バカへ授業
「はいもう一回!人は殺さない!」
「殺す」
「やめろってんだろ!ボコボコにするぞ!」
コイツに授業してんだがまともに話してくれねぇよこいつ!その辺の犬に芸を教える方がよっぽど有意義なんだけどさぁ!キレそう。でどうするよここから。とりあえず人は殺さないって条件だけ何とか言わなきゃ。
「いいか!人はなるべく殺さない!」
「何故だ?」
「面倒だから!どうせやめろって言ってもするんだろお前は!」
「まぁな」
「もうヤダ……。こいつにまともな常識無いよぉ……」
コイツホントに厄介な相手だよ。いやな感じが凄いんだ、なんと言うかこう……。野生動物を相手にしてるって感じだよ、ホント。真面目に自分の常識以外何も信じようとしないんだもん。
「じゃせめてお前が死ぬな!お嬢様が悲しむとは思わねぇのか!?」
「成程なぁ。じゃなるべく死なないようにしてやる。それでいいんだろ?」
「それでいい!……ハァ、んじゃ帰れ。次福音だから」
「了解」
まぁ福音に教える事、そんなに無いけど。とりあえず電話とスマホの使い方は教えておくべきか……。いざとなった時に電話できないようじゃ死にますよこの子。
「これはスマホ。色々出来る」
「なるほど」
「これを使えばなんやかんやあって俺らに言葉を伝えられる」
「わかりました!」
覚えが早くて助かるよ本当に。さっきのアレはもう何かを知ろうって気が全くないんだもん、いやになっちゃうよホント。福音は可愛いねぇ。偉いねぇ。
「でこっちはスマホ。ここに番号を入力すれば電話出来る」
「ば、ばんごう……難しい?」
「それなりに。でもとりあえず俺の番号だけ覚えておけ。話はそれからだ」
という訳で福音に番号を教え、後は適当なスマホの使い方を教えて終了。マジで楽で助かるよ福音……。
「さて、ここまで真面目に授業を受けたので、何か言う事を聞いてあげましょう。何かしたいことある?」
「外に行きたいです!」
「そりゃよかった。よーし行くかぁ!ジジイにゃ既に許可取ってんだよね実は!旨い飯でも食いに行こうぜ!」
「わーい!」
とは言えどこかに行かれると困るので、手をつないで歩くことにしましょ。はぐれると昨日みたいに襲われる危険性があるし。まぁ白昼堂々と襲ってくる奴も少なくともいる。
「凄い肌柔らかいねぇ」
「メイドの皆様がお肌にはうるさいので……」
「そう言えば福音の能力って自分には使える奴か?」
「無理です。私は直せないんです」
「そうか」
なおさらケガさせられねぇなぁ。しかし完全にノンプランで来ちゃったよなぁこの町に。適当な飯屋って……マッコでいいか。
「ここはなんですか?」
「ん-、チープな飯屋だ」
「ちぃぷ?」
「安いって事だ。まぁ味はそれなりだぞ」
「なるほどですね!」
うーんしかし可愛いなぁ。一々動きが可愛いよ。こうして年相応にはしゃいでいると普通の女の子なんだって感じがするけど、彼女の能力は国程度なら普通に崩壊できるくらいの能力だ。
完全回復。その本質は物質を戻すと言う点にある。例えばぶっ壊れた椅子があったとして、普通の回復系の能力はこれを椅子に戻す事が出来るって感じだ。だが彼女のは椅子どころかその椅子になる前の素材、更にその前の木や動物にまで戻す事が出来る。
「私は何でもいいですよ!」
「んじゃこっちで頼むわ。えーっと」
福音はと言うと、その回復能力を制御できている。だから盾我が普通の人間の体に戻れるんだ。そうじゃなきゃ胎児まで戻りかねねぇ。つまりメチャクチャな回復と、元々の物質に戻すレベルの強さを持ったのが彼女、という訳だ。狙われて当然。
「美味しいですね!」
「そうか」
ハンバーガーもちもちするの可愛いねぇ。全然食べるときこぼさないねぇ。上品な食べ方だ。やっぱその辺見てると結構いいところのお嬢様って感じがする。
「そういや福音、普段何喰ってんだ?」
「色々食べますよ!えーっと、カレーとか和食とか……あっ、フランス料理?と言うのも食べたことあります!」
「結構色々食ってんだな」
「えへへ……あ、これも美味しいですよ!」
フォローかな?大丈夫よ、コレかなり雑に旨いって感じだから。結局安くて旨けりゃそれでいいのよこういうのは。福音も楽しそうでよかったよかった。
「にしてもなんか外が騒がしいなぁ」
「ですね……。何かあったのでしょうか?」
なんかさっきから凄い音が……ってなんだ!?変な奴がいるぞ!なんだあいつ!?てかこっち来てね!?
「とりあえず福音!俺から離れるんじゃねぇよ!」
「はい!」
明らかに敵が来てるって感じだ!かなり厄介だが、福音を背負ったまま戦わせてもらう!まず俺の体にシェルターを作ってですね。そこに福音を入れましてね。
「よーし行くぞ!」
「中狭いです!」
「そこはしょうがない!」
敵は三人、全員武装してる!さらに厄介なことにその全てが銃を持ってるって話だ!ふざけやがってよぉ!せめて今ここでぶっ放すんじゃねぇぞ!
「撃て撃て撃てー!」
「あっこの野郎店内で撃ちやがった!」
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