008 初めての武器

「えっ?」


 何が?


「そこまでの事が、いや、魔法の新たなる進展にむくいるには最善、これからは他の火水風土光闇の属性魔法を頼む、成し遂げた際はSSランク、SSSランクも設ける」


「冒険者ギルドでもSランク以上を、設ける」


「傭兵は、ほぼ複数人でのランクなので現状維持だ」


「商人ギルドも現状維持です」


「錬金術ギルドはエリクサー、ソーマ、アムリタを作ればSランクも可能だ」


「鍛冶士ギルドは、現状維持」


「執事·メイドギルドも現状維持です」


「教会は、教皇ですら使えない欠損部位の蘇生が出来ればですがランクではなく枢機卿に推薦、後に教皇と成りますかな、死した者を生き返させれば、教会、教国全てが下に付くでしょ」


「薬士ギルドは、現状維持ですね、しかし不治の病を治せる薬を作れば······ランクSも」


 などと凄い期待されてる様だ、戦闘職組は鼻息が荒くなっている。


 うちの子達も、ふんすふんす握り拳を握りながらやる気いっぱいだ。


 魔法戦闘職組はちょっと引いてる、俺もそこだな。


「まとまったところで、職別で少し別れてミーティングをお願いします」


 なので俺は、鍛冶士のマスターとの話をしに行くとしよう。


 何故か部屋の隅の方に陣取って床に胡座をかいて、木箱に肘を付いているオッサンもとい! 鍛冶士ギルドマスター、どうしようかと眺めてると。


「こっちに来て座れ」


 と優しげに呼ばれたので近づき、床にそのまま座るの嫌だったから


(ナビ座布団あるかな?)


『ありますよふかふかなのが2つ、ポイントしました』


(ありがとう! ほいっと!)


 手元にふかふかで少し豪華な、お坊さんがお経詠んでくれる時に座ってる座布団だ! 四角から金色の毛の束が生えている? それをギルドマスターにも手渡し、ちゃぶ台も追加注文して対面に座った。


「うむ、この尻に敷くの良いな! ふかふかしとる!」


「座布団と言って、俺の世界では床に直接座る時に使うものです」

「ふむ」


 と言って蓋を開けた木箱から、コップ二個と瓶を、取り出し蓋を閉めコップに何やら注いでくれる。


「まぁ飲め」


 ぐびぐびぐびぐびぐび

 ふぅ

 とくとくとくとくとく


 二杯目を入れてるので


「いただきます」


 ぐびっ! 酒美味っ!


 ぐびぐびぐびぐびぐび


 ぷはっ


「良い飲みっぷりじゃ、も~一杯どうじゃ?」


「ちょっと待ってください」


(ナビさん日本酒ポイント付けて!)


『はいはい。量産の物ですがベストセラーの物です』


(ありがとう!)


「これ飲みませんか?」ニヤリ


 ぐびぐびぐびぐびぐび


 ふぅ


「頼む」


 とくとくとくとくとく

 とくとくとくとくとく


 オッサンと俺のにも入れ


 ぐびっ!


「なっ!」


「中々良いでしょう」ニヤリ


 ぐびぐび


「良い! スッキリしながら、かぁっと喉が熱くなるが口の中が甘さも感じる、美味い」


「貴方から頂いたお酒も美味でした」


「じゃろう、ワシが仕込んだ酒だ七十年物だ」


「七十年?」


「ん? あぁワシは今年四百八十歳だ、ドワーフでな大体千歳くらい迄生きるな、人の十倍くらいが寿命だ。人に合わせると四十八歳だな」


「凄いですねってか合わせてもらうと同い年ですね」


「ん? 四十八歳と?」


「そうですよ、こんな格好ですが」


「それでか、一番幼そうなお主が前で話をしてたしの」


「そうなんですよ」


「しかし、難儀だな、召喚などやりおって」


 ぐびっ


「なくなりましたね、注ぎますか?」


「頼む、お主も空だな、どうするワシの飲むか?」


「お願いします」


「俺はアルバトだ、お主は」


「俺はゆう······ユタだ」


 ん? アルバトって


「どんな物が打ちたい」


(ナビ日本刀で一番良いの、ポイントよろしくです!)


