Q『で、お前誰?』


「お前がボスか!?」


「なんだ?」


「なんだじゃねぇ福音は返してもらう!」


ん-この前で合った奴とはなんか見た目が違うけどこいつが本当のボスか!この前の奴そこに倒れてるしそうみたいだな!福音も持ってるしな!


「その手を放しやがれ!」


「うおっ護衛か!しかし護衛は一人と聞いていたが?」


「おぉ!?部下から聞いてねぇのかよ!」


福音に当たるのはまずいんで、遠くからの攻撃は駄目だな、なら突っこむ!


「潰す!」


「おっと、ここじゃ狭いな」


おっ逃げる気か!?待ちやがれぇって、なんだぁ!?今あいつ重力に逆らって浮いたぞ!?明らかに何かの能力を使いやがってるな!まぁ考えるのは後だ!今は福音を取り戻すのが先!


足に爆薬を生成して、飛ぶ!この先は屋上、間違いなくそこにいる!


「ぬぅっ!?」


ナイフ飛ばしてきたぞ!危うく突き刺さるところだこの野郎!よっと、とりあえず福音をどうやって救出するか、だな。盾我は恐らく来る。ならそれまで……時間を稼ぐ!


「おい!何の用で福音を攫った!?」


「言う必要があるのか?」


「うーん無いな!」


……はい終わり!こりゃダメだ。だって相手の事何にも知らねぇし。しかし福音起きないなぁ、まだ寝てるのか?気絶させられてるんじゃねぇのか?


「ん-……はっ!?こ、ここはどこですか!?」


「おい福音!」


「あっ瑠莉奈さん!ここはどこなのですか!?」


「げっ起きたか……。まぁいいや、とりあえず逃げる!」


えっ何をって福音を投げやがった!手に入らないと分かった瞬間殺す気か!?


「この野郎!殺す!」


だが福音の事を手放したってんならこっちももう手加減する必要はねぇ!


「死ねぇ!」


お前はギロチンでぶっ殺す!誰が何と言おうがだ!この刃の雨!どう避ける!?


「ちょっと?なんだぁ!?」


……浮いた?!って事は福音もか!よかったなぁ……。って以前攫われかけてるか!


「お嬢様!?」


「盾我!?そこはヤバいぞ!」


いやそのままキャッチしろ!死んでも受け止めやがれ!って今度は盾我が空中浮遊したぞ!?このままじゃ飛んでいくぞ!えぇいこうなったら俺も下に行く!見たところあいつの上下は浮くみたいだしな!


「盾我!掴まれ!」


よし何とか受け止めてやったぞ!そして俺が見た通り、やはり奴の周りに謎の重力が働いてやがる!だが追わねば福音が攫われる!


「よし追うぞ!」


「なんだあいつは?」


「アレが本当のボスだ!今まさに福音が連れていかれた!であいつはなんか知らんがヤバい能力を持ってる!いきなり動きが遅くなったり、気づいたときには後ろを向いていたりと何が何だか分からん!」


いやマジで何にもわからん!これならあそこで気絶してた奴と戦う方がよっぽど早く勝てるだろうよ!とは言えまだGPSは生きてる!最悪の場合も考えるべきか……!


「俺も一緒に行くぞ」


「そうか!とりあえず死ぬなよ!」


ところで盾我、お前結構無理してねぇか?明らかに動きが悪い気が……。いや、奴は既にボコボコにされた後来たんだから無理もないか。正直に言って足手まといって感じだが、こいつはそう言っても付いてくるだろうな!


「おい廃工場に入るぞ!」


「俺らも行くぞ!」


さて、まぁ明らかに何かしてるよなぁあいつ。よく分からないが、重力変動とかか?じゃなきゃ福音がゆっくり浮いていたこととかに理由が付かない。しかしいきなり入るのはド悪手だろうな、下手すると死ぬ可能性もある。


「おっ投げるのか」


「あぁ。何かあったら頼む」


よーしどうだ飛んでいくか……。落ちちゃいましたね?やっぱお前、結構ヤバいんじゃね?真面目に帰った方がいいんじゃね?一応お前を失いたくないぞ?


「おい落ちたぞ!」


「いや、今のは全力で投げた。……なのに明らかに異常な場所で落ちた」


まぁ確かに、ところで気絶しそうだけど大丈夫かお前?遂に腹から血が出てきそうになってない?おい何があったんだよお前。大丈夫なのかよ?それより本気で投げたって……。


「つまり……、どういうことだ?」


「恐らく、この中では既に奴の能力が発動されていると言う事だ」


「……なるほど」


既に罠まみれか。さてどうする?俺一人で行くべきなのは分かるが、それでも……。


「安達太良。……後は頼む」


「おい盾我?盾我!?」


コイツ、失神してる!えぇいもはや迷ってる暇はない!こうなったら突っこむしかねぇ!とにかく福音を取り返し、盾我を治す!それが最重要だ!行くぞ!


「来るなら来やがれ!俺は強いぞ!」


「あぁ待っていた」


ッ、こいつはヤバいぞ!呼吸ができねぇ!いったいどうなってやがる!?えぇい酸素ボンベを生成!酸素は外から得ればいい!じゃなけりゃ死ぬ!


「やはり追ってきたか」


「何をした!?」


「『この部屋より下の大気は酸素が減る』」


……な、何を言ってんだあいつ?!もしかしてあいつの能力は言ったことを実現する能力……?


「平衡を期すために教えておこう。俺の能力は『法則違反アンチルール』。俺の周りでは全ての法則は消える」


成程ね!大体把握しちゃったもんね!つまりこいつはマジで何でもありな奴って事だ!とりあえず福音は無事そうだ!なら何一つ問題ねぇよ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る