004 帰れない
王「アモルファス王国国王バランスト・フィフス・アモルファスである!」
王「此度の召喚まことに申し訳ない」
王様が頭を下げる。
王様が頭下げるんや、おっ、壁際の高そうな服を着た人達が、ざわざわしだした。
宰相「王様、王がみだりに頭を下げてはなりません!」
王「いかん! いかに事情があれど、勇者達は、まだ成人前だと言うでは無いか! 成人前の子達を我等は拉致したのであるぞ!」
宰相「そうではありますが、どうか頭を上げて下さいませ」
王「ならん!」
そう言い王妃と王子&王女に目配せをし立ち上がった。そして、揃って階段を降りてきて最後の段を降りきった所で止まり。
王「今から王命を出す」
王「王命である!」
王「勇者達以外、勇者達に向かい跪き
宰相「なっ!」
お爺さんがビックリ顔。
王様、王妃様、王子様&王女様が揃って跪き頭を下げる。それを見た壁際の人達も慌てて跪き頭を下げる。お爺さんも顔に手のひらを当て横に顔を振った後、跪き頭を下げる。
まあ、王様がやっちゃったらねぇ。
王「何をしておる騎士団、魔道士団! お主達もだ!」
こっちもか、騎士団は、腰の剣を外し跪き剣を前に置き頭を下げる。魔道士団は、ローブの前をはだけ横に流し跪き杖を前に置き頭を下げる。
王「誠に何と取り返しの付かないことを、勇者達よすまぬ!」
スゴいまともな王様なんやね、若いからってのもあるかもだけど、中々出来る事では無いよな。
王「更に、まだあるのだ、魔道士長、その体勢のままこちらに来い!」
魔道士長「はっ!」
ズルズルとローブを引きずりながらって、昨日の白髭お爺ちゃんやん! 何か顔色悪そうやけどどしたの? 昨晩飲みすぎたの?
王様の数メートル、二メートルちょい位かなって所で停止。
王「騎士団長! お前は立って近くへ」
騎士団長「はっ!」
騎士団長は立ち上がり、流れる様に剣を腰に着けると、スタスタと、魔道士長の横に。
王「騎士団長! 構え!」
王様の号令で剣を抜き、正面に構えた。
王「良し!」
王「魔道士長!」
魔道士長「はっ!」
王「王命である!」
王「今すぐ勇者達の腕輪を外せ!」
魔道士長「なっ! なぜでありますか!」
王「騎士団長、切れ!」
魔道士長「なっ!」
騎士団長「はっ!」
ギィン
魔道士長は、結界を張ったのか!
ピシッ
魔道士長「ぎゃっ!」
騎士団長の剣は結界を破り、魔道士長の腕を杖ごと切った。
魔道士長「ぐわっ! ど、どうしてでありますか!」
左手で、切り落とされた右腕を押さえながらプルプル震えている。
王「どうしてだと? 分かっておるだろぅ? 副騎士団長! 前へ」
副騎士団長「はっ!」
跪いたままするすると、移動してくる。
王「魔道士長にあれを」
副騎士団長「はっ!」
魔道士長の右腕に何やら薬の様なのをかける。するとうっすら光ったと思ったら切り口がみるみる塞がっていく! 多分1分位で塞がりそうだな。
王「もう一つだ!」
副騎士団長「はっ!」
副騎士団長は、薬の瓶を床に下ろしグリーンのマントの下、腰の辺りから何かを取り出し瞬きの間に魔道士長の首に巻き付けた。
魔道士長「なっ!」
おお! なんだ!
副騎士団長「奴隷魔法発動!」
副騎士団長の発声が終わった瞬間、魔道士長の首に巻かれた首輪が光、首のサイズピッタリになり継ぎ目も消えた。
王「副騎士団長、王命である! 永続でしばれ!」
副騎士団長「はっ!」
副騎士団長「奴隷魔法発動! 永続!」
魔道士長「くそっ!」
立ち上がり逃げ出そうとした魔道士長に向かい、副騎士団長が命令をする。
副騎士団長「動くな!」
言った途端立ち上がりかけた姿勢のままこけた。
魔道士長「グギッ!」
顔から落ちたね。痛そうだ。
王「先に、腕輪を外させねばな、副団長! 頼む」
副騎士団長「はっ! 魔道士長、勇者様達の腕輪を外せ! 素早く動け!」
魔道士長は立ち上がり鼻血が垂れても顔を拭う事もせず、左手でローブの中を探り腰から鍵束の様なのを取り出し、その中から三本の鍵みたいなのを外すと床に置き、切られた杖の大きい方を勢い良く叩きつけた。
ピシッ
足下と後ろ側と横から音が聞こえた。
カランカラン
グチャボテッ
等色んな音がしたので横を見ると、鉄製のカップや、食べ残した物や、衣類、バスタオル? 便座っておいコラ!