『はーい』


 日本刀を、取り出しアルバトヘ差し出す。


「こんなのだ」


「ふむ、ライトつけてくれ」


「了解、光ちゃんお願いねっと!」


「おぉ、良い出来だ、処女だな······これは、何回折り重ねているのだ? が、固いなこれでは折れるぞ······んっ! しなる!」


「固い鋼と粘りのある鋼を、何とかしたらそうなるらしい」


「ギルドマスターの刀もみたいな」


「あぁ、ほれ」


「カッコ良いな! 波紋は無いけど直刀やね、反りがない」


「良い刀だ、引き切るか、そう言っておったなそれはユタの技か?」


「あっ、無くなってるやん!」


 とくとくとくとくとくとく


「違うよ、俺は見聞きしただけ」


「少し待ってよ」


 立ち上がり木箱から次の瓶を出し、さらに直径十センチくらいの木を取り出し、上に放り投げ刀を一振! スゲ~速いんだが。


 シュン

 カランカラン


 見事に二つに別れた!


「おぉ! 凄いやん!」


「ぐははははは! やってくれよった!」


 日本酒の瓶を掴み一気に煽る


 ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐび


 ぷはっ!


「アルバト大丈夫か?」


「これが飲まずに居られるか! スキルだ! 戦闘スキルだ! 刀術を覚えた! 酒をくれ!」


 俺は日本酒追加してやる。


「おめでとう!」


 ポンっと栓を抜き渡す。


「祝いだ! さあ飲め!」


 ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐび


 ぷはっ!


