第9章 鉱山開拓と鉱山鉄道の開発③ 第48話
第48話 近代化あれこれと傭兵団 (アリス16歳)
近代化してマザーマシンを開発してチェーンを作ったと前に言ったよね
それで三輪電動アシスト自転車という物を開発したの
三輪自転車の後部を大きくして荷台を大きくした感じだよ
150kg程度の荷物の運搬も出来るし、荷台を座席に変えれば人も運べる
太いタイヤはしっかりとした安定感を与え、そこに魔導発電装置と電動モーター
まだ車の動力は無理でも自転車を漕いだ時のアシストぐらいなら大丈夫かな?
って、そう思って製作したの。長距離を考え無いから魔導発電機も小さく出来る
結果はOKだった。当然の様にチェーンの特許も取ってあるし、自転車自体も特許を取った。真似をしようにもキルヒアイス製の工作機械が無ければ製作は無理だ
これは魔導機関工房の第1部門の動力機関部門と第3部門の生活道具部門との合作なんだよ。軽便で単価も安いしね。最初はワインベルグ商会での近場の配達や人の移動に使ってデモストレーションをしたら馬鹿ウケだったよ。多くの人に利用して貰う為に商店用なんかにレンタルサイクルとして安く貸し出しなんかも初めて行った。馬車を出す程の距離でも無く歩くにはちょっと遠いなんて場所には三輪自転車は丁度良かった。乗車用に乗り合い馬車以外に三輪タクシー自転車もできた訳だ。軽便な移動手段として広大な工場区間の移動にも工房とか区間別に何台か置いて有る。
電動アシスト付きだから、もう身体は大きいけど、まだ冒険者にはなれない年齢の子供達を相手にタクシー運転手や配達員として沢山の子供達を募集をしたよ
勿論、大人でもOKだ。市内清掃の馬車の馬糞拾いの子供達からも応募がいっぱいあったしね。小遣い稼ぎの子供以外には孤児達がいた。
親を亡くした子供は、この異世界ではスラムでストリートチルドレンになって
人攫いに捕まって奴隷商会に売られてしまう場合が殆どだ
スラムも奴隷商会も無いアリスシティーでは親を亡くした子供達の為に領が経営する孤児院が複数有り、福祉は充実していた
そんな子供達から多数の運転手希望者が応募して来た。
普通は教会などがお布施などで経営したりするものだが、
まぁ色々あっておウチの領には光の教会は無いしね
だから領営の孤児院が在る。
そこの子供達の独立支援の為にも荷物の配達や乗り合いの三輪車タクシーは都合が良かった。午前中か午後からの学校の授業で昼食付きで働く(これは義務)
そんな働く孤児達や、まだ幼い孤児達は全寮制の孤児院で生活していた
その寮は一般的には四人部屋で個人別の簡単な机と棚がそれぞれに置いてある
それで働く子供達からは月に銀貨一枚を税金代わりとして聴取している
荷物の配送や乗り合い三輪タクシーでの月の稼ぎがチップを含めて月に金貨一枚程度だという。お金は貯めても良いし自分の為に使っても良い、でも将来の為に貯める子供が殆どだそうだ。みんな真面目よね。学校を卒業した後も職業訓練学校に行く子供はそのまま住んでも良い事になっている
学校では6歳から12歳まで簡単な読み書きと計算を習う、これが初等科だよ
12歳からは本人の望む専門コースに分かれる。将来、より専門的な学校に行く為の中等科、これが4年生だ。更により専門的な教育は高等科でこれも4年なの
6-4-4生かな。中等部では大きく冒険者、魔法、商人、農業、工業コースに分かれて学んでゆく。中等部を卒業して16歳に成ればこの異世界では成人となり多くの者が職に就く。中等部までが義務教育で全て無料だ。ただし特別な事が無い限り
4年間は領内での就労を義務付けられている。高等科からは有料だが成績優秀者には授業料免除の制度も有る。そして高等科は授業は午前と午後の全日だ
高等科は更に細分化されるのだが此処での説明は省くね。
そして急激な都市化と高い求人率による人口増加での治安悪化を防ぐ為にも
冒険者ギルド以外にも傭兵ギルドも出来たんだよ
領兵を増やすというやり方も有るけど傭兵団をそのまま直接ウチの軍隊として
雇うとね、軍備増強は謀反の疑いあり、とか言い出す煩い貴族もいるからね
(特にお隣とか❗️ 特にお隣とか‼️ 特に、お隣なんかね‼️)
だからあくまでも単年契約としての傭兵としたんだよ(まぁ毎年継続はするけど)
だから傭兵ギルドを作ってから、ある傭兵団を雇い入れたの。
その傭兵団とはスパイトフル傭兵団という名前なのね
お家の第二婦人にしてメイド長と神社と巫女を取り仕切る旧姓のアグネス・ロルア・シンメイのお兄さんがスパイトフル傭兵団の団長さんだったからね
オーガスト(名)・ロルア(家族名)・シンメイ(部族名)という団長さん
領主の第二婦人に自分の妹が収まっているのを知って凄くビックリしてた
まぁ人族の、ましてや貴族なんかは種族差別の権化みたいな人達が多いからね
特に光の教団の信仰に厚い地域なんかがそうだよね。
だから妹は第二婦人で甥っ子は領主の跡取りと遇されてるなんて、獣人の迫害の歴史から考えると破格の待遇なんだろうね。
そんなこんなで弟のトール・キルヒアイスは名誉団長となったのだが
名目上の団長では駄目だと、オーガスト叔父さんの元で扱かれる毎日だよ
そう言う訳でスパイトフル傭兵団の忠誠心は激熱なのさ
いずれ外野が煩く無くなったら、そのまま正規軍にするつもりなんだって
信頼とか忠誠とかは軍人には大事だしね
ウチの領では特に獣人族が差別無く働いているのも心象が良かったみたい
農奴は獣人族が多いし奴隷解放やっててよかった〜
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