90『【雑談】寒くなってきたからそろそろ冬眠したい【オンライブ/宵あかり】』

【雑談】寒くなってきたからそろそろ冬眠したい【オンライブ/宵あかり】

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宵 あかり

チャンネル登録者数 45万人

29,127 人が視聴中・0分前にライブ配信開始

#アカリウム #オンライブ



\1200

【冬眠したいで草】

【熊か??】

¥500

【宵べあー】

【熊なのに弱そう】

\50000

【】

【宵は炬燵で丸くなる】

¥10000

【冬眠したいけど餌が足りなくて眠れないゾ…】

\400

【熊兄貴は本当にシャレにならないのでさっさと眠ってもろて…】


『最近気付いたんだけどお昼ご飯デッキってめちゃめちゃ強い気がする!』


【出たな】

\200

【お昼ご飯デッキとは】

\1000

【昼メシじゃなくてお昼ご飯って言うの育ち良い感じがしてすき】

【知り合いくらいの人と話す時に無難なデッキ来たな…】

¥3000

【昼もう食べました?も結構使えるぞ】

【天気デッキはもういいのか】

¥5000

【久しぶりにソロのこんよいよい聞きたい】

¥20000

【今日は少年呼びしてくるお姉さん系で頼む…】


『少年呼びしてくるお姉さん!? え、えーと…ん゛んっ…! やぁ、奇遇だね少年。おや、そんなに物欲しそうな顔をしてどうしたのかな? ふふふ、分かってるさ、これが欲しいんだろう? こ、ん、よ、い、よ、い』


\3000

【エッッッ】

\10000

【こんよいよいはえっちな言葉じゃありません!!!】

【いいね】

\1800

【今日はめちゃめちゃクオリティ高いな】

【いざなの影響がデカそうなお姉さんだ】

\2980

【これでボイス出せ】

【アリですね…】

\5500

【実はダメダメそうな気配もあるお姉さんでとてもよい】

\450

【汚部屋そう(偏見)】

【こんなお姉さんと冬を過ごしたかった】


『どうでもいいけど、少年呼びしてくるお姉さんはよく聞くのに少女呼びしてくるお兄さんはあんまり聞かなくない??』


 まぁ本当にどうでもいいけど!


【確かに】

\800

【逆だと事案だからじゃねぇかな…】

【逆じゃなくても事案定期】

\1000

【やぁ宵少女!】

【どっかのオールマイティなヒーローが出てくるんだよなぁ】

\3600

【卒論のテーマこれでいいか…】


『そんなどうでもいい話は置いといてですね…今日クラスの子とお昼ご飯デッキでそこそこちゃんと話せちゃったのですよ!』


 そう、そうなんだよね! いつも学校でのお昼はママが作ってくれるお弁当を食べているオレだが、今日は珍しく購買にお弁当を買いに行ったのだ。その時偶然、購買の列でオレの後ろに並んでいた人がクラスの女子グループの子で、「お、珍しいね!」と話しかけてきた。…きてしまった。

 当然、盛大にキョドったオレだったが、その子の「いつもお昼お弁当だよね」「今日は何食べるの?」「ふへへ…かわいいね!」といった質問に上手く答え、無事会話を成立させたのである! うーんすごい!


\1800

【何がのですよ!だ可愛いな】

【喜びすぎてキャラブレてますよ】

【そこそこちゃんと(宵比)】

\3100

【たぶんクラスの子が死ぬほどコミュ強で上手いこと話させてもらっただけだな…】

\800

【本当にコミュ力高い人って相手に話させるのも上手いよね】

【宵がクラスの子と話をしたって事実だけでも俺は嬉しいよ…】


『その会話から学んだんだよね…お昼ご飯デッキこそが「最強」だって…ふっふっふ…今なら誰とでも話せそう!』


 みんな大抵お昼ご飯は食べるし、天気デッキと違って会話が単調になりにくいし、何より自分の話も組み込みやすい。うん…これは間違いなく最強だな…。


\5000

【「最強」なのだった】

【昼飯食わんやつもいるけどそれはそれで会話にはなるしな】

【そんな確信するほどか??】

\200

【なんだその不敵な笑みは】

【昼飯デッキに希望を持ちすぎだろ】

\1900

【そもそも会話デッキ扱いしてる時点でさぁ…】

【あっ…】

【言ったな??】


 と、今日の出来事を思い出して自己肯定感を高めていると、通話の通知音が鳴った。誰だ誰だ、今なら泉水いずみさんでも神無月かんなづきさんでも、何なら永遠とわさんでも誰でも来いって感じだ。

 闘志を募らせながら表示されている名前を見てみるとそこには…


因幡いなば先輩…!』


 因幡白兎はくと先輩。かつて激戦を繰り広げ、もはや終生のライバルと言っても過言ではなさそうな彼女の名前が表示されていた。今こそ超える時だ。そんなことを思いながら迷わず通話に出る。