「あははは(笑)、よし俺も!」


 立ち上がりアルバトの刀を抜き、落ちていた先ほどの木の片方を拾い上に投げる。


 シュシュッ

 カランカランカランカラン


「よし! 俺も刀術スキル付いたぞ! 飲もぉ!」


 アルバトの酒瓶を持ち


 ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐび


「ぐはははははっ! 祝いじゃ!」


「ははははははっ! 目出度い!」


「アルバト殿、ユタ様、これからの予定を決める場なのですが」


「なんじゃ宰相! これからの予定? 刀術のレベルを上げる!」


「宰相さん! 俺も刀術付いたから上げるぞ!」


「いえ、そうではなくてですね」


「ワシが、戦闘系スキルだぞ! 刀術だぞ! レベル上げるだろうが!」


「俺は支援職だぞ! それが戦闘系で憧れの刀術! レベル上げるって!」


 ぐびぐびぐびぐび


「「ははははははははは!」」


「って、冗談はここまでにして、アルバト明日から教えてくれるのか?」


「なんじゃ、お主もまともだったか、明日朝から来い、ワシが教える!」


「ははは(苦笑)、余り騒がない様にお願いします」


「すまんな、いつまでに物にしたいんだ?」


「ごめんね宰相さん、一月ひとつき以内、その後はダンジョンにこもるから」


 と宰相が戻って行くのを見ると皆が俺達を見ていた······。


「ふざけ過ぎたな」


「ふん! 皆が辛気臭いだけだ、お主は息の抜き方わかっておるな」


「五十前のおっさんやからな」

「十にも満たないガキに見えるがな」





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





 ◇聖


「お薬難しいですか?」


「そうですね、まずは素材の見極めから、鑑定があれば物はわかりますが、分量を、見極めるのは凄く長い経験が必要になります。」


はかりとかないの? 重さを量ったり、分量を量ったりするの?」


「秤とは?」


「簡単なのは、スプーンにすくって縁すりきりにした量を1として、この薬はスプーン何杯分とかにしとけば簡単じゃないかなって」


「え、液体は?」


「液体も一緒かな? コップ一杯だとこれだけだとか、少ない量だったらポタポタって何滴みたいに」

「な、なるほど!」


 凄い知識······我々の日々の勘の様なやり方では無くてそのやり方なら、薬の分量さえ解ればランクなど要らないのでは······。


「どうしました?」


「貴方はこの本を見れば薬士マスターに成れますよ、我々の所で修練するより他の事も学べるでしょうし」


「そうなんだ、ん~お料理習おうかな」


「それがよろしいかと、後は回復魔法もお薦めですよ」


「それは紗々に教えてもらうし、剣とかシュッシュッってしてみたいかも!」


「戦闘系ですか?」


「そう! 私の身長くらいの大きな剣でズバァー! って、カッコ良くないですか! そして二刀流!」


 身体全体で、大剣二本を振り回す様を身振り手振りで。


「そんな大きな剣を二本ですか?」


「元の世界で物凄く強い人がですね、二本の剣でこうシュパシュパって戦ってたんですよ!」


「凄く力が強いのですね」


「余裕で、ビュンビュンって感じです!」


「ははは(苦笑)」


 私、ここに要る必要無いかな······。


 聖はいつの間にか箒と塵取りで、殺陣を披露し続ける。


「あっ! 二刀流スキル! やったぁ~宮本さんだ~!」


「良かったですね(苦笑)」


「次はやっぱり佐々木さんだね、えっと長いのは······」


 帰りたい······。






 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





 ◇紗々


「是非教国ヘいらしてください」


「行きませんよ」


「何故です!」


「勇大さんが行くなら行きますけど、あの状態ですと、あの方の友達になったみたいですし、どこにも行かないですよ」


「ではあの方を説得すれば良いのですね?」


「勇大さんだけでは無いですよ? 聖ちゃん、三葉ちゃん、葉月ちゃん、パラミスちゃん、後、多分パミュちゃんもかな!」


「任せ······王女様お二人共ですか?」


「そうですよ、パラミスちゃんとは二年後に結婚だって言ってたし」


「王女様と結婚? 次期王?」


「ん~王様には成らないと思います。めんどくさいって言うと思いますし、女王じゃ無いかな」


「チッ、・・・・・・計画が


 この人嫌い、何か怪しいし、この国で魔物? 倒さないといけないって言ってたし、教国の回し者? 間者?


 一緒にいるの嫌だし聖ちゃん······箒と塵取りで何して······宮本さん? 武蔵さんかな? スキル覚えたんだ! 私も何か覚えたいな、よし! 聖ちゃんに教えてもらおう!


「用事が出来たので失礼しますね」


「えっ計画が!?」


「計画って? まぁもう会わないと思いますがごきげんよう!」


 計画って本気で怪しいし! 逃げるが勝ちって事ですね。


「あっ、宰相様! 私、聖ちゃんとこ行くのですが、ゴニョゴニョ教国のスパイです、ではよろしくお願いします」


 あの人怪しいと報告しました。確·連·報 ですよね。


 投獄されたそうです。


「聖ちゃん、武蔵さん覚えたの!」


「紗々ちゃん、宮本さんだよ。簡単だった! これとこれで、こっちで切ってこっちで突く、そしてこっちで払いこっちで切るってやるの!」


「なるほど、時代劇の殺陣だね!」


「そうそう! あ、そうだ紗々ちゃん長い棒持ってない?」


「棒? あっ、洗濯用にって思ってあそこの隅に落ちてたのあるけど、これでいい?」


「バッチリ! 物干し竿だよ!」


「小次郎さんかな(笑)」


「佐々木さんですぅ(笑)」


 そして二人は、二刀流と大剣のスキルを習得した。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 ◇三葉


「なんじゃ、そんな事も解らずやっておったのか?」


「はい、申し訳ありません」


「それでは効率が悪い、ここはこうじゃ!」


「こうですか?」


「それは必要無い作業じゃ! 素材の無駄じゃ! じゃからこのポーションは無駄に高いのじゃ!」


「確かに、これが要らないとすれば半値になります······」


「じゃろう、必要無かったこの素材は、これと、これでこうすると、MPポーション·自動回復! これで継続戦闘が出来、前衛の負担が減らせる!」


「なっ! 脱帽です、弟子にして頂けませんか?」


「あの、今後の予定を決めるとの事で話を······」


「ん? 宰相殿か、こやつ役に立たんぞ! 妾が教えてる方じゃ! こやつ妾の弟子になるが構わんな!」


「ありがとうございます! 誠心誠意励んで行きますので宜しくお願い致します」


「うむ、厳しく行くが良いな!」


「はっ!」


「後、戦闘系を極めたい何か良いのはあるかの?」


「戦闘系は、騎士団、冒険者ギルド、魔道士ギルドが宜しいかと、私の息子が弓の黒クラス冒険者ですので宜しければ、ご紹介致しましょうか?」


「黒か、良いな弓!」


「これをどうぞ、息子が修理で置いていった弓で中々良い物です!」


「ふむ」


 ギュッ


「良いな、宰相殿、あちらに向かい矢を放って良いか?」


「はぁ」


「すまぬな、では」


 生活魔法の水で矢の形にし、凍らせ弓にセット。


 ギュッ

 シュン!