アイテムボックスに入っていたのが出ちゃった訳ね。うちのメンバーは······何も落ちてないね?
『この子達は既にスキル習得しております』
(何と!)
『昨晩、色々入れたり出したり楽しまれてましたよ(ズボンとかシャツとかパンツとか)』
(修練ってそんな感じで行けるんやね。後、顔色戦闘組は青ざめてるけど、うちの子達大丈夫そうやね?)
『はい。そちらも昨晩に (ペロペロしたり、ジュポジュポしたり、ゴックンしたり)、今迄に経験したことがない経験をしたようですね』
(そうなんや、精神耐性この世界だと大事だもんね)
『はい。命の価値が元の世界に比べ、相当低いと』
(やね)
『王様が話を再開しそうです』
(了解! 聞きますかね)
王「うむ。これで良い、もう一つの方は昼食時に中和を!」
副騎士団長「はっ!」
王「言葉だけ喋れる様に」
副騎士団長「はっ! 奴隷魔法発動! 偽らず喋れ!」
王「良し。では先ず、魔道士長! 今、この時を以て魔道士団、魔道士長の任を剥奪! 私財、家、土地、金銭、魔道具、貴金属、全ての没収! 貴族位、子爵の剥奪! 家族、妻、貴族位、男爵の剥奪! 長男、貴族位、男爵剥奪! 次男、貴族位、騎士爵剥奪! その他親戚その家族に至るまでの私財没収! 爵位、剥奪! 領地、国直轄領とする!」
王「騎士団第七隊から十三隊! 捕縛開始! 三十日で完了する事! 宰相! 三領地直轄だ! 全ての資料精査! 全ての罪を洗い出せ!」
宰相・騎士団長「はっ!」
兵士さん達が動き出したと思ったら、壁際の人達の中の三人が押さえつけられ縄で縛られ、あの首輪が付けられ光を放つと思ったら、兵士さんも数人同じようにその兵士さんは自分で手を後ろにやり縛られてる。
流石兵士さんは潔いね。
百人位いた兵士さんは、三分の一位迄減った?
そっか、逮捕に行く部隊の方達が出て行ったのね、んで、最初の三人はさっき剥奪された家族の方達なのね。
王「騎士団長」
騎士団長「はっ!」
王「勇者様達の椅子と机を用意、私共は、王族、宰相、騎士団長、副騎士団長、副魔道士長の分だ、後、メイド長! 茶を」
騎士団長・メイド長「はっ!」
王「勇者様、すまぬが頭を上げて良いか?」
えっと誰が返事するんだ?
ちょいちょい
ん? 猫さんがつついてくる。
『勇大様が返事してって、おっしゃってますよ』
(マジですか)
しゃーないか、んじゃ手を上げるやったねっとひょい! 手を上げてるのだけど皆下向いてるから気が付く訳無いやん!
「直言よろしいでしょうか?」
王「うむ、直言を許可する」
「では、どうぞ顔を上げて下さいませ」
王「すまぬな」
王は、顔を上げってかイケメン。
王「
「はい、お子様達もその姿勢は辛いと思いますので」
王「配慮痛み入る」
「王命! 跪き頭を下げるを速やかに解除! 元の位置で待機!」
王達も立ち上がり
王「すまぬ、少し移動だ。副騎士団長! その屑を引きずり連れてこい!」
王「王座前の階段近くで待機にするか?」
と王様、何か軽いな
宰相「はぁ、そこに椅子と机並べるんでしょ! 避けるなら、王座に向かって右側が一番邪魔になりません」
宰相さん、その言葉使い良いの? 剥奪っ! とか言われない?
