マジでメイン盾
「殺す」
「その盾当たったらヤバいだろ!」
「そうだな、メチャクチャなんでも弾く凄い盾だからな」
「なげぇんだよその名前!」
いやまぁ長いけど真面目にヤバいからな!さっき俺の顔掠ったんだけど凄い痛いからなこれ!しかも割とコントロールできるのか自由自在に動きやがる!隙を練って攻撃しようとしても、普通に避けるか防がれる!
「んじゃこうだぞ!」
「直か」
一個の攻撃と見せかけて二重になってる鉄板!弾かれる事前提で攻撃ィ!
「ッ」
「よーし一発ゥ!」
ようやく背中にダメージを与えたが……全然だめだな、痛くもかゆくもないって感じだ。
「てかそもそも、なんでお前は俺を殺しに来るんだよ!?」
「やかましい。お前は通称殺戮兵器と呼ばれる不良荒らしだろう」
「うーん正論」
そう言えばそうでした。俺みたいな不良がお嬢様の護衛に付くって言われれば、そりゃそう言う反応にもなるか!まぁいいや今はとにかくこいつを認めさせるだけ!
「お前の弱点は見切ってんだよ!」
「何?」
「それは……」
コイツに接近……すると見せかけてまた下をくぐる!で背後に回った瞬間に腰を掴んでやって、バックドロップだァッ!
「接近戦に弱いって事だよッ!」
「ぬうっ」
このまま地面にぶつけてやる!手も足も出ねぇだろこの野郎!ワァ盾で防いできやがったぞ。地面にぶつけると自分が弾かれるんだねぇ。
「死ねぇ!」
「ぬおっあぶねぇじゃねぇか!」
また盾投げてきやがったぞ!そろそろ奥の福音に当たるかもだから、こうなったら必殺技でも使うか……!なるべく使いたくないんだよなぁ被害凄いから!
「お前はダイナマイトって知ってるか?」
「なぜ今?」
「ちょっとした振動で爆破するメチャクチャ危険な爆薬だ!」
「……まさか」
「そのまさかだ食らってくたばりやがれ!」
指先からニトログリセリンを生成!でこのままその盾ごとぶっ飛ばしてやる!
「貴様!お嬢様に何かがあったらどうする気だ!」
「うるせぇ!いない方向にぶっ放したわボケ!」
「やはりこんな奴を護衛にする訳にはいかん!」
「えぇいお前が決めるんじゃねぇ!お嬢様お嬢様って言うんなら、そのお嬢様に聞いてみればいいじゃねぇかよぉ!」
「あの、何の音ですか?」
おっと流石にこっち来たか。流石にまだやるとは思わないがってアブねぇ!
「お前!流石にお嬢様の前だぞ!止めろ!」
「すまん手が滑った」
「滑ったって威力かこれが!壁に突き刺さってんだよなぁ!」
「うん」
やっぱこいつ一発ドついた方がいいんじゃねぇかな。いやマジで。何がこいつをそこまで駆り立ててるんだろうか?
「お前……」
「すまん盾我、飯買ってきてくれ」
「了解」
あっ逃げやがった。ま、いいか。とりあえずこっちの執事の爺ちゃんに聞くとするかな。普通に気になるし。
「で、あいつは何?」
「彼は我らが拾ってきた捨て子なのです」
「うわぁ」
「ちなみにですが、今までの護衛志願者は半分以上彼が追い返しています」
「だろうな」
拾ってもらった恩なんだろうが、それだけで人を殺しかねないのは流石にちょっとね。うんね。俺が昔殺しあってたバカと同じ匂いがするぜ。あいつは単純にバカだったから、殺す寸前程度にとどめてたけど、こいつには善悪のタガってもんが存在しねぇ。
敵とみなせば全て殺す、そう言う危うさがある。ならば俺が正そうじゃねぇか!その根性!
「福音は何喰う?」
「お肉が食べたいです!」
「ほな買ってくるわ。おい執事のオッサンよろしく」
「私は八十歳を超えているのでオッサンではなくジジイとお呼びください」
それでいいのか?ジジイ。さてスーパーに来た訳だが、なんか往来で死にかけてる奴がいるな。おう盾我くん、なんでこんなところで倒れてるんですか?なんで車が来てるんですか?
「うわぁバカが車道を歩いてるぅ!」
「車に轢かれた」
「なんで?」
「いや割と行けるかと思って」
「で車道を?」
こいつもバカなのでは?それも行動力のあるバカなのでは?こいつも一発常識を教えなきゃいけない側なのでは?俺見た事ねぇよ車道歩いて車に轢かれる奴。車凹んでるし。
「店あっちで道路反対側だったから」
「だからって車道を歩くんじゃねぇ!」
「盾がある」
「盾があってもお前一般人!車に轢かれちゃ死にます!」
「そうか」
あぁ分かったぞ!こいつ多分福音に回復させてもらってるんだ!だからこんなめちゃくちゃなんだこいつ!バカの極みだぞ!殴るぞ!
「分かったからお前はもう帰れ!」
「あぁ、実は足が動かないんだが」
「折れてるーっ!結構ガッツリ折れてるーっ!骨が見えてんだよなぁおい!」
「うん、すまんがお嬢様の元まで送ってはくれないだろうか」
ダメだこいつ……。どうにか教育しねぇとそのうち死ぬ!と言うか普通に死んでる!福音いないともう死んでんだろこいつ!まぁいいやとりあえず持って帰ってだな……。何とか再教育しねぇと!
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