 ズガンッ!!


「氷では砕けるか、まぁ、良い弓じゃ、借り受けても良いのか?」


「どうぞ! その弓は、鉄矢を放つ弓ですので使い続けて半年毎にメンテナンスを。鋼で出来ておりますので疲労で歪むそうです。なので同じものをもう一つお渡ししておきます。」


「すまぬな、借り受けよう。錬金術の修練は明日からつけてやろう!」


「はっ! ギルドでお待ちしてます!」


「うむ! ん?」


「どうかされましたか?」


「スキルがの、増えておる、弓術じゃ」


「「は?」」


「三葉様、戦闘系の弓術ですか?」


「うむ、剛弓術となっておるの」


「うちの息子と同じですが、レベルは?」


「レベル12となっておるの」


「「なっ!」」


「おかしいかの?」


「黒ランクの息子でレベル8です」


「これは、遠距離が心強い? ですね······」


「遠距離かの、刃渡りの短い短剣あるかの? 片刃がよいのじゃか」


「少々お待ちを······長さ違いではありますが刀と言う剣で太刀、小太刀と言います、どうぞ」


「ふむ、日本刀で、太刀、小太刀なら······」


 聖ちゃんが二刀流か、それも箒と塵取りとは(笑)、妾も負けておれんの。


「すぅっ」


 シュンシュンシュ シュシュシュ!


「うむ、二刀流スキルか、習得したぞ、これは買おういくらじゃ?」


「いえ、ホコリがたまっている剣など持っていても役には立ちません、どうか、その剣の生きる道をお与え下さい」


「ありがたくもらっておく!」


「宰相、これで良いか?」


「はい、ちなみにレベルは?」


「ん? 二刀流はレベル18じゃの、こちらの方が才能ありと言う所かの」


「回復魔法は?」


「それは紗々に聞くとしよう、ちなみにあの教会のやつは捕まえておけ!教国の回し者じゃな、引き抜きに逢わない内にの急げ!」


「はっ! 紗々殿も同じ事をおっしゃってました」


 おう! 宰相殿、条件反射と紗々ちゃんの助言もあり、返事し捕まえに行ったみたいじゃの(笑)。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 ◇葉月


「奥が深いですの!」


「はい、執事、メイドとはいかに主人の要望に答え護り支える事であります」


「護りますの?」


「その通りです、私共は気配を消し、主人の気を煩わせず気づかない内に敵を打つ技も身に付ける事が必要になります」


「忍者ですの! 気配を消して影に潜み、動けば疾風、壁を歩き、数々の暗器を使いこなし、武器も全てに精通し達人の域、遠距離、近距離、忍術、幻術、動物をも自在に操る最強の武人······ですのっ!」


 シュシュシュシュ パパ バババ タタタタ シュンシュン ビュンビュン シュルシュルシュルシュル カカッ!


