第11話 転送装置
栩義と有島は廊下を進んでいると、広い部屋についた。奥に誰かいたが、高島と鑰匙間だったことにすぐ気づいた。しかし、もう1人の少年は誰だかわからなかった。
「⁉︎あ、あの子供、さっき蓬莱を入れていた人!」
「あの子がそうなの。なんか高島と鑰匙間打ち解けてるみたいだけど、知り合いかな?」
そう言って2人は恐る恐る近づくと、鑰匙間が気づいた。
「あ、栩義と有島じゃないか」
「あの2人は誰?知り合い?もしかして仲間か?」
不士稔が鑰匙間に尋ねた。
「そうだよ。友達じゃないけどな(笑)」
「えぇ、友達じゃなかったのかよ〜(笑)」
「へぇ、はじめまして、不士稔公だ」
栩義が聞いた。
「ねぇ、さっき機械に薬を入れてたでしょ?あれってなんなの?そして蓬莱ってなんなの?」
不士稔がドキッとした。
「も、もしかして見てた?」
「物陰に隠れて見ていた。あとついでに金庫の中に入っていた薬を持ってきた」
不士稔は部屋の角に行くと、下を向いた。
「……見られていたみたいですよ」
「ぇ、マジで?誰に見られてたの?」
「栩義という者らしいです。まだ子供ですが、金庫に入れておいたはずの不死薬・蓬莱の実物を持ってきたので、頭は良いかもしれません」
「他に仲間は?」
「高島、鑰匙間、有島の3人です」
「なんで名前知ってるの?」
「一緒にゲームして遊んでいる時に聞きました」
「お前留守番のくせに何してんの?」
「勇者ウナギの最新作です」
「え?もしかして今日発売日?普通に忘れてた。帰ったらすぐ遊ぼう。机に置いといて」
「いや、あれ高島のものなので……」
「人から借りてんのかよ……じゃあ無理かぁ………って何先に勇者ウナギの最新作やってんだよ。次は僕が先にやるって言ったよね?本当にもう、君はもう少し記憶力を上げてほしいよ………、絶対ネタバレするなよ?てかそいつら能力使えたりする?聞いてきて」
「わかりました」
不士稔は顔を上げると高島たちに聞いた。
「君ら能力使えたりする?」
「まぁ使えるよ。あ、有島と栩義は使えない。鑰匙間は使えたっけ?」
「使えるよ」
鑰匙間が答えた。
不士稔はまた部屋の角に行って下を向いた。
「
「高って誰?」
「高島のあだ名です」
「身内ネタなんて知らねえよ!!!!!!(半ギレ)」
「まあ、そう怒らず(笑)。なんで能力使えるか聞いたんですか?」
「お前そいつらと仲良いんでしょ?ならそいつら連れてきて。今押され気味なんだ」
「わかりました。転送装置使ってもいいですか?」
「それ使わないと来れないだろ!!!!!!(半ギレ)」
「まあまあ、怒らないでください(笑)。ストレスは白髪の原因ですよ(笑)」
「僕の髪は元から白だ!」
「え?
「お前あとでしばく」
そう言われると、不士稔は顔を上げて、部屋の奥へと行った。
数分後、不士稔が手に鉢を持って、戻ってきた。
「ふう、やっと見つけた」
「何それ?鉢?」
「転送装置だ!!!!!!(ドヤッ)」
「?」
「……そこは驚いてよ」
「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
「て、転送装置ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ??????」
「ピャァァァァァァァァ、転送装置だァァァァァァァァ!!!!!!」
「そ、そんなものがあるのかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
「うわぁ(引き気味)、そこまでしなくても大丈夫ですよ(苦笑い)?」
「はぁ?お前がやれって言ったんだろ!」
「まあまあ落ち着いて。とにかくこの鉢の上に乗って」
「え、壊れたりしない?」
「大丈夫、これは結構頑丈なんだ(多分)」
「あの…()に多分って書いてあるけど?あれなんすか?」
「気にしないでくれ。さぁ乗って!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます