけではないのよ」

「でも、人も動物も下界の観察で見慣れているので」

「あなたたち人間も動物園に毎日行ったら飽きてしまうでしょ」

そういうものなのか。

いまいち理解できなくて首を傾げた。

彼女はハッとして手を振って否定する

「違うのよ。なにも人間を、下界の檻にいる動物って揶揄しているわけじゃないわ」

いや、僕はそこまで言ってはいないが。

「むぐぐ」

「ごめんなさい。デートでこんな話しちゃって」

彼女はシュンとして黙り込んでしまった。


彼女は無言のまま動物と触れ合っている。

どうしよう。

何か声をかけたほうがいいのだろうか。


     → あのさ…… ←


「あのね……」

僕が声をかけるのと同時に彼女も話しかけてきた。

不意にハモってしまったのが面白く、僕らは笑い合った。

「あはは、あのね。私、さっきはああ言っちゃったけど」

「こうやって触れ合ってみると

「ただ見てるだけの時とは違うなって思って」

「なんだか、いいわね」

「あなたたち人間とも触れ合っていけたら、また違う気持ちが生まれるのかな」

「……なーんてね」

「さあ、今日はそろそろ帰りましょ」

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