第8章キルヒアイアイス領開拓記11第45話

第45話 鉱山発見とその開発(アリス16歳)


なんだかんだと魔法研究大学と魔導機関工房と言う組織を立ち上げ

天、地、火、風、水の五大神の神殿建設が端緒に着いた頃、私アリスキルヒアイスは16歳になった。


普通の貴族の令嬢なら社交界デビューという名のお見合いだが、私は幾多の

お茶会等の誘いや見合いの申込などを華麗にスルーしていた

因みに貴族専用の学院にも行っていない (研究や仕事忙しいし、笑)

だって貴族の付き合いなんて嫌だし、面倒臭いが集団で来てる様なもんだし

魔法研究とお城作りや街作りの方が楽しいもん、絶対に‼️


そんな感じで魔法研究や土木女子を元気良くしてたら待望の報告が舞い込んだ

スグルト川の上流への探索チームから有望な情報が寄せられたからだ

探索チームには、これまた土魔法使いが大活躍‼️

なんつっても土中探索の土魔法はお大事‼️


探索チームは土魔法使いとドワーフ族の鉱山職人と護衛の冒険者で構成されて

隊列はキッチン馬車と貨物馬車と新開発の宿泊馬車とのコンボイだ

鉱山職人はゴート鍛治研究工房の親方の伝手で集まったドワーフ族の鉱山職人達それと土魔法使いのコンビって最強じゃん

尚、親方は親方だ。社長と呼ぶと拳骨が飛んでくる。ゴン(T^T)イタタ


そして探索隊の後を追う様にして鉱山への鉄道の施設も始まっている

まぁ、先行の探索チームの魔法使い達が馬車を通す簡易道路を作っているのも助かるんだとか、探索チームの補給物質は工事現場の補給物質と現場迄一緒に運ばれて来るから補給の手間も省ける。先行する探索チームと工事現場との先端では運搬用の馬車が往復している。


スグルト川の水流域とその上流のカグツチ火山までの広大な領地をキルヒアイス家は持っているの。多分敷地面積としてはオルザルド帝国一だと思う

大半は人跡未踏の魔の大森林の土地だけどもね。


そんなスグルト川上流域への探索チームの報告は領内の首脳部を狂喜されるものだった。だって、鉄鉱石や石炭などの有望な鉱物資源が発見されたからだ

それともっと凄いのが金鉱脈と銀鉱脈も見つかったんだって〜‼️

『きゃー金よ❗️金‼️ 銭の力は偉大や』と急に守銭奴っぽく心の中で呟く私

これで領内の開発には大いに弾みが付く。


但しこれは王家にお伺いを立てて、慎重に行われなければイケないとお父様と

お母様が、既にオルザルド帝国内では有数の経済力を持つに至ったキルヒアイス領だからこそ、嫉妬から来る妬みは怖いよね。


様々な領内の農産物や畜産物と開発中の港湾都市からの海産物。缶詰や瓶詰めなどの保存の効く加工食品類の数々、流通へのスピードの革命を起こすゴムタイヤと振動の少ないクッション式馬車やら井戸ポンプなどの様々な発明品が有るし

定番の石鹸は貴族用の香料入りと安価な庶民用の二本立てだ。


それと貴族の御婦人方用に新しく開発したお肌用の乳液

おウチの井戸水『低級ポーションの方ね』を乳化して香料を練り込んだ物

肌荒れと保湿にとっても良く効くのよ

廉価版は領内の女性達にも安く販売している

貴族用などの乳液は領内の夜のお姉いさん方も買い求めているが・・・

改良の為の使用後のレポート付きと言う事で割安にしている

レポートは誰が取るんだって? アリスは知らないよ

その方法はウチの領内の首脳部の殿方達が決めたそうだから(大笑い)

まぁ、実際にはお店にまとめて卸して店主が集めているらしいんだけどね

その分店主にも手数料が入る仕組みらしい。知らんけど。


それとおウチの領内では養蜂も盛んだから、王妃様や王女様などの王家専用にね

上級ポーション水でスペシャルなロイヤルゼリー入りの化粧乳液を作ったの

王家の紋章入りのとても高級感溢れる綺麗な化粧瓶で献上されている品物なのよ

その使用感とその後のお肌の状態に王妃様や王女様は大興奮だったとか

当然だけど領内のレティシアデザイン工房のデザインでシグムントガラス工房で容器は作られているの。勿論、王家の紋章の利用には事前に許可を取ってあるし

王家専用としての大事な意味も在るのよ

これは特別な王家への献上用として非売品としたのだから

王妃様より御下賜をされる場合のみにしか手に入らない品物って事

だから特別に王家の紋章入りなのね。


この意味を説明してた時のワインベルグ商会の会長さん悪い顔してたなぁ

アーデルハイド印の王家紋章入り化粧水はどんなに欲しくても

王妃様の御下賜でしか貴族の女性達は手に入らな品物って事なのよ

王家の発言権、特に王妃様の発言力を高める為の王家専用献上品って事ね。


でも一番の稼ぎ頭は棺桶に片足を突っ込んだお爺ちゃんでも、青春の熱き血潮が蘇るという例の滋養強壮ポーションだ。ワインベルグ商会の価格と品薄の操作で相変わらず大ミスリル金貨一枚(一億円)の高値を付けているのよ。男って馬鹿よね

勿論、その他のポーション類も稼ぎ頭の一つだ

何せおウチのポーション類が物凄く材料費が格安なんである

利益率がヤバいのよ〜


そんなこんなで経済力は王家や公爵家以上?次ぐ?の規模を誇っているし

出る釘は打たれるとの諺通りに慎重にやらねば、とはキルヒアイス領の首脳陣の共通見解なのね。だから私の叔父様である辺境伯ズワルド公爵家のラインハルトⅡ世様経由で王家にお伺いを立てているの

『儲けの五割を納めますので金山開発させて下さい』とね

四割がおウチで一割が叔父様の儲けなのよ。損してるって⁉︎

いえいえ後ろ盾と思えば安い物です。何せお家は新興貴族の成り上がりだもの

後ろ盾、大事(笑)


だって、北隣のアグスタ領なんて自分は男爵の癖に子爵の家を成り上がり者とか

露骨に馬鹿にしてくるんだもん

その癖に糞デ◯で超キモい長男との婚約を借金と共に申し込んで来るしね

それにスグルト川流域の両岸10kmはキルヒアイス領と定められたけど、その上流で金鉱脈が発見されたと分かったら、どんな難癖を付けて来るか分からないわ

一応、厚顔無恥なお隣さんの領地と接しているからねスグルト川は


だから最初から上がりの半分を『税として納めます』とすれば王弟陛下と

その一派(お隣のアグスタ領も一味ね)の横槍も防げるというもの

ウチの領は自由貿易領で帝国に納める租税も安いしね。だから必要経費よ。


キルヒアイス領は開発に次ぐ開発でお金は幾ら有っても良いのだけど・・・

人の気持ちとして妬みとかが一番怖いもの。




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