第9章 鉱山開拓と鉱山列車の開発① 第46話
第46話 機関車を作るよ(アリス16歳)
有望な各種鉱脈の発見の報を受け、私は魔導機関工房の工房長で有る古代魔法に
詳しい魔法使いのサリエル翁の所に相談に来ていた。
ゴート親方の鍛治工房では鋭意、蒸気機関を開発中で有るが、
簡単な蒸気機関以外は、いまだ形になっていない。
スチームハンマーとかスチーム揚水機やスチームが動力の紡績機などは出来たが
機関車の蒸気機関という物は釜の内部の熱で水を通した蒸気管と呼ばれる細い管を熱して発生した蒸気の圧力で動輪への動力を伝えるシリンダーを往復させて、
クランク機構によって動輪を回転させて走行する。その熱に耐えらる蒸気管が上手く作れ無いのだ。釜の中での高温高圧で蒸気管が破裂してしまうのだ
だから私が例の空間魔法内の錬金術で機関車を全部作るか、どうかだった
出来れば今の工業レベルで量産化するのが一番望ましいと私は思っているが、
「ふむ、ふむ、成る程のぉ〜」説明を聞いてお爺ちゃんは言った
「部分的に手助けと言うか、分業にしたらどうかの?」
サリエル翁の話はこうだった。未だに制作不能な部分だけを私が作り他の部分を他人に作って貰えば良いと・・・
あまりに簡単な話しに目から鱗だった
なんとかこの異世界の現行技術のステップアップをして現在の技術で・・・
という部分に私は、こだわり過ぎていたのかも知れない。
この異世界は剣と魔法の世界。魔法の力を利用すれば良いじゃないの。
だから蒸気管を私とか他の魔法使いが作って他の部品は鍛治工房に任せれば良いと成る程ねぇ〜、それなら出来る様になるまで、その部分だけを作れば良いのだ
私の負担も減る、今の私は前世のブラック企業も真っ青の働き振りだったし
魔法大学に魔導機関工房に城作りと・・・ まぁ、半分以上は趣味だけどねw
でも前世で土木って、私そんな事好きだったけぇ〜?
まぁ、お城作りとか街作りは楽しいし、ねっ‼️
そうと決まれば話しは早い。早速、新しく作った機関車製造工場へと行って
各種素材を魔法の空間へと収納する。作るべき寸法は分かっているが工作図面を用意して貰う。それと魔法陣を組み上げて例のコピー魔法紙で模写をする
これで空間魔法と空間錬金術を得手してる魔法使いで有れば誰でも作れる。
後は人間3Dプリンターこと、アリスの出番だよ
空間魔法内の錬金術で蒸気機関の釜と蒸気管を一体整形で一気に作るのだ
結局、半日をかけて機関部の釜は10台分を作った、半日って、うん、チートw
細かい作業で結構魔力を使ったよ。でもそんなあなたに強い味方❗️
アーデルハイド印の魔力回復薬をグビリと一本‼️
まぁ、宣伝はこれぐらいでw
昔から私を知ってる人達は皆んな期待の目でキラキラしてるけど
新しく工場に採用された人達は目が点になってたけどね〜www
見本研究用に二台分と8台が実際の機関車として組み上げられる
それだけ有れば取り敢えずは列車の定期運行は出来るだろう
足りなければ追加しちゃうよ。人間3Dプリンターのワタクシがw
でも魔法陣の魔法紙も用意したから空間魔法と空間魔法内錬金術を持っている
魔法使いなら誰でも制作出来る様になったんだ
ウチの領には魔法大学もあるし魔法使いを高額で雇い大事にして手厚く保護も
してるから国中から魔法使いが集まって来るのは、また別のお話し。
空間魔法内の錬金術で錬成した機関車の機関部のスチームボイラー
それを鉄骨製の大きな工場の機関車製造工場に横たえる
天井には重量物移動用クレーンが備わっている近代的な工場だ
ボイラーを載せるのを待っている機関車の車台も何台か工場の隅に見える。
『これで良し』と心の中でガッツポーズを決めるアリスである
後は機関車工場のスタッフの仕事だ。重力制御で私が運んでも良いけど
それだと何の為に天井クレーンを付けたか意味が無くなるので、
そこ迄は手を出さないアリスであった。
でもクレーンも最初は木製の簡単なモノだったんだよなぁ、
とアリスはシミジミと思うのだった。
後は鉱山鉄道の開発だ。現在はお城からスグルト川の上流20kmまでは川沿いに
沿う様に土手が作られていて、その上の部分には複線の線路が既に出来上がっていた。その先端の工事部分が物資の集積所兼労働者の宿場街になっている
そこまでの物質輸送は線路用の貨物馬車が活躍しているし、水竜の牽く舟艇輸送も活躍しているが、水竜を使った貨物輸送は全部下流域に回そう
下流域への鉄道施設は後回しにしてるからね、今は鉱山鉄道に全力を傾けよう
うん、そうだそれがいい。列車は時刻通りの運行で行い、それ以外の急遽の貨物なんかは舟艇輸送を使おう。貨物便の使い分け、棲み分けだな
それで暮らしている人々も居るし、失業者が出ない様にしよう
舟艇便は水竜エクスプレスとでも名付けようかな?
取り敢えず、その貨物集積所まで貨物列車を通そう。その上流10km先に石炭鉱脈がある。石炭鉱脈の場所には貨物基地を作ろう。そこから石炭を上下に運ぶのだ
その上15km先には鉄鋼石鉱脈が発見されているからね。ここに製鉄所の高炉を作るのも良いかも知れない。現場でインゴットや鉄製品を作って運ぶのだ。
その上流7kmと15kmには金鉱脈と銀鉱脈が発見された。此処には警備を兼ねた砦も作ろう。野盗の襲撃とか野盗とか傭兵を雇った貴族共の襲撃があるかも、
いやきっとあるだろう。特に北隣のアグスタ領なんか遣り兼ねんわ。
A(諜報)機関の規模も拡大してるし、
情報収集能力からいって、奇襲を受ける事は無いと思うけどもね。
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