第7章 アリス村開拓記 第31話

第31話  アリス学校を作る。と新運河 (アリス12歳)


辺境領公爵様は無事に帰られた。それから2ヶ月後経った或る日の事

私は父のキルヒアイス子爵を探していた、ちょいと父に頼み事が有ったのだ

父はワインベルグ商会の会長さんと集会所で打ち合わせと称して飲んでいたよ


この村も色々、建物が増えたねぇ〜 広場を中心に建物の配置がしてある

集会所も広場に作ってあるのよ。公衆浴場も広場の近くに設置してあった

広場の周りには宿屋や食堂など各店舗も並んでいて、ワインベルグ商会もそうだ

これは本社になったので増築している、商会には石鹸研究工房が併設されている


アリスの新しい家の前には大きな広場は拡がっている。


広場の中央には大きな天龍神社を中心になる様な配置だ。隣りは地龍神社だ

神社の中には例の空間収納内錬成加工で作るアリス力作の大きな天龍様像が設置してある。水龍神社は新しく建て直し、鯉狛を祀ったのが川辺りの元祠の跡に

あるんだよ。鯉狛とは狛犬の代わりに鯉が祀ってあるものだよ

クリハシくんと出会った時は修行前の未だに鯉の頃だったからね。


他にはエルダー工務店、ここには材木ギルドと大工ギルドが併設されている

ゴート鍛冶研究工房にシグムントガラス研究工房、オードリータイル研究工房

などの店舗もある。何故、研究工房なのかと言うと新商品を開発する為の研究

施設になってるんだ。


生産施設はアリス運河に併設する形で新たに動力用水車用の運河を引いて

そこに集めているんだ。動力用運河はアリスとエルダー工務店の娘グレース嬢と土魔法を駆使して突貫でやったヤツ、なんと二人で三日で完成だよ

大量生産する為の施設は新設のアリス工業用運河沿いに設置してあるんだ〜 


それでレイアウトを変更してアリス運河の変更と新設をしたんだよね

運河は合計で4本になるんだよね〜


元々のアリス運河と旧オリエント村用の運河が有ったよね

それでアリス運河に併設する形で新設したのが幅10mの工業用水運河なんだ

もう一つこれは工事中だけど旧オリエント村に方面に向かう農業用水に並行して新設工事をしているのが貯木場(新規)に行く運河で、これは幅20mもあるんだよ。


これは対岸の魔の森を伐採した木材を貯木場まで運ぶヤツさ

工業用水と運搬用の運河には普通にスクルド川の水が流れている

運河の変更は二人でやると早かった。


グレース嬢の土の魔法の練習にも良かったしね。お嬢と私で

今や大地の加護持ちの土魔法使いで土木のガテン系少女が二人になったんだよw

少しは目立たなくなったかなぁ、なぁんてね

でも、やっぱり目立つ? 私は可愛いし美少女だからね、お母様のDNAに感謝だ


工業用運河の生産施設の横には工業用水排泄用の下水も設置したんだ

これはスクルド川に還流する前に一旦プールするのよ、環境大事だからねw

下水処理はこの異世界ならではのスライム処理なんだな

うん、やっぱり剣と魔法の世界は凄いよなぁ〜


スライム処理は各家庭や事務所などの水洗トイレ⁉️にも導入しつつあるんだ

これの下水処理場は今新たに作っているんだ、大っきいのだよ。

スライム捕獲の依頼は冒険者ギルドだよ、勿論さ〜


水洗トイレの普及は養蚕場や牧場での糞で硝酸の開発に目処が付きつつあるからだよ。もう、これを始めて三年かぁ〜

(硝酸は火薬の開発に必要な物なんだ)


