第15話 望月城

大勢の人たちはみんな城に向かって走っていった。

月人たちがそれを止めようと、銃を構えた。

「動くと撃つぞ!」

1人が叫んだ。すると隣の人がこう言った。

「もうすでに動いてるから……、止まらないと撃つぞ!じゃない?」

もう遅かった。1人が目の前にいる人に向かって撃ってしまった。

「おい本当に撃っちゃだめだろ!!!!!!」

銃弾は目の前の人に当たったが、そんなこと関係なく突っ込んでくる。

「ファ⁉︎何で⁉︎」

撃たれた人はこう呟いた。

「フハハ、不士稔の言った通り、痛くねぇな……」

そう言って月人たちを退けながら走っていった。

「なんなんだ………あいつらは………」

月人たちは息をするのも忘れるくらい衝撃的だったらしい。





「ひゃあ、迷路みたいだなぁ」

高島たちや不士稔も城内へ入った。

「やはり……下調べしといて良かった……」

「この城はなんなの?」

栩義が言った。

「ここは望月城。宿敵の根城ねじろだ…………、そうだ、君たちにも協力してもらうよ。この城には十二単じゅうにひとえを着た者がいるから、そいつを見つけたら、知らせてくれ。そいつが因縁の敵なんだ」

「じゅ、じゅうにひとえって何?」

「昔の着物みたいなもんだよ。まあ見ればすぐわかると思うよ」

そう言って、不士稔はみんなと別れた。

「どうする?」

「………」

有島がボソッとなにかを言った。

「ん?なんか言った?」

「……すご……」

「もっとはっきりと!!!!!!」

「す…………………、すんごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

有島の建築オタクの血が騒ぎ出した!

「わ、和風ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!」

「怖い怖い怖い(笑)」

「すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

と言いながら、走って行ってしまった。

「はぁ、これだから……俺たちも探すか……」

鑰匙間たちも別れて、そのを探し始めた。
















一方その頃、この城のどこかの部屋では、誰かが地球を見ながら、2人の部下と会話していた。

「地球人どもが攻めてきました。………いかがなさいますか?」

地球を見てる者は口に煙草たばこを……いや、ココアシガレットを吸って吐いたあと、こう言った。

「……誰が来るのかは知っている。………通しなさい」

「その煙草のようなお菓子、お好きなんですね。それより………奴らは敵なのですよ?よろしいのですか?」

「ええ。何千年ぶりかな?…………………………………それよりこれ美味しいから食べてみなさい」

地球を見てる者はココアシガレットの先端についている粉を小皿に落として、このお菓子を部下に勧めた。

「地球は汚れた星なのですよ?そんな星の食べ物なんて………」

「そんなことない………少なくとも………そういえば、攻めてきた地球人はどんな服装を着ているの?」

地球を見てる者はココアシガレットの先端をを小皿に押し付けながら潰し、そのあとココアシガレットをかじりながら言った。

「かなり近代的な服装だったそうです。以前とは違ってよろいは着ておらず、武器も所持しておりません」

「………変わったなぁ…………………、この部屋へ地球人たちを案内しなさい……」

「本当によろしいのですか?」

「ええ、さあ、月と地球、の始まりだよ」

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