ソレはハンデにならない
「やったか!?」
「いーや、残念だがやってない」
俺の体から生成できる物は銃弾程度で撃ちぬける程軟弱じゃねぇんだよ。ついでにでっかい壁作って一般人も防御したけどさぁ、マジで一般人に被害出しても構わねぇって感じだなこいつら。
「悪いが今回は派手に動けねぇんでなぁ……シンプルにぶっ潰す」
俺の手から銃弾を生成、そして撃つ!まぁ避けるよな普通。けどそうじゃなくてだな、俺の銃弾、二段構えなんだよ!普通の銃弾なら撃った時点で終了、だがこいつは爆弾入りの銃弾なんだよ!
「ぐわぁ!」
「まぁそんな厳しくねぇだろその程度」
「えぇい撃て撃て!こっちは防弾ベストがあるんだぞ!」
それは良い事聞いちゃった。防弾ベストで銃撃は防げるだろうが、それってその箇所しか防げねぇって事だろうが!仕込み完了!まず一人から……確実に殺す。
「げっ地中から!?」
「これついでね」
首めがけて硬い棒を召喚!例え防御していても衝撃は防げねぇだろ、そしてこういうチームで動いてる野郎は、一人がやられると一気に弱体化する!その隙を付く!
「なっ」
「よぉ」
デカい隙だなぁ。戦場じゃその隙は死ぬぜ?はい素手!ヘルメットごと叩き割ってやる!
「素手でヘルメットを!?」
「まぁ素手って程素手じゃねぇけどな」
殴る瞬間、手にガチガチの籠手付けて殴ってるからな。鉄筋コンクリートも破壊できるからな?さてもう一人だが……既に戦意喪失だな。銃を捨てて降伏してやがる。
「でもダメ」
「あっ酷いですよ!いくら何でも謝ってる人に攻撃するのは駄目です!」
「敵だから気にするな。気絶させてるだけだ、問題はねぇよ」
まぁ一般人からすればそうだよな。俺ら護衛だから一応本気でやらないとダメなんだけど。既に三人の顎はへし割ってるわけだが、まだいるんだよなぁ気配が。
「で、いるんだろ。誰か」
「ご明察ぅ!自己紹介でもします?」
「いやいい。どうせ敵だろ?」
なんだこいつ。変な奴ばっか出てくるじゃん。なんで顔の半分仮面で覆ってるの?その上ファッションダッサこいつ!服ダッサ!なんだそりゃその服!
「そうですけどねぇ。盾我って人は知ってるんですけど?お前誰?」
「俺は安達太良だコノヤロー。で、やるのか?一応非番じゃねぇから呼べば来るぞ?」
「おーこわこわ……んじゃ止めとこ。盾我はともかく安達太良君は手に余りそうだぁ」
「そりゃ正解だな。俺と戦争がしたけりゃ軍一つ持ってくるべきだな」
念のため言っておくが、今俺は本物のお荷物を背負ってなお、お前の兵に余裕で勝てるんだからな?だろおい。帰れよさっさと、ついでにくたばれクソダサファッションバカ。
「でどうするよお前」
「えぇ、逃げます。ですが今度は……確実に攫うからな」
「やってみろコノヤロー。俺が生きてる内は攫わせねぇよボケ」
帰っていったようだ……。なるべくこんなところで戦いたくはない。せめて福音を下ろしてからだ。この状態だとかなり動き制限されんだからなお前?マジで。んで次よ次。
「おい盾我、おせぇよ」
「そのようだな。何度もお嬢様を狙った敵だ」
「そうかこいつらが……。さて、話を聞くとしましょうかねぇ」
拷問でもなんでもして話聞くとしましょ。どうせこいつら捨て駒だろ、でもどういう奴なのかくらいは知っておくべきだろう。
「おーい話聞けるかぁ?聞けねぇならいいんだ、このまま潰す」
「畜生……!盾持ってるガキだけが相手だって言ったじゃねぇかよあの野郎……!」
「おい盾持ってるガキってのは誰の事だ?」
いや、お前だよ。どう見てもお前一人なんだよ。その条件に合ってる奴が。なぁ客観的に見れないのかよお前は?
「じゃ話せよ知ってる事」
「話したらどうするってんだ!?」
「まぁ警察に届けるが。後は知らん刑務所で好きにしろよ」
んじゃまず腕の一本折るね。
「はい腕一本」
「おい、殺すなと言った割に拷問はするのか」
「しょうがねぇだろ、やらなけりゃ言わねぇんだから」
言わないみたいなんで次腕ね。
「悲鳴を上げないのは見事なんだけど、お前ら捨て駒だからね?多分あいつ、お前らの事は替えの効く兵程度にしか思ってないからね?」
「これで殴るか?」
「それは普通に死ぬからダメよ」
ちなみに福音には聞こえないようにしています。さっきから何をしてるのか聞いて来てるけど、教えらんないよこんなもん。だってそうだもん。
「でどうする?殺す?」
「殺さねぇって言ってんだ。なめんな」
「じゃ警察に連れてくのか?」
「そう言う事だ」
全員引きずって警察に突き出してやる。結局ボスの名前すら分からなかったが、まぁ少なくとも敵がいると分かっただけでも上々だな。
「で、警察はこっからそんな遠くないから」
「あぁそうか。なら俺が連れて行こう。お嬢様はお前の方に懐いてる、癪に障るがお前が連れていけ」
ハァ。帰りましょさっさと。じゃ一旦シェルターから外に出してですね。
「何があったんですか?」
「色々だ」
「そうですか。……もっと、散歩してから帰りませんか?」
「なんでだ?」
「……なんとなくです」
よく分かんねぇけど、手をつないで帰りましょうかね。それが福音のやりたいことだって言うんなら。
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