第8話 眼球の怪物再来

こちらは有島と栩義の部屋。ついに2人は怪物に見つかってしまった。

「や、ヤバい。ど、どうする?」

「かっこいいじゃん!どうしてそんなに嫌うの?」

「気持ち悪いからだよ!!!!!!!」

有島も流石にそろそろイライラしてきた。

「ああもう、疲れたし、お前気持ち悪いからどっか行け!!!!!!」

そう言うと、有島はポーズをとった。すると有島の足元に魔法陣が出てきた。

「紅蓮の炎剣フレイムソード!!!!!!」

有島はいつのまにか持っていた炎を纏った剣で怪物を斬った。

「割とあっさりだなぁ」

栩義はがっかりしたが、有島は満面の笑み。

「さあ!そこに倒れている人を助けよう!」

すっかり忘れていたが、怪物がいた近くに人が倒れていた。近寄って、よく顔を見てみると、それは鑰匙間だった。

「ファ⁉︎や、鑰匙間⁉︎」

有島は驚いた。あんな強気だった鑰匙間が気絶していたことに!しかし栩義は特に驚きもせずにポケットから薬を出した。

「お前のポケットなんでもあるな」

「まあね。さあこの薬を飲んで」

鑰匙間の口の中に薬を入れたが、飲み込まない。

「全然飲み込まないなぁ。水ない?」

「ない…………。よだr」

「やめろ」

そう言うと、栩義は鑰匙間を持ち上げて、立たせた。そして薬が中に入るように鑰匙間の体を揺らし始めた。

「そんなんで入るの?」

「知らね」

「その薬はなんなの?」

「意識を戻すための薬。結構苦いよ」

「誰得情報…」




何度揺らしても薬は口の中に残ったまま。栩義もイライラしてきた。

「……まだか」

「今日僕たちイライラしすぎじゃね?」

「あ?」

「…何でもないです」

そう言いながら揺らしまくる栩義。だんだん激しくなってきた。



その激しさで、鑰匙間が目を覚ました。

「ん?なんだ………、ッ⁉︎」

「よっしゃ入ったァァァァァァァァ」

最悪のタイミングで薬が中に入った。

「ッ…何を…入れたの……?」

「あ、もう目を覚ましたか。早いなぁ」

「っっっっっっって、に、苦すぎるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」

鑰匙間は飛び上がって天井に頭をぶつけた。

「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

頭を押さえていると、後ろに転倒した。

「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(2回目)」

あまりの痛さに走り回っていると、ボールが飛んできて、鑰匙間の顔面にぶつかった。

「痛えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(3回目)」

「って、そのボールは!」

栩義が何かに気づいた。そのボールは先程眼球の怪物から逃げるために囮として使用したボールだった。

案の定、後ろの方から眼球の怪物たちがゾロゾロと大群でやってきた。

「せっかく逃げたのに。早く行くぞ!」

3人は部屋を出た。廊下を走っていると、エレベーターがあった。中から眼球の怪物たちが出てきた。

「ヤバい!落石召喚らくせきしょうかん!」

有島が指を上に差した。すると、眼球の怪物たちの上に岩が出現し、怪物たちは潰された。

「もしかするとこのエレベーター使えるかもしれない。中が明るいし」

閉まりそうなエレベーターをギリギリで押さえて、1番上の階のボタンを押した。眼球の怪物たちは猛スピードで走ってくる。反対側からも大群できた。

「早く閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ閉まれ」

鑰匙間はまた呪いみたいに言いながらボタンを連打している。



なんとかエレベーターは眼球の怪物たちが来る前に閉まった。





数分が経過した。アナウンスが流れてきた。

「最上階に着きました」

ここが1番上らしい。

「降りる?どうする?」

「うーん………あとは高島だけだし。下の方にいると思うから、下に降りよう」

「でも下の階には目玉たちがいるんでしょ。もう追いかけっこはやだよ」

またアナウンスが流れてきた。

「下に参ります」

「ちょ、1回降りよう」

そう言ってエレベーターを出た。

「この階も広そうだし、高島もいるかも知れないなぁ。まぁあいつがこんな上まで来るとは思えないけど」

「とりあえず高島を探してみようよ。僕は左を見てくる」

「俺は右を探すか」

栩義と鑰匙間は奥の方へ行ってしまった。

「じゃあ僕はここで待つか。疲れたし」

と言って有島はその場に座り込んだ。

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