そんなこんなで発展してるアリス村はオリエント村と今度合併する事になっんだ

子爵への発表があってから、村長が頼み込んで来たんだよ

その頃にはオリエント村の農民は殆どアリス村所属の小作人になっていたしね〜


自分の土地を持っている農民は殆ど居ない時代にワインベルグ商会を通して

農地を買い漁り、元々そこで農民をしてた者に土地を分け与えたのだよ

貸与は年三割の年貢で、自分の土地にするなら年五割の年貢を10年と納めれば

自分の土地になるという、中々に破格の条件だったんだ

殆どの農民達が自分達の土地になる方を選んだよ。


旧オリエント村の農地に流す用水路には水の宝珠からの流れを加えたよ

元々水門一緒だしね。痩せた土地から水龍の加護の水と豊穣の女神の加護の有る豊かな土地に変わり農民達は泣いて喜んだという話だ。


もうアリスは近隣の農民達から幸運の女神様扱いだよ。


アリス村とオリエント村が合併する事になって領都たるアリス村は市に昇格させるって、それで新名称を募集したら段突でアリスシティーだったのwww


集会所も大きく増築したし、農民達用の大浴場も二つ作った

それに養蚕農家は本格的に稼働を始めた

今度は製紙工房や機織り工房も作ろうと思っている。


今やアリス村も合併して領都の街へと昇格するしね、アリスシティーの誕生だよ

そう思って村を見回すと足りない物があった、その為に父を探していたのだ。


「キルヒアイス子爵様、お願いがあります。」と言うと。


「なんだ、今度は何の悪巧みだ」やっぱ、父ちゃん酷い

「学校を作ろうと、思います」

直ぐにワインベルグさんが食い付いた「成る程、人材育成という分けですな」


うむ、と言う顔で頷く父親だった。


今までアリス紅蓮団を新たに農民として入植した子供達を中心に

お母様と父ちゃんが魔法や剣技とか読み書きと算術は教えていたけど

あくまでも私塾だ。それを無料の学校を作ろうと提案したよ。


「ハイ、子供達には無料で開設しようと思います」

「それに大人達の職業訓練校を」

ふむ、ふむという顔して、ワインベルグさんが言った

「成る程、青田買ですな」ワインベルグさん酷い事言うね、その通りだけど

それに商人だけあって良く判ってる。


そう、この異世界で子供は一家の働き手でもある

だから子供に教育というのは一部の商人や貴族ぐらいしかしない。


だからオリエント村などは、ちょっと前には物納や物々交換とかがメインだった

冒険者ギルドや、その周辺だけしか貨幣経済が回っていなかったんだ


それがアリス村を中心に経済が回って現金が動くという貨幣経済に変わっていったんだ。簡単な算術が出来れば正当な値段での正しい取引が出来る様になる

搾取されずに庶民が安心して買い物が出来る経済がアリス村から始まっていった

それで中間搾取も減るだろうし、また無駄な中間搾取を減らす事でコストUPも、

図れるし、貧乏人だけが馬鹿を見るという取引も減るだろう。

(高級ポーションはいいのよ、金持ち相手だしw)


アリスシティーでの工事日当は基本小銀貨一枚、技能職には小銀貨ニ枚を

支払っている。工事関係の日当は日払い制なので、彼等からすれば高額だ

だから大人達の稼ぎだけで、一家が食べられる様に成っていた

それまでは銀貨一枚有れば一家四人が1ヶ月暮らしていける物価だった


それに土地を持たない雇われ農夫もこの地に多く流れて来ている

農奴とあまり変わらない暮らし、季節毎に各地を渡り歩く農業繁忙期は何処かの

大農家(庄屋みたいなもん)で働き、農閑期は何処かの領主の公共事業で働く

そんな渡り歩く季節労働者達がキルヒアイス領に集まって来ていた。


流れの農民は一括でキルヒアイス家から一日の日当小銀貨一枚で雇っている

賃貸用の安い集合住宅も完備しているし、今までの彼等にしてみれば天国だろう


だから、両親共働けば結構な収入になるし、片親でも働けば暮らしていける

なんせ、一家四人が小銀貨十枚有れば一ヵ月暮らしていけるこの世界だ

キルヒアイス領は、ちょいとインフレ気味だけどw

でもキルヒアイス家の大農園と大農場のお陰で食べ物は安いんだ。


それに技能を持つ人が高額となれば、誰でも技能を習得したくなる

それだけ高度な技術者も増えるということだ

そこで大人の職業訓練校と、子供達に基本教育をする事を提案したのだ。


手に技能が無いけどやる気ある人は午前中の半日働いて午後からはお勉強する

働きながら技能を学び日当を貰えて給食でお昼も食べられる

しかも日当は青銅貨5枚とそれなり良い、そんなシステムを提案した


アリス村の農業は根本的に今までとは違うしね

種を蒔いたら、お終いでは無いのよね〜 撒いてもずっと面倒をみるのよ

雑草を取って上げて、適度に水と肥料もあげる水も天候頼みじゃ無くて自分達で

これだけでも随分と違う、それを学ぶのだ

幼い子供達は基本的な読み書きと初歩の算数を教える予定だ。


これで悪徳商人の「ハイ初め、一、ニ〜九、ハイ終わり」なんて落語みたいな

詐欺紛いの手口で数を誤魔化されれる事も無いだろう

基本教育に2年それが終わる度に2年毎の高等教育に移行する内容にするんだ

歴史、外国語、礼儀作法、魔法、体術、剣技などなど。段々と内容も高度にする


教える事は幾らでもある。そして適性にあった道へ進める様にするのだ

手先が器用ならば、それに適した職業を。算数と外国語が得意なら商人へと

勇気を求めるなら冒険者や魔法使いに騎士なんかもいい、そんな事をお父様と

ワインベルグさんに語った。


季節労働者達も定住し易い条件が整って、それで質の高い領民も得られる

因みにアリスシティーの定住している人口は1000人だったが、

流入している人口は、これが5倍の5000人だった

これが全部定住すれば、いったいどれだけのパワーになるのか

つい三年前までは人口500人程度の村だったんだぞ




「それにお父様には、領民に対する責任がございます」

うん、そうだよ。だって父ちゃん子爵様だもの。












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随分と変更点が多かったです、それだけ読み難いかったと言う事ですね。

反省しきりです。


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