王「おい爺、皆の前で恥ずかしいではないか」
宰相「後で説教ですな、その後は勉強も三倍、修練もですぞ!」
王「なっ! くっ、仕方がないではないか。はぁ、すまぬあちらの右側の方に移動宜しく頼む」
「はい」
王様がとぼとぼと歩き、移動、俺達もちょっと顔を見合せ苦笑し後を追いかける。
元魔道士長さんのあの魔道具も副団長さんに教えないとだけどこのスキル説明したくないしどうするかなぁ。
王座の階段横です。そこに集まったのを確認したのか、兵士さん達は大扉横の部屋から椅子や机を次々と運び出し、会議室の様な机レイアウトを形成するべく、ロの字形に机を配置していく。
後、壁際の貴族達にも机と椅子が用意されてるんやね、ってかめっちゃ多いやん!
壁際にいた時は離れてるのもあってそこまで気にしてなかったけど、これだけ寄って来るとめちゃくちゃ多いな!
ってかこの部屋も、そこそこデカい体育館位かな。それに天井高いなぁ、光の玉が浮いてるし、魔法? 静止したまま動かないって動いてるのあるね。
(ナビさんあれ俺も出来るかな?)
『あれはほぼ光魔法ですね、修練により習得可能です』
(光魔法なんや、あれ部屋の照明に良いよね! 後は、あの島で夜バーベキューとかする時にも役だちそう! 後は夜中にトイレ行く時も、あの動くタイプで楽チンだよな!)
『楽しそうですね。後、あの動いているのは光魔法ではありませんよ、あれは精霊ですね、精霊は至るところに居ますよ、まず普通の方には見えませんが、少ないですが見るためのスキル持ちもおりますね』
(ほぉ、ってことは俺の場合は神眼さんのおかげ?)
『はい、今見えている子は結構上位な精霊ですね。後、勇大様なら、眼に集中して見るぞ! って感じですか、すると結構沢山見れますよ、後、他の精霊も沢山居ますよ』
ふむ、ん~見るぞ!
どわっ!
光の玉が! あっ、小さいのか! スゲーいっぱいだね色違いもあるし、賑やかだねってよってきてますが、これこれ猫さん猫パンチしちゃ駄目ですよ、仲良くして下さい。
そうそう舐めるくらいにね。
『色の違いは緑が風、青が水、橙が土、朱が火、黒が闇、黄が光ですね、いわゆる六属性と呼ばれるものです、勇大様にはそれ以外の色も見れると思いますが、コツが必要ですのでそうですね、この世界の人には、そういった考えの概念がないので見れる方は居ないのですが、勇大様は、雷、電気ですね、後は、重力、磁力、空間、時間、等がまだ簡単に思い浮かぶのでは?』
(おう。そんな精霊さんもいるのね。雷と重力は、クリスタルなロールプレイングゲームの魔法があったね、雷は召喚獣もいたよね。空間はもしかして転移もそうかな? 時間は戦闘中に敵のスピードを遅くしたり、味方のスピード上げたりってのがあったなぁ)
『でも見えていても認識は出来ませんね。今言った雷以外は大きすぎて』
(見えていても認識出来ない? 大きすぎる? なっ! そっか! 精霊さんのお腹の中にいるみたいな感じか!)
『楽しそうな想定です。そうです。今ここにいるだけで見えてはいるのですよね。雷は、冬場が確認しやすいですかね、静電気発生する時に見ると、光精霊より白っぽい精霊が見えますよ』
(なるほどね)
っと、完成したっぽいな、席順はどうなるのかな。
王「用意が出来たようだな、では宰相、席順は我達はこちらで勇者様達は、リーダーは、向かいだなその後ろに他の方々で左右は?」
宰相「はっ! まずその元魔道士長はその真ん中に繋ぎ止めます。副騎士長、頼む」
副騎士団長「はっ!」
副長が元魔道士長を引きずり机の間から中に入り騎士長が手錠のでっかい版を中心部分で用意している所へ。そこに、体育座り? 三角座り? をさせた元魔道士長に手錠と足錠? をはめて長さを調整。片腕になっているので一方だけだが三点が拘束された状態だ、さて、魔道具どうやって教えようか······。
王「よし! 一度立たせ、そやつの持ち物を調べよ!」
おっ! ナイスだ王様! 言わなくてすんだ。
副騎士団長「はっ! 副魔道士長お手数ですが、全ての物を取り払いますので不可視の壁をお願いします」
副魔道士長「わかりました、そうですね、女性の方々いらっしゃいますし、では!」
杖をすいっと振ると壁が出来た。って見えてますけど?
