未確認飛行物体を確認


「今日は楽しかったです!」


「そうか」


相変わらず楽しそうだな福音。まぁ今までこんなせまっくるしい家に閉じ込められてたんだからな、この位は許してやってもいいだろう。それよか今問題にするべきは奴らこと敵の話だ。恐らくあの男、帰る時普通に走って逃げたと言う事は移動系の能力じゃねぇんだろ。


案外能力者は能力を見せびらかしたいと言うサガを背負ってる節があると思う。俺もその一人だろう。福音は恐らく能力を見せると言う発想が無いのだろう。なぜなら回復させる必要のない生活を送って来たから。……盾我?あいつは知らん。


「さて、それじゃ今日は風呂入って寝るか」


「夜ご飯も美味しかったです!」


「そうだな。じゃ俺寝るから……」


……おい福音。なぜ俺の服を掴む。なぜ掴んだ後顔を赤らめる。怒ってるのか?


「その、瑠莉奈さん」


「なんだ」


「……一緒に寝てくれませんか?」


ん-……?なんて?いやなんで?どうしてそうなるの?なぜですホワイ!?そんなことする必要ある?!


「な、なぜでしょうか」


「あの人が攫いに来るって言ってましたから……怖いんです」


「うーん納得」


それもそうか。じゃ仕方ないか。一緒に寝ましょ。布団狭っ!やっぱ一人用だからはみ出てるって福音が!うーん布でも適当に作って寝るか。まだ肌寒いからな。


「もっと近くに来てください……」


「あー。いいよ」


ホント柔らかいよなこいつ。弱さだけで言えば蚕にすら劣るレベルの身体能力、なのに能力は最強クラスだって言うんだ。いったい今までどれほど辛かったんだろうか。


「あの……、なぜ頭をなでるのですか?」


「分からん。分からんが撫でたくなった」


「えへへ……ちょっとうれしいです」


……可愛いなこいつ。小動物系じゃない、なんだろうな。なんか見てるとだんだん胸が熱くなってくるぞ……?なんだこの感覚。今まで味わったことのないよく分からない感覚だ。


「止めっ!頭撫でるの止め!」


「あぅ、酷いです……」


「い、いや!なんかこう!撫でてるとだんだん凄く……こう!なんだか変な気持ちになってくる!」


「な、なんでですかぁ!」


くぅう落ち着け俺!この気持ちはなんだか分からんが、少なくとも悪い感じじゃない!じゃあもっと撫でても大丈夫だろう!うん!


「……」


「えへへ……」


うっ、なんかもうこれ以上はヤバい!そろそろやめよ!これ以上は俺の心が持たない!


「もう寝ますからね!撫でませんからね!」


「あっ……はい……」


いーや罪悪感が凄い!もうちょっと撫でてやった方がいいかもしれねぇと思う!けどこれ以上は俺がどうなるか分からん!いったいどうなる俺!?


「スゥ……」


「……寝たか」


寝顔も可愛いなこいつは。なんだ可愛いところしかないじゃないか!肌もモチモチしてるしな。触ってるとなんか気持ちいいなこの柔肌。癖になる柔らかさだ。


「ふへへ……くすぐったいですよぉ……」


あぁもう可愛いねぇ!それはそうと盾我おせぇなぁ、まさか警察に捕まってるんじゃねぇだろうな?流石にそれは無いか……。あいつなら勝手に出てきそうだし。


「んっなんだありゃ!?」


なんか発行してる飛行物体があるぞ!ありゃなんだ!?UFOか!?なんでUFOがここに?!おっなんか降りてきた。宇宙人かな?


「って盾我!?」


「クソ……すまないお嬢様……」


メチャクチャボコボコにされてんじゃん!?何があったお前!いや何があったのかは大体分かる、おおよそこのUFOの中でボコボコにされたんだろ!?いったい何が中にいるんだ!?


「お前が安達太良か?」


「なんで知ってんだお前!?後宇宙人か!?」


「ボスから教えてもらった。後宇宙人ではない」


宇宙人じゃないのか……。いやそうじゃねぇか、あの盾我がボコボコにされたって事はかなり強い!油断はしねぇ全力でぶっ潰してやる!


「さてと……。では正面から攫って行く」


「何?」


「う……、後ろだ安達太良!」


後ろ!?後ろで何がって福音がいない!?何をしやがった!?


「ではさらば」


「逃げんじゃねぇ!」


「おっと、私を攻撃すればこいつにも被害が及ぶぞ」


「ッ!」


逃げられた……!まずいぞこれは!まずは盾我を起こすのが先か!おい起きろ!


「お前はあいつにやられたのか!?」


「いや……。あいつらがボスと呼んでいる奴にやられた」


「何ッ?!どんな奴だった?!」


「分からんが……、恐らくワープ系の能力だ」


「何?!」


「俺が防御した裏から殴られた。その腕は見たことが無い円状の物から出てきていた」


成程大体分かった、恐らく自分の体をどこにでもワープさせられる系の能力なんだろうな、じゃなけりゃその能力で福音を攫えばいい!そうじゃなくとも間違いなく条件ありきの能力だ!


「とにかく取り返しに行くぞ!」


「どこかわかるのか?」


「福音にはGPS付きの携帯を常に忍ばせている!それを追えば大体大丈夫だ!」


「なるほど。当然俺も行く、今回の事は俺の落ち度だ」


「了解!せいぜい足手まといになるんじゃねぇぞ!」


絶対救ってやるからな福音!それまで待ってろよ!

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