毒手使い(毒耐性無し)
「ここだ!」
「どけクズども!お嬢様の身に何かあったら許さないからな!」
さてアジトの場所は分かったところでカチコミじゃこの野郎!どいつもこいつもぶっ飛ばしてやるから覚悟しやがれ!
「おい銃効かねぇぞあいつ!?」
「盾持ってる方を撃て!あっちは弱い!」
「黙ってろよ!」
盾我の盾投げスキルやっぱおかしいよな。何で二階以上上にいる相手に命中させられるんだよ?いやまぁ味方として一緒に戦うってんならこれ以上ないほど有能だけどな!恐らく敵は最上階にいる!こんな場所で途中にいるって事は無い!
「うわぁ助けてくれぇ!こんな奴と戦ってられねぇよ!」
「邪魔だ邪魔だ!」
三角形の適当な図形を作って突撃!このまま最上階まで階段で登らせてもらうから覚悟しやがれ!エレベーター?あるけど使ったら死ぬでしょあんなの。それよりそろそろ八階だ、だってのに人の気配が無くなったぞ……。
「ひょっひょっひょ。獲物がのこのこやってきましたわい」
「なんだこいつ!?」
「知ってるぞ、あいつは『毒手使いの
「なるほど了解!」
一見するとただの老人に見えるが、その両腕から滴る毒が下の床を焦がしてる辺り、明らかに食らったら死ぬタイプの毒だな。だが俺にとっちゃこの程度はゴミクズ同然、とっとと気絶させて上に行かせてもらう。
「ひょーっひょっひょ。この毒を食らって今まで生きて帰ってきた奴は五人しかおりませぬぞ」
「結構いるなぁ」
「それは能力が強い奴だけじゃぁい!お主らは安達太良とか言う方はともかく、その盾我とか言う奴は生身!食らえば……、ちょっと待って手痛い」
「おい自分の毒でダメージ受けてんぞあいつ!」
「あぁ、あいつは毒使いのくせに毒に対する耐性は一つも持っていない」
「馬鹿じゃねぇの?!」
もうほんとボコボコにしてやりたいよ!なんで持ってねぇんだよ毒耐性!俺のバカ友達だってクッソしょぼい毒能力なのにキッチリ毒耐性持ってんだからな?!毒手使うなら持ってろよ毒耐性!
「ひょーっひょっひょ!あまりに毒が強すぎて五分以上使うと自分の毒で手が溶けてしまうんじゃわい!」
「アホの極みみたいな奴だな……」
「言い忘れておったが、この毒は体に0.00001ミリ程度入っただけでも致死量!お主等に耐えられる毒ではないわぁ!」
うわっ毒飛ばしてきたきったねぇ!
「どうにかして隣を通るか?」
「無理だな、奴の毒はナイフに塗るだけで恐ろしい武器になる、あの腰に下げてるナイフはさっきから溶けている音がする」
「つまり毒持ってるわけね」
「そうだ」
これ以上関わりたくないが、どうやら無視してはいけないようだ。ナイフを持っている限り、少し切り付けられただけで即死するだろう。横を通るにもこんなところで死ぬ訳にはいかないんでな。
「しょうがない、能力バトルならやってやる」
「なら俺は先に行く、お前はこいつを倒した後お嬢様を助けに行け」
「了解!」
「だーれが通すって言ったかねぇ!?」
あのジジイが切りつけようとしたところに壁を生成!お前の毒がいくら強くても当たらなけりゃ意味なし!
「んじゃ正面からツブしてやるから覚悟しろジジイ」
「わしゃ毒・手だと言っておろうがぁ!」
「長ったらしいんだよお前の名前!どうせジジイなんだからジジイでいいだろ!」
「はーっ殺す!」
倒せる物なら倒してみなよぉ!って毒を撃ってきたぞ!防御防御!
「ぬっ手榴弾!?」
「目の前に壁を張るバカ相手にはこれが効くんじゃよ!」
確かにその通り!けど俺の生成は元々俺の体から出す能力!壁なんかを生成する時は時間がかかるが、俺の体を覆う程度なら一秒もかからねぇよ!
「何ッ!?なぜ死んでおらん!?」
「あいにく、お前みたいな奴を相手に何度も戦ってるんだよ!」
そしてこいつは驚いているふりをして毒を塗ろうとしてきやがったんで、その辺は適当に生成した棒でへし折る!
「ぎぃやぁーっ!?」
「今まで腕なんか折られた事無かったんだろ?いてぇだろそれ」
「ぐぐぐぅ……!殺してやる!殺してやるぞぉ安達太良ァ!」
「そしてそのチャンスは二度とない」
両腕ギロチンだ。……こんな危険人物を活かしておく意味はない。なら毒を出せないようにして生かしてやる。俺は無意味な殺生は嫌いなんでな。
「あんぎゃぁぁーっ!」
「じゃあな。毒手野郎」
今はお前にかける言葉一つ惜しいんだよ!とどめは刺さねぇからあとは勝手にしろや!さて九階……は、盾我が今戦ってるようだな!
「盾我!先に行く!」
「了解」
「行かせると思っているのか」
俺を狙ってなんかが飛んできたぞ!?なんだこれ!?
「ふん!」
「おっサンキューな!お前のお嬢様は救ってくるからそこでそいつを足止めしといてくれ!」
「分かっている。……俺に出来るのはそれだけだ」
このまま最上階に突っ込んでやる!何がボスだボコボコにしてやる!
「待ってろよ福音!今救いに来たからな!」
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