『うふふ、それは勇大様だけですよ』
(そっか眼ね、爺さんのストリップ見てもなぁ、あはは)
(次々と脱がされるって言うより剥ぎ取ってる感じやね)
(ナイフとか使って切り裂いたり、おっあの腕輪も着けてるんやね、なにか良いものでも入れてるのかな?)
『覗けますよ神眼で』
(ほうほうんでは鑑定!)
(······結構な大きさがあるんやね。コンテナ五個分位ありそうだけど······杖、靴、ローブ、ズボン、シャツ、靴下、パンツ、手袋、コート、防寒着、水着、スリッパ、ゾウリ、石鹸、櫛、皮鎧、ブーツ、携帯食料、水樽、酒樽、魔道書、貴金属、貨幣:白金貨·大金貨·金貨·大銀貨·銀貨·大銅貨·銅貨·鉄貨·石貨、塩、胡椒、砂糖、スマートフォン、携帯電話、招き猫、木彫りの熊、耳かき、ドラ○ン○ール12巻、車の鍵(BMW)、家の鍵(井手口家·金森家·グランドレイク202号室······)、空き缶(コーヒー)、······)
(突っ込み所満載やん! これって)
『この者が召喚をしていたのでしょうね、人は相当修練が必要になりますので、初めは手当たり次第、危険な物は無さそうですが、拳銃(銃弾無し)、ライフル(銃弾512発)、マシンガン(14000発)、ICBM(製作途中)、気象衛星(破棄済)は回収したいですね、無限収納へ直接転移でお願いします』
(何召喚してるん! バカですか! 早速します!)
『日本刀もありますよ? 結構な数が、無銘ばかりですが、いかがですか?』
(おぉ! 日本刀カッコいいよね! それもまとめて、転移!)
『後は、薬系があると聖様のお役に立ちそうですよ麻薬も、末期癌等で使われますし、調味料もありますね、素材系も私が選んでポイント付けますね、少量ですが食材で、お米や小麦粉、カレールーもありますね、あっ! 猫缶にカリカリもありますよ少しですが、後は適当に良さそうな物をポイント付けておきます』
(ナイスです! それでは、転移!)
(ところでナビさんや)
『はい?』
(何やら流暢にお喋りしだしているように感じるのですが)
『はい。修練の賜物です』
(ナビさんも成長するんだ! 良かったね! じゃあ、名前とかちゃんとした方が良いかな?)
『いえ。私の名前はナビですよ』
(えっ? そうなの?)
『勇大様が付けてくれたじゃないですか』
(???)
『あのですね、勇大さんが、高校二年の時の通学を憶えてますが? いつも勇大様の前を歩いていた』
(なっ! 猫!)
『そうです。あの時名前を付けてくれました』
(いつも学校まで前を歩いてたから、ナビゲーションみたいに思ってナビって呼んでた!)
『はい。野良でしたがたまにご飯も頂きました』
(でも三年になってすぐくらいに居なくなったよね?)
『寿命でしたから、九年生きましたよ』
(そっかぁ、じゃあまた一緒に通学ではないけど歩いて行けるな!)
『はい! こちらこそ宜しくお願いしますね』
(宜しく!)
『あの魔道具には気が付きませんね』
(口の中にあるからなぁ、あれって転移の魔道具だよね? 起点側の)
『そうですね、もう片方の位置はわかりません』
(刑務所とかは、口の中とかお尻とかも調べるらしいけど)
(あっ服着せられるね、どうしよかぁ~終わってしもたね)
副騎士団長「終りました! 結界解除します!」
白い上下の服、ペラペラな生地で日に当たったら透けそうな服、囚人服かぁ······あっ!
「あのぉ~少しいいですか?」
俺は思い付いたことを喋ろうと何とか頑張って声を出してみた。
副魔道士長「はい、何でしょうか?」
副魔道士さんが、返事をしてくれた! よし!
「忙しい時にすいません、気になったことがありまして、もしかしてもう済ました後かも知れませんが言わせて貰っても良いですか?」
俺が急に話し出したので皆が注目している、ちょっと緊張するって!
