第7話 高島と謎の少年

一方、高島と謎の少年はシャッターが止まっている少し広い部屋にいた。

「おい何をするんだよ」

「お黙り。転送装置てんそうそうちを持ってくるから待ってて」

「転送装置って、持ち運び可能なの?」

「そうだよ。軽いからね」

そう言って少年は奥の方へ向かっていった。高島はため息をついた。

「はぁ、せっかく[勇者ウナギ]の最新作が今日発売したから買ってきたのに。家に置いてきちゃったよ。残念だなぁ。[勇者ナマズ]のライバル、[勇者ウナギ]の最新作だから遊びまくろうと思ったのに……」

少年は立ち止まった。そして高島の方を見て、こんなことを言った。

「お前……勇者ウナギのファンなのか?」

「…まあそんな感じ?(本当は[勇者ナマズ]のファンなんだけどねぇ)」

少年は笑いながら近寄ってきた。

「まさか君が勇者ウナギのファンだったとはねぇ。僕も勇者ウナギのファンなんだよ。君ファン歴何年?」

「えっとねぇ……10年くらい?」

「ほうほう、まぁそんぐらいか。ってか、さっき勇者ウナギの最新作が家にあるらしいね?持ってきていい?」

「え、人の家に勝手に上がり込むの?会ったばかりなのに?」

「大丈夫。転送装置で送れば」

そう言って少年はまた奥の方へ向かった。少年が高島に尋ねた。

「……ねぇ君の名前は?」

「僕?高島照男たかしまてるお。君の名前は?」

「僕は不士稔公ふしみのこう

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