『お、お久しぶりです…よ、よいさん…』

『あっ、ど、どうも…因幡先輩。きょ、今日はどうされましたか…?』


 …一瞬にして勢いを失ってしまった感があるがここはまだジャブ。世間話ができる雰囲気を察知してから仕掛けるのがプロというものである。


『う、運営さんから通話凸企画を言い渡されまして…』

『そ、そうだったんですね…?』

『そ、それで少しお話ができたらと…』

『は、はい…』


 因幡先輩はコミュ力を上げるための武者修行と称して、運営さんから定期的に今回みたいな凸企画を言い渡されている。そうでなければ因幡先輩の性格上、オレに凸ってきたりはしないだろう。オレだってしないし。

 だが今日のオレは一味違う。新たな会話デッキを引っさげたつよつよ宵あかりなのだ。小手調べは済んだ、ここからは全力でいくぞっ!


『きょ、今日のお昼ご飯って何食べましたか…?』

『宵さんは、今日のお昼は何を…』


 み、ミラーマッチ…!?!?


【草】

【ええ…】

【だからそんなことある??】

【気軽にミラクルを起こすな】

\3000

【何こいつできるみたいな顔してんだ宵】

【因幡の配信見てきたらそっちも似たような顔してて草】

【やはり好敵手(ライバル)か】

\8000

【「最強」対「最強」きたな…】

¥50000

【コミュ障魔境オンライブ決戦】


 まさかまたしてもデッキが被るとは…しかしこれで確信する。やはりお昼ご飯デッキは環境デッキ、トップTier…!


『きょ、今日は購買でお弁当を…』

『あ、そ、そうなんですね…ち、ちなみに何弁当ですか…?』

『からあげ弁当です…け、結構量も多めで…』

『い、いいですね! 私も今日はお弁当で…』


 まさしく一進一退の攻防だ。お互いに今日のお昼ご飯の内容を引き出し、さらに量が多いなどの追加情報まで纏わせている。

 お弁当っていいですよね…いい…というプロは多くを語らない状況になって、因幡先輩の方から


『た、ターンエンドで…』


 という宣言があり、この闘いは終結した。『は、はい、ありがとうございました!』とオレが返事をし、その後さらにお互いお礼を言い合う。とても良い勝負だった。GGグッドゲーム


\1000

【だからターンエンドじゃないが??】

【宵だけじゃなく因幡までターンエンドって言い始めて草】

【むふー顔すき】

【楽しそうで何より】

\5000

【やっぱり同レベル同士の方が盛り上がるね】

\3500

【次元が違う戦いだった】

\2300

【宵も因幡もお互いの手札を使い切らせてなお一歩も譲ってなかったな】

【まともだったはずのコメ欄まで浸食されとる!】

\900

【これ結局どっちが勝ったんですかね…】

\50000

【コミュニケーションに勝ち負けがあるわけないだろ】

\12000

【勝ち負けで相手と話すなよ】

【草】


 やはり因幡先輩との会話は適度な緊張感がある。百々ももちゃやほのかちゃんはレベルが離れすぎてる感があるからな、オレにとってこここそが適正のレベル帯ということなのだろう。さらに一歩コミュ強への道を進んだ確かな実感がある!


『あ、あの…』

『あっ、な、なんでしょう…?』


 まさかここからもう一戦始まるのか!? お昼ご飯デッキは使い果たしたし、次は天気デッキを…えーと今日の天気は…などと、考え事をしていたのが悪かったのだろう。あるいは、これこそが始めから因幡先輩の狙いだったのか。


『宵さんさえよければ…こ、この後の凸企画もご一緒して頂けませんか…?』

『あっ、はい! そ、そうですね…ん??』

『あっ、ありがとうございます…! 宵さんがいれば百人力です…!』


【草】

【言質取ったな】

\3600

【脊髄で返事するからこうなる】

【宵も凸企画やるの!?】

\1800

【むしろこれまで宵が放置されてたことこそおかしかった説】

【これは定番企画になりそう】

\5500

【運営さんが微笑んでそう】

【二人でオンライブ全員に凸れ】

\800

【どうやら因幡の方が一枚上手だったようだな…】


 気が付いた時にはもう時すでに遅し。コメントも大盛り上がりで、配信を見ると因幡先輩も大喜びしている。コメントでも言われている通り、今回は因幡先輩が一枚上手だったらしい。くそぉ……!


『そ、それじゃあ次は誰にしますか?』

『えと……お、お任せします……』


 明確な敗北の味を噛み締めながら、因幡先輩の目論見通り強制レベリング凸企画に巻き込まれたオレだった。続かない。続かないったら続かない。

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