「は?」


「どうですの? 消えたですの?」


「はい、私ですらうっすらしか見えませんでしたので、気配察知レベル9ですのでレベル10の隠密ありませんか?」


「隠密、隠密、ありましたの! レベル15ですの? MAX違いましたの」


「15······す、素晴らしいです! 中々いませんよ! ははは(苦笑)」


「やったぁですのっ! 後、刀術、忍術、テイマー! テイマー来ましたの! やりましたの! 異世界チートのテイマーですの! もふもふですの!」


「もふもふ?」


「そうですの! ん~気配がありましたの! ちょっと待つの!」


 シュン


 とてとてとてとて


「おまたせしましたの! この子いましたの!」


 両手に抱えられ? 手が回ってない両手広げた上に乗っている大きな鳥が······。


「エンペラーイーグル! それも赤い羽根が混ざってる······ファイアーエンペラーイーグル!!!」


「カッコいいですの! 名前は円ちゃんですの! ちょっと重いけどふわふわですの!」


「それはなんだ!」


 冒険者ギルドマスターが来てくれました。


「誰ですの? 前が見えないですの! ちょっとここに降りておいて下さいですの!」


 葉月の横にお行儀良くお座り、座った状態で身長は葉月の三倍はある。


「こんにちはですの! 私は葉月ですの! この子は円ちゃんですの! 可愛くてふわふわですの!」


「あぁ、こんにちは、俺は冒険者ギルドのマスターをしている、そのファイアーエンペラーイーグルはテイムしたのか?」


「そうですの!」


「そうか、うちで登録はしたんだよな?」


「しましたの! これがプレートですの! Sって書きましたの! Sランクですの! でも墨で書いたからすぐ消えちゃいますの、悲しいですの、消えない墨ないですの?」


「落書きは止めて欲しいかな、まぁ、消えるならいいか? いやいやではなくてだな、えっと名前はエンだな、明日ギルドでエンを登録してくれ、それとそのプレート貸せ」


 キュキュキュ何やら布で拭き取ってから何か書いている。


「ほれ、この墨は依頼書を書く時に使う墨だから簡単には取れん、雨に濡れようが川に流されようが大丈夫だ、数ヵ月後には本物に成ってるだろうから俺の権限で書いておいた、ギルドマスターの印も押したから受付でも怒られることはないはずだ、だからそんな顔しないで笑ってろ!」


「ほわわわ! 綺麗な字でSですのっ! 擦っても消えませんの! エンの名前も書いてありますの! やりましたの!」


「冒険者ギルドマスター殿、この方お強いですよ、私では到底敵いません、私の見立てではギルドマスター殿でも······」


「師匠の見立てなら間違いないでしょうね、危機察知が警告したので、ファイアーエンペラーイーグルかと思って急いで来てみたが、的はエンとやらに抱きついている女の子じゃないですか、頼もしいやら情けないやらです、それに他の薬士、回復術士、錬金術士も強いな、しかしもう1人の鍛冶士······師匠はどう見ますか?」


「あの方の前には死んでも立ちたくありません。一歩下がって控えさせて頂けるなら本望。と言えばわかりますか?」


「執事か、冒険者のマスターどちらにするか迷った貴方がですか······師匠」


「他の方達ですが、女子達は黒、現役時代の貴方でも勝てないレベルになりますね。男子達は、あの身体の立派な子はSに届きますね、元気な三人は良くて金でしょう、おとなしい三人は育て方次第でSに背の高い順に、スピードタイプの片手剣と、ガントレット装備、二番目の子は器用さが際立ってます、ナイフ、短剣、鞭、弓、魔法も取入れる事ですね万能タイプですが軽装備、最後の子はああ見えて重量系の武器が合います、背を超える大剣、ハルバード、戦斧、ハンマーも良いですね二百五十キロクラスは片手で振れるでしょうね、ゴーレムならハンマー、四足系の魔物なら大剣、数が多いならハルバードでなぎ払うのが効果的でしょう、斧は大物で脚への攻撃で動きを阻害出来ます。盾は器用さが足りないのでつけないで下さい。と、こんな所ですね」


「ほぼ俺の見立て通りですが流石にそこまで細かい部分は未だにわかりません、しかし、一番下でギリギリ金、召喚とは凄いですねって、師匠その喋り方背中がムズムズします」


「はぁ~、ワレ俺は執事やぞ! んな口聞いてられるかっボケ! メイドマスターなんぞ解読出来んくらい糞な喋り方しよんぞ、やれば俺が勝つがワレでも俺と二人相手なら微塵や! 糞ガキどもは俺に回すな! あんなの要らんわ! 女はメイドに回せええな!」


「やっぱそっちの方がしっくりきます。冒険者しません? 俺自信無くしましたけど」


「頑張ってくださいね、応援はさせて頂きますね」


「見てくださいサブイボでました! ウゲッ!」


「黙りなさい」


 首に細い針が当たり


「やはりスピードは、全然敵いません」


「ふん! ワレも戻って糞ガキのケツでも蹴り入れて来い! 後、アルバトから酒パクってこい! 行け」


「はいはい ではまたでは無くてですね、勇者職がいます······」


「マジか······歩くトラブル······宰相は」


「苦笑い」


「だろうな······基礎訓練だけにして城から出すな出すなら国外だ! 後 酒飲まんとやってられんな、ワレは宰相から酒パクってこい! 俺はアルバトと酒飲んでくる行けっ!」