副魔道士長「はい、どうぞ」
「ありがとうございます。今、服とかを脱がしたりして調べたと思うのですが、俺達の世界で刑事ドラマとか映画ってのがありまして、その際の犯人の取り調べ前に今の様に服等も調べるのですが、他に物を隠せる場所がいくつかあって、それはやったのかなぁと疑問があり、声をかけさせて貰いました」
副魔道士長さんは少し考え
副魔道士長「ほぉ、それでどのような場所ですか? お聞きしたいですね」
「はい、まずは、元魔道士長さんが、動けない様にお願いします」
副魔道士長「わかりました、副騎士長、お願いできますか」
副騎士団長「はい、奴隷魔法発動! 動くな!」
副魔道士長「はい、ではお願いできますか」
「わかりました。まずはあ髪の毛などの毛の生えている場所が良くあるパターンです、後は耳の穴、鼻、口、言いにくいのですが下の前と後ろがあります」
女の子「あっ! 私もそんな感じの見たことある! 髪の毛に針金とか口に毒薬! ってのもあったよ!」
女の子「俺も映画とかではないけどドキュメントの航空のでお尻に麻薬ってのあったよ」
男の子「義足とか義手、義眼も漫画であったなぁ」
男の子「洋画で体内に手術で爆弾埋め込んだり!」
「「
皆仲いいな!
よし、いい流れになったんや無いかな。
副魔道士長「ほぉ、確かに、あり得るか······ありがとうございます、もうしばらく時間を下さい」
王「うむ、徹底的に調べよ! メイド長を呼べ! 鑑定がレベル8だ、役に立つだろう」
副魔道士長「はっ!」
メイド長「お呼びですか」
どわっ! いつの間に!
『この方は単純に身体強化とメイド術が高いレベルですね、今のはメイド術のスキルで主の邪魔にならないように眼に入らなくする事と、先読みして主の望みを予想するという術ですね』
(すごいな、転移出来てもこの真似は出来ないよ)
『ちなみに主は王様の様ですね』
(まぁメイドさんですしそれも長さんですし)
王「うむ、鑑定が必要だ、見苦しい物があるがすまぬが頼む」
メイド長「はっ!」
副魔道士長「ではメイド長こちらにお願いします、結界を展開しますので」
メイド「わかりました」
副魔道士長さんが、また杖をふる。結界完成の様ですね。
(あっ髪の毛調べるようですね、ってあのメイド長さんどこからナイフ出したの?)
『スカートから出ましたね』
(アイテムボックス?)
『違います、物理的に収納しています』
(はぁ~あれもメイド術とか(笑)、剣も出てきたりして)
『入ってる様ですね』
(おいっ! スペース考えなさい! 異世界なんだから普通? にアイテムボックス使ってください!)
『あっ、髪の毛剃るみたいですね髭も、脇、あちらもツルツル』
(メイド長さん、物凄く嫌そうな顔してますね)
『ぶつぶつと、王様からボーナスふんだくってやると言ってますね』
(かわいそう過ぎ、忠誠心が減らない事を祈っておくよ)
(あっ、髭から見つかった様ですね。鑑定っと。アイテムボックス!)
『これも先ほどと同じ程度の容量ありますね、中身も良いのにポイント付けますね、魔道書系が沢山! 頂きですね、危険な物も少々頂いて、貨幣も、貴金属は足がつくかも知れませんので要りませんし、インゴット系が結構な数ありますね、車ありますがどうします?』
(車? ガソリン無いと動かないでしょ)
『それが······満タンは入ってますが、それだけですね、大きいですよ、五十人位乗れそうなバスですね』
(魔力で動いたらなぁ、こちらの道路事情もわからないし、必要?)
『ほとんどが馬車がスレ違う程度の道ですね、十分走れますね』
(なら、頂いておきますか)
『ポイント付けました、後は必要無さそうです』
(了解! 転移!)
毛剃り終了の様ですね。耳、鼻、口に行きますね、見つけたようです。
うわっ、前、何かストロー? 見てる俺が痛く感じるよ。
それにメイド長さん青筋が······。
残りは後ろ、なっ!?
(スライム?)
