第4話 摩天楼

「おーい、高島〜。遊びに来たぜ〜」

友達の有島ゆうしま栩義とちぎ鑰匙間やくしまが遊びに来た。

「おや、玄関が濡れてるな。まあ高島あいつのことだしいいか」

「あれこの水灰色だよ。なんでなんだ?」

「いいよいいよ。どうでも」

「おーい、高島〜〜〜!」

何度呼んでも高島は出てこない。

「おかしいな。今日は用事ないから午後遊ぼうって約束したのに」

「とりあえず中に入ろう。いつか帰ってくるだろ」

そう言って3人は水に濡れないよう、気をつけて中に入った。

「相変わらず、中は散らかってるな。まあ高島あいつのことだしいいか」

「まあこの方が高島あいつらしいよね」

そう言って椅子に座ると、鑰匙間が急に怒鳴った。

「は⁉︎これ俺が買ったケーキじゃねぇか。あいつめ1人で食べやがった」

どうやら高島が食べたケーキの皿を見つけたらしい。

「まあケーキ屋なんてすぐそこにあるし」

「いや、このケーキ俺が買ったんだ。かなり高いやつでさ、小遣い全て使ったんだぞ。高島と食べるために。許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない」

「怖い怖い。まあ落ち着いて」

「憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む憎む」

「おいやめろ。呪いみたいになってるぞ。後で言えばいいだろ」

「倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す倒す!!!!!!呪ってやる!」

と言いながら、高島の部屋から赤の絵の具を持ってくると、紙にこう書いた。

[呪ってやる。お前にやるケーキはない。憎む憎む。呪う。この野郎]

「この小説のジャンル[ホラー]だっけ?」

「違う。現実突きつけてくる小説」

「何その小説。誰も読みたくないじゃん………この小説か……」

とても気まずい雰囲気となった。



しばらく経って、鑰匙間はチョコレートを見つけた。

「あ」

「あ(察)」

「あ(絶望)」

「あいつめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

やはり鑰匙間は叫んだ。

「こ、このチョコレート俺が買ったんだ。2人で食べようと……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

「あぁ、またか…」

「あいつめ!ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーィ!!!!!!」《《》》

「禁句ワード言うな!」

「この小説は健全な(自称)小説なんだぞ!」

「あくまでこの小説は全年齢対象を目指してるんだぞ!NGワードは言わないように」

「ご、ごめん。つい」




そろそろ本題に入る(そもそも本題なんてあった?)。

「ねえ栩義、高島センサーあるだろ?あれで探せばどこにいるかわかるんじゃない?」

「確かに!それがあればどこにいるかわかるね!」

栩義はポケットから矢印を出した。矢印は宙を浮き、東の方向を指した。

「流石栩義!君はなんでも作れるからなぁ」

そう!栩義は、先祖が発明家で、その人が作ったものなら、大抵のものは作ることができるのだ!ただ、別にこれが彼の能力ではなく、ただ手先が器用なだけだ。

「もっと褒めてもらっていいんだよ?」

「栩義くんステキ〜〜」

「いいねいいね。さあセンサーを追うよ!」

と言うと、センサーは家を飛び出し、先を進んだ。

「早く行かないと」

センサーは有島たちよりも先を進み、高島かいる方向を指しながら道を進む。有島たちも後を追った。



やがて、矢印が止まり、斜め上を指した。

「…着いたみたい」

かなり走ったので、3人とも息が荒い。そして、矢印が指す方向を見てみると、そこには、廃墟となった高層ビルがあった。

「…⁉︎な、なんだこのビルは…」

「こんな建物あったっけ?」

「確かここは竹林だったはず」

「そうだよな……でもセンサーはこの建物を指している。つまり、中に高島がいるわけだ」

「ってことは、この中に入らないといけないの⁉︎」

「…ちょっと高島ぶん殴ってくる」

鑰匙間はビルの中に入ろうとした。

「おい大丈夫なのかよ」

「大丈夫。10分ぐらいしたら戻ってくるから」

鑰匙間はそう言うと、ビルの中に入っていった。

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