「はいはい、十樽は貰いますよ、では」


 あれ? いつの間にエンを抱き抱えてアルバトと鍛冶士君の所ですね、私もお酒頂きに行きましょう。



「あっ! 葉月ちゃんあれなに持ってるの?」


「あら本当ね、大きな鳥さん? 行ってみる?」


「うん!」


 あら、アルバトさんの方へ行きましたね、何か肩の荷が降りたみたい、とりあえずお茶でも飲んでゆっくりしましょう。



 ん? なんじゃあのカッコいい鳥は!


 葉月の上に乗っとる?


 旦那様の所に行くのかの妾も行くか。


「お主、妾は旦那様の所に行って参る、また明日な!」



 師匠が行ってしまわれた。


 ん? あそこで薬士さんがお茶飲んでいますね私も、あぶれたので一緒に飲ませてもらいましょう。



「しかし、お主も強いな、その酒ドワーフ用だぞ?」


「そうなんや、確かにアルコールはキツいが味は最高の焼酎って、感じだな、原料は甘めのイモか?」


「解るか、お主酒は白いマメじゃろ? 名前は昔の召喚者が見つけて大喜びしてたのを思い出したが、名前が出てこん!」


「おおっ! 米だな、俺達の主食だ、米あるのになぜ食事に出てこやん!」


「そうだ! コメだ! そりゃ出て来ないぞ、去年は不作でどこもダメだったからな、麦は良かった······おい」


「なんだ?」


「ありゃなんだ?」


「ん? どわっ! 何だと言われても······」


 デカい鳥が浮いてこちらに来る······人の足が生えてる?


「こっちに来る様だな」


「もう来てるな」


「余裕だな」


「イヤ、ビビってはいるぞ、訳が解らんから」


 そして目の前で止まった······デカいな!


「ユタ様! 円ちゃんですの!」


 葉月?


「どしたの? 円ちゃん? おっきい子だね」


「そうですの! ベランダから出てお空見たらいましたの! おいで~ってしましたの! 来てくれたのでお友達になりましたの!」


「スゴい嬢ちゃんだな」


「だろ、そうか、お友達になったんだ、良かったな! 座布団出すから座れよ」


(座布団、ほいっと、後何個くらいあるの?)


『全部で五十枚ありましたね』


(多いよ!)