『寄生されてたのですね、人体には無害ですので大丈夫です、ちなみに老廃物を食べてくれたり排泄物もですがその為にお肌が綺麗になります。ほとんどの方が知らない事実です、あの様子だとまだ寄生して数日? もしかすると昨日今日かも······もしかするとあの服、綺麗な物を着せるなと思ったのですが、服に寄生スライムが付いていて、先ほどと寄生した感じですね』
(寄生スライムか、美容スライムのが良くない?)
『その用途で寄生させている方が居ますよ』
(なんと! 流石異世界人! でも、お腹壊したりしないのは良いね。長旅でトイレの心配が半分になるし)
『探しておきますか? 取り付け取り外し? も簡単に出来ますし』
(そうだな、一応キープだね、後、お掃除スライムとかあって、部屋に放しておくとホコリとか勝手に掃除してくれたら楽な!)
『スライム系、お探ししておきます』
(頼むね、おっと、終わったみたいやね)
スライムさんスカートから出したツボに入れられちゃいました。
メイド長さんの眼が怖い······王様ボーナス沢山あげてね。
結界が消えた。
副魔道士長「終りました!」
王「うむ! して?」
副魔道士長「はっ! 髭よりアイテムボックスの魔道具、中身はまだ調査しておりません、口から、奥歯に魔道具、転移の魔道具であります! 起点でしたので逃亡の恐れがありました、申し訳ありません、後、後ろから、寄生スライムが発見され排除しツボに捕獲、以上です」
王「うむ、良くやった。して、メイド長、なぜ睨む?」
メイド長「私は未婚であります。そういった事も、知識は有りますが······これをもって辞めても宜しいでしょうか!」
王「どっ、どう言うことだ?」
副魔道士長「発言宜しいでしょうか?」
王「副魔道士長頼む」
副魔道士長「はっ、今回調べる際全ての毛を剃りました、頭、髭、脇、下の部分も、後、穴全ての調査、鑑定はメイド長しか持っていない為作業すべてです」
王「な! ぐっ、すまぬ我の至らぬ所業、メイド長、我の妻になってくれぬか。我が一生をかけ償いたい!」
メイド長「王様、それは
王「うむ、全ての仕事だ。後任は、後で決めるすまなかった、一旦下がって副メイド長にここを引き継いでくれ」
メイド長「はい、失礼します」
(言った瞬間に見えなく? なったよ! どこ?)
『素晴らしい技術ですほら、あそこの扉開きますよで、閉まる、出ていきましたね』
(マジっすか! ドアの開閉時にうっすら見えるレベルって······)
『メイド術極めますか?』
(いやいや、せめて執事術でしょ! あるかはわからんが)
『有りますよ』
(あるんかい! はぁぁ、保留で)
王「では、始めるか、そやつは座らせろ立ってると目障りだ!」
「はっ!」
元魔道士長さんが、座らせられ、王様達が席に着き俺達も周りで貴族さん達も座り、右側に宰相さんと副魔道士長さん、左側には騎士団長さんと副騎士団長さん立っているのは兵士さん達だけだ、そこに、台車を押しメイドさん達が、やってきてカップと水差しを机に配り注いでくれる。
しばらくして、行き渡ったところで
王「では、話し合いの前にやらなければならなかった事は終わった、そやつの暴走で、あってはならない迷惑をかけた、召喚はやらねばならなかったが、そなた達勇者様達成人前を喚ぶ手筈ではなく、戦いの経験者、戦争経験者を喚ぶはずであった」
王「召喚には五十年近く魔力を溜める必要があり一回だけのチャンスであるのに、その為、召喚者には最大限のもてなしと、もてなしと共に要望には応える手筈であったにもかかわらず、奴隷魔法や、食事での投薬、薬は中和剤を処方する。が、そやつは帰れると申したのだな?」
委員長「そう聞きました、千日かかるとか」
戦闘組リーダーさんその調子でお話お願いします!
