A『プノ・ゼノ・パナナだぞ』
「お前より下なら酸素が無くなるってんなら、俺はお前の元に行くぞ!」
「ならばそれを落とそう。『上に行けば気圧が急に上がる』」
おっ!?酸素ボンベがいきなり潰れたぞ!?やべぇこれより上に行ったら不味い!一旦戻る!しかし下には酸素が無く、上に行けば気圧が襲い掛かる……こりゃやべぇ、マジで隙がねぇ!
「あ、あの!」
「なんだ?」
「何故私を攫ったんですか?」
確かにそりゃ気になる、が!このままにしていると死ぬ!酸素ボンベがぶっ壊されたんで一度外に逃げる!
「と、とりあえずこの廃工場より外は問題ないっぽいな……」
範囲は狭い……のか?いや、多分それは無いな。今は俺を狙った攻撃を仕掛けてきたのなら、俺以外に危害を加える必要は無い。
「おい俺の盾はどうした」
「あっヤベ、おいてきちゃった」
「まぁいい、それよりも少し見ていたが、奴の能力はもしかすると人に作用することは出来ないのかもしれない」
「何?」
「さっき奴が言ってただろ?あいつの能力は法則と付いている、と言う事はすなわち他人にどうこうすることは出来ないと言う事だ」
「だがそれでも平気で人くらい殺せるぞ?なにせ大気すら操れるんだからな」
だが恐らく、人体に関わる何らかのルールを破ることは出来ないんだろう。それ以外なら何でもできるけどな!バケモンかな?
「どうする?俺何にもできないけど」
「お前もう帰れよ!」
「でも一つ把握したよ。要は何か言う前に行動すればいいよ」
「なるほど」
よーしならもう一回行くぞ!もう一回酸素ボンベを作ってっと。今度は盾を回収しよう、こいつは何人たりとも破壊出来ねぇ奴だ。なら勝機はある!
「また来たか」
奴が何かを言う前に、即盾を投げる!やっぱ気圧は確かに上がってるが、盾はぶっ壊れない!そのままぶつけてやる!
「『こちらに向かってくる物の速度は消える』」
ゲッ、床に刺さった!盾をどうにかすることは出来ねぇが物の軌道は操れるか!しかし本当にやりたい放題だなあいつの能力!
「だが上がることは出来たな」
「何っ」
おっ結構動けるタイプ?能力にかまけた雑魚じゃねぇって事か。そりゃそうだろうな、じゃなけりゃわざわざ能力に隙を作らねぇよ!
「一応聞く、どうやって上がった?」
「単純だ、この工場内で上がれば気圧がかかるってんなら、一回外に出て入ればいい」
「だろうな。そうすると思っていた。『私の見ている人物は横に落ちる』」
おっ?おぉ!?横に落ちるって通りマジで横に落ちてやがる!?しかもここから横にゃ槍みたいになってる鉄パイプが置いてやがる!明らかにここに来ることを確信していた動きだ!
「そしてもう一つ、『私のいる足場の摩擦は消える』」
おっなんだこれは?!滑るぞ!やべぇ落ちる!しかぁし!なら足場に突き刺せばいいだけの話!超鋭い爪を生成!そのまま床に突き刺す!
「うわわ!滑りますよ!?」
「あっ福音!」
「何っ!?」
やべぇ福音が落ちる!生身の福音が下に行ったら死ぬ!だが俺には……えぇい考えるか!俺の腕からニトロを生成!で爆破!
「福音ぇ!」
クソッ……届かねぇ……!
「『一時間以内の全ての法則違反は解除される』」
何っ!?なんで……いや!福音を救うのが先!マットレスを生成!飛んでけ!
「あう!」
「大丈夫か福音!?」
「だ、大丈夫です!ありがとうございます!」
よし大丈夫そうだな。怪我もしてないし。しかしそれより……なぜ奴は能力を解いた?今奴に能力を解く意味があったか?
「今は良い!それよりお前!」
「俺はプノ・ゼノ・パナナだ」
「じゃプノ!なぜ能力を解いた?いや福音を利用したいのは分かるが……お前の能力なら、この程度余裕で……」
「彼女を失う訳にはいかない。……それに、今戦っているのは貴様だ、彼女ではない」
「そ、そうか……にしては明らかに焦ってたよな?」
「……」
何か理由でもあるのか?そんなに福音が欲しいのか?おっと福音はやらんぞ!
「おいなんか意味があるなら言え!なぜ福音を狙った!?」
「……何か理由があれば、お前らが許すのか?」
「いや、許さないが?」
「だろう。だとすればやはり拳以外ではどうしようもないのだ!」
うーんそうなのだろうか?分からんが、今は戦うしかねぇ!それ以外で分かり合えねぇ!
「盾我!福音は取り返した!」
「あぁ了解!助けてくれ!」
「わ、わかりました!と言うかなんですかこの怪我?!」
やっぱあいつ死にかけてたのかよ!?よくここまで来れたな、普通なら死んでるぞ……。いや、それより問題になるのは奴……プノだ。
「ここからは負い目なしで、本気で奪いに行くぞ」
「了解だこの野郎!本気でかかってこい!」
「では、『貴様の重力は二倍に増える』」
ぐわぁ重い!凄い重い!いや二倍ってメチャクチャヤバい!
「まともに戦えるか?」
「フン!お前程度なら二倍で十分じゃオラ!」
しかし重力が二倍になってるなら、攻撃の威力も相対的に上がってるはずだ!そして何より既にある物を生成してるんだよこっちは!
「知ってるか?宇宙じゃ飛ぶ装置が無けりゃ死ぬ、これはその特殊なスーツを再現した物だ」
「ふむ」
「そしてこのスーツは一部を爆破することで瞬間的な加速を得る事が出来る!これでトントンだこの野郎!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます