序章5

今、何て言ったんだ?


      → ……神? ←

      ……だった?


「そう、神様。私って偉いのよ」

「神通力だって使えるんだから」

「でも、下界に降りてきたときに無くなってしまったのよ」

「しかも、なぜかあなたが私の力を持っているし」


      → 僕が? ←


「私は六神通すべて持っていたんだけど」

「あなたが持っているのは、神足通だけみたいね」

「ひとまずその能力は写させてもらうわ」

そういうと彼女は札を1枚取り出して、僕の前に掲げた。

札は青い光を放ちながら、「神速通」という字が浮かび上がってくる。


      → 今のは一体……? ←


「あなたの力を写させてもらったの」

「この札を6枚揃えれば、私は再び神に戻れるの」


      → なんで僕にそんな力が? ←

      僕はどうしたらいい?


「そんなの私が聞きたいわ」

「でも、あなたはなにか知っていそうね」

「だから、協力してもらうわ。六神通を取り戻すことに」


      わかった

      → 嫌だ ←


「ええ!?何で断るの」

「あなたが協力してくれないと、私は困るのよ」

僕はしぶしぶ承諾した。

「それは助かるわ。ありがとね」


      → どうすればよい ←


「神通力は神が生まれ持った力なんだけど」

「人であるあなたも修得することができないわけじゃないの」

「そのためにまずは神通力について知ってもらう必要があるわ」

「神通力について、説明してほしいかしら」


      → 説明してほしい ←

      説明はいらない


「簡単に言えば、神が使える特殊能力よ」

「6種類合わせて六神通とも言うけど」

「気になる能力はあるかしら」


      → 神足通 ←

      天耳通

      他心通

      宿命通

      天眼通

      漏尽通


「神足通は、神の持つ基本的かつ万能な能力よ」

「神が望むように世界を変えたり、好きな時空に移動したりするための能力ね」

「あなたが持っているのもこの能力だわ」

「あなたの神足通の使い方については、説教したいんだけど」

「それは後にするわね」

怒られるようなことをしてしまったのか。

僕は力を使った覚えなどないのだが。

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      → 天耳通 ←

      他心通

      宿命通

      天眼通

      漏尽通

      特にない


「天耳通は神が下界の声を聞き届け、要望を叶えるための能力よ」

「とても小さい音や、動物や植物などの思念を聞き通すことができる力ね」

「この能力があれば、森とか館とかで迷う心配もないんじゃないかしら」

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      天耳通

      → 他心通 ←

      宿命通

      天眼通

      漏尽通

      特にない


「他心通は人々の善悪を判断するため能力よ」

「相手の心の中のすべてを見通すための能力ね」

「この能力があれば、好きな女の子の心も知ることができるわ」

「……ってそんな悪用しないでよね」

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      天耳通

      他心通

      → 宿命通 ←

      天眼通

      漏尽通

      特にない


「宿命通は1人1人の輪廻を把握するための能力よ」

「自分や相手の過去の記憶や前世の記憶を見通すための能力ね」

「この力があれば、あなたも失った記憶を取り戻せると思うわ」

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      天耳通

      他心通

      宿命通

      → 天眼通 ←

      漏尽通

      特にない


「天眼通は下界の行く末を見るための能力よ」

「未来に何が起きるかを見通すための能力ね」

「この力があれば、どんな強敵だろうと負けることがないわね」

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      天耳通

      他心通

      宿命通

      天眼通

      → 漏尽通 ←

      特にない


「漏尽通は神が世界を1つに定めるための能力なんだけど」

「この力は最後でいいわ。まずは他の5つを集めましょう」

「他に聞きたい能力はあるかしら」


      神足通

      天耳通

      他心通

      宿命通

      天眼通

      漏尽通

      → 特にない ←


「これで神通力についてはわかったわね」

「じゃあ、具体的な方法について説明するけど」

「あなたの神足通を使って、神通力を手に入れやすい世界を作り上げてほしいの」

「能力が必要な環境に身を置けば、あなたも神通力を修得できるんじゃないかしら」


      → どうやって使うんだ ←


「あなたは自覚していないうちに神足通を使っているのよ」

「じゃなきゃ私もこの世界もこんな風にはなっていないわ」

「窓の外を見てみなさい」


促されて窓の外を見る。

そこには――

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