王「千か、数字はあっているな」
委員長「数字?」
千年だよ
王「あぁ、千は合っているが、千年だ、すまぬ、帰ることは出来ぬ」
「なっ!?」「ふざけんな! 何とかしろよ!」「帰してよ!」「嫌ぁーーー!」「どうすんだよ! 何か方法無いのか! あぁっ!」「魔王とか倒したら帰れるんじゃ?」「そうだ! ラノベで良くあるやつ!」「お前ら魔王倒してこいよ! すぐ行け!」「手伝っても良いからすぐ魔王倒しに行こうぜ!」「そうだ! 俺らチート有るからすぐ倒せるっての!」「武器は! 聖剣は! 魔剣も! 全部持ってこいゴラァー!」「エリクサーも! ソーマ? ってのも!」「そうよ! 早く! お願いよ!」 「何とか言えよ!」
王「すまぬ。魔王とやらはおらぬ」
ケンジ「どうすんだよ······」
王「どうにもならぬのだ。この世界で生きて生活して貰うしか無いのだ、その為の支援は最大限行う、生きるための戦い方、戦闘術、魔法、その他の技術、全てにおいて現状最高の師を付けることを約束する」
王「住む場所もこのまま城でも良いし城下に家も用意する、金銭に関しても、何不自由無い生活資金を約束する、しかし、頼みがある。」
誰も喋らない······俺かぁ~仕方ないか。
「頼みですか?」
王「あぁ。この世界には魔物がおる、それを倒して貰いたいのだ、我らも日々そうしておる」
王「兵士はもちろん、冒険者、傭兵と言った戦う能力がある者の仕事なのだ、魔物を倒し、素材を獲て、素材で武器、防具、魔道具、はもちろん食事にも薬にも支援職が作る、それが仕事だ」
王「それに、皆様方の身分証明は出来るが、身分証が生活には必要になる、年齢制限は無い、身分証発行は、冒険者ギルドにて発行出来る」
王「後は職により、魔道士ギルド、錬金術ギルド、傭兵ギルド、鍛冶士ギルド、薬士ギルド、商人ギルド、執事·メイドギルド、教会、後は盗賊ギルドは、止めて欲しい、捕縛処刑対象になる、どうか我らと生活をしてこの世界で生きて欲しい」
「話はわかりました。本当に無いのですね······私達が探すことは良いですか? もちろん王様が先頭に立ち、帰る方法を探して貰う事も約束して下さい、この国だけでなくこの世界全体が範囲で」
王「アモルファス王国国王バランスト·フィフス·アモルファスの名にかけて!」
すると、俺達以外が立ち上がり、剣は鞘付きのまま、杖持ちも右手にそれぞれを持ち持ち上げたと思ったら床に叩きつける。
ドンッ!!!
「「「
凄い迫力です。ふよふよしてた光の妖精さんも他の光の玉と同じ様にピタリと静止したほどです。
猫さんは耳をピクリとしただけで我関せず······大物だ。
皆が席に戻って席につく。
王「騒がせた。この後は考え、勇者様達での話し合いをまとめて欲しいが、まずは冒険者ギルドでの登録が急務であると考えるが」
宰相「そうですな、組が三つに別れてますので組単位での作業が宜しいかと」
王「うむ、戦闘職組、魔法戦闘職組、支援職組の順で、組別でまず話し合いその後でリーダー、最後に合同、の順が良いか。我らとはその後支援の方法を模索だな」
うん、その流れが無難かな。
ところで猫さん何者ですか? 王座に座ってて怒られないし、王様のペット?
うりうりと眉間をマッサージ。
ゴロゴロ、尻尾がゆらゆら、しかしずっと張り付いてますね? 縦抱きだし、しんどくないの?
『王女様が見てますよ』
(ん? 見てみると猫さんの尻尾に合わせて顔がゆらゆら左右に揺れてますな)
猫さん尻尾貸してね。
尻尾を掴んでゆっくりくるくる回してみる。
王女様も顔がくるくる。
右! 左! 右! 左! 上! 下! 上! 下! くるくる! くるくる!
王女様も顔が
右! 左! 右! 左! 上! 下! 上! 下! くるくる! くるくる!
パタン!
椅子ごと後ろに倒れた。
『勇大様······お可哀相です謝って下さいね』
(うっ、すまなんだ)
王「どうしたパラミス、大丈夫か?」
パラミス「パパ様! シロちゃんが可愛いのです! しっぽがゆらゆらくるくるして私も触りたいです!」
王「ふむ、シロ、こっちに来ぬか?」
シロちゃん言うのね、お呼びだよと肩をつついてやる。
すると、俺の顔を見て後ろを振り返り一言
「にゃっ!」
おい?