「はいですの! お座布団ですの、そこにお座りですの」


 円ちゃんが、ちょこっとお座りした、座布団は見えないので座ってる胸の所に見えるように座布団追加で置いてみた。


「ありがとうですの! 円ちゃんにもたれながらお座りできますの! ふわふわですの!」


 確かにふわふわしてそう。


「そりゃいいな! 酒は飲むか?」


「いや飲ますな! ジュース出すよ、で冷やしてほれ」


「ありがとうですの! 野菜ジュースですの!」


「円は、水かな、ふよふよっと、大きめの水玉よいっ! こんなのでいいか?」


 一メートルくらいの水玉を出してやったら器用に飲んでる。


「お主器用だな」


「うちの子達もスゴいぞ、こんなだし、コップかして! ほら冷やしてみた」


「確かにスゴいが、ホレ、ん? 冷したか、どれ」


 ぐびぐび


「冷すの良いな瓶のも冷せ!」


「ほいっと。三人も来たな」


「「カッコいい!カッコいい!」」


「ですのっ! それにふわふわですの!」


 三人が円ちゃんに触れる。


「「ふわふわだぁ!」」


「アルバト酒寄越せ!」


「おう坊主! 飲め! ユタ座布団だせ!」


「了解っと、酒とジュースも追加だな、皆座って」


「「はい♪」」


「ん? 嬢ちゃんの刀、ワシの打った太刀と小太刀だな」


「これか? 妾の弟子に貰ったぞ、お主が刀匠か! 良い物じゃ!」


「ヤツがくれたか、弟子? まあ良いが自信作だ! 可愛がってくれ」


「大切にしようぞ! どれその木片で試し斬りじゃ」


 刀をベルトに差し、木片を拾い放り投げると


 シュシュン

 カランカラン


「見事な腕だな」


「勝てん!」


「お粗末様じゃ」


「いいなぁ~私もおっきい剣欲しいよ! 身長くらいの!」


「大剣か、待て、お嬢よりはデカいか、もう一本はふざけて作った二本組でさらにデカいし、今はこれしかないな」


「おお! そのセットの見せて!」


「ん? まあ良いが、ほれ」


 聖は身長より三十センチくらい背の高い? 剣をひょいと二本づつ両手で持って


「二刀流! 宮本さん! 紗々ちゃんその木投げて!」


「うふふ、行くわよ! はいっ!」


 ブゥォンブゥォン

 ボンッボンッ


「スゴい! 破壊力抜群だよ! ユタさんこれ買って!」


「アルバトいくらだ?」


「二千万プルだがやる! 珍しく酔った勢いで打ったが、デカすぎて俺の修練にしか使えなかった不憫な剣だ、剣術も習得出来なかったしな」


「良かったじゃねえか」


「いいのか? めっちゃ高いやん!」


「嬢ちゃん使ってくれ」


「ありがとう~! 大事にするね!」


「良いのはユタに打って貰え、酔いどれ打ちだからな 素材は鋼とミスリルだから高いだけだ」


「命名! オオクワガタ!」


 それでいいの(苦笑)。


「名をありがとう、ほれ、そっちの嬢ちゃんはどんな武器が良いんだ?」


「私ですか? 大太刀が持ちたいですね」


「ん? また刀か? お主ら規格外だからな、これはどうだ」


 紗々の身長とほぼ同じ少し高いくらいか。


「まぁ(笑)、これぞ佐々木ですね、では聖ちゃん木片投げてくださる?」


「いいよ! 燕返しだね!」


 小さくなっている木片を三つ! ひょい。


 シシシッ

 カラカラカラカラカラカラ


「振り易いです、流石に洗濯用に拾った棒とは比べ物にもなりませんわ!」


「あっさり扱いやがる、貰ってくれ、名は大太刀 龍牙だ、鞘はアイテムボックスになっとる、ほれ、腰に差しても引きずらんし、刃の長さも気にせず抜ける」


「ありがとうございます、龍牙大切にします」


「弟子に勝てんと言ったが桁違いやんけ! おぅアルバト、鳥の嬢ちゃんのも寄越せ! 俺の担当や!」


「ん? そういや執事言葉はいいのか? 昔に戻ってるぞ?」


「かまわねぇよ、俺はそこの坊主が怖ぇから偽るのは無理だ! それよりこの嬢ちゃんは忍者だと、初めて見たぜ、アルバトお前忍者道具を昔作ったって、言ってたよな」


「ああ。どうしても作れって言われて刀から手裏剣、鎖鎌や色んな武器の説明を何日聞かされたか······で完成したら金無いからくれって、シバきにシバいて小舟に乗せて川に流してやったら見なくなったな(笑)」


「それだせ!」


 木箱からウエストポーチ? 出してた。


「お前から渡してやれ担当だろ」


「けっ、ありがとよ、今度酒奢るわ!」


 受け取ると円にもたれて三葉とお喋りしているところに近づき


「円さん少しお友達に用事がありますので近づきますね」


 見上げる円ちゃんにそう言って近づき跪く。


「葉月さん、これを」


「何ですの?」


「忍者の七つ道具と言うものです、そのウエストポーチはアイテムボックスになっておりまして色々な道具が入っております、確めて下さい」


「良いですの? カッコいいウエストポーチですの! こうつけて、ぱかって忍者刀ですの! 鞘の長さと刃の長さが違い思ったより速く抜け軌道が変わるから避けにくいですのっ! 溝には毒や痺れ薬を仕込めるの! こっちは鎖鎌! やってみますの、みっちゃんお願いしますの!」


 ブンッブンッブンッブンッ鎌と分銅回し勢いがついてきた、タイミングを見計らって三葉が二本の木片を投げた。


 シュンシュン

 ボンッ カランカラン


 分銅側はバラバラで鎌側は真っ二つに


「ほわぁ~気持ちいいですの! でも分銅は封印ですの、素材が爆発しますの」


「お見事です」


「うむ、葉月見事じゃ」


 こうして俺達は最初の武器を手に入れた。


 

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