『お前が来い! ですって』
(こらこら、あっ泣きそうな王女様······連れていくべきかな)
『それが良いかと』
(はぁ、仕方がない)
立ち上がり左から回り王女様のところまで近づくと後ろから騎士団の長と副が、カルガモの様についてくる。まぁ仕方がないよな。
王女様の前に到着、身長は現状俺の勝ち! 金髪でゆるいパーマっぽいちょっと毛先はくるんっとハネてる、青い瞳がキラキラと期待爆発寸前、可愛いやん! って触らせてあげましょうかね。
「はじめまして、勇大と申します」
パラミス「はっ! はじめましゅて! パラミシュ! パラミスです!」
カミカミですやん(笑)
「猫さんさわりたいの?」
パラミス「シロちゃん中々さわらせてくれないの」
「シロちゃんって名前なんだね。猫さんは追いかけすぎると逃げちゃうから寄って来てくれた時にだけさわる様にすれば、さわれる回数も増えると思うよ」
パラミス「そうなんだ! シロちゃんゴメンね、今度から追いかけないからお友達になってほしいの!」
「にゃぁ~」
『しかたないなぁ~ですって』
「良かったね、シロちゃんいいよ~って」
パラミス「ほんと! やったー!」
と、近距離からシロちゃんに向かってダイブ!
「「
ぎゅ~ シロちゃんサンドイッチ状態やん!
パラミスちゃんがシロちゃんの頭に顎を乗せクリクリクリクリと頬擦りならぬ顎擦り、危険な距離だ、たまらなくなったシロちゃん右前肢で握りこぶし! えっ! 猫さんこぶし握れるの!
次の瞬間······ゲシッ!
見事にシロちゃんの右フックがパラミスちゃんの右頬をとらえた!
なっ!? と思い左を向いたのがダメでした。
ちゅっ······
えぇー! 異世界来てから女の子のキス何人としてんの!
慌てて顔を後ろに引いたがパラミスちゃん俺の首に手を回し離れられない! ヤバいヤバいヤバいって! 王様目の前! 宝石の付いた指輪付きの拳がコマ送りで迫ってくる、でも進路はパラミスちゃんの頭?
あかんってそんな凶器付きので殴っちゃ!
俺は体を捻りパラミスちゃんから軌道をそらし俺の頭で迎え撃つ
ドンっ!
おい! 音おかしいやろ! 子供殴って出る音違うぞ!
(痛く無いけど血くらいは出た方が良いかな?)
『承知しました、頭部より出血······大サービスで!』
(おいっ!)
ポタポタと服に染み込む
「王様、それ、子供なぐる手ですか? そんなゴテゴテした凶器みたいな手が」
思いっきり睨んだ
王「なっ」
王様は自分の拳を見つめる。
「キスは事故ってわかるだろ! あの状態でシロちゃんが猫パンチしたらくっつくぐらいわかるだろ! 何自分の娘にマジなパンチしようとしてる! 俺はまだ身体強化してこれくらいですんだが、死ぬぞ!」
王「なっ」
「謝れ! おっさん! 何立ったままいるんや! 跪け!」
王様の腹に前蹴り、くの字になったところで背中に踵落とし、そして頭を踏み
「これが俺達の世界の謝る姿勢だ! 憶えておけよ」
この間誰も動けなかった。
『やっちゃった』
(途中からヒートアップしちゃった、足どけた方が良いよね?)
『そうね』
乱暴に足をどけると王妃様が駆け寄り思いっきり王様の尻をヤクザキック!
ゴスンッ!
王妃「貴方は何やってるの! 早く謝りなさい!」
「あぁ~王妃様? その糞王だけど、気絶してるよ」
王妃「チッ! 申し訳ありません、キツく反省させますのでお許しください」
王妃様は跪き深く頭を下げた
「王妃様? 王妃様は悪くありませんよ、そのおっさんが、悪いんだから」
王妃「ありがとうございますこのお詫びは必ずさせます。後、パラミスですが、婚姻は後二年はお待ちください十歳で婚姻は成り立ちますので」
「えっ? どう言う事?」
王妃「はい、王族として身を交わす事は婚姻を結んだ事になり覆すことはなりません、なのでパラミスも離れないでしょう」
「なっ! マジですか!」
王妃「マジです」
周りを見回すと兵士さん、貴族さん達がうんうんと頷いてる······。
王妃「よろしくお願いしますねユタ」
逃げられなさそうな······。
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