第6章 巫女さんと名付け親 第26話

第26話  天龍様の恩恵と豊穣祭


ウチに帰ってお母様と相談をした。


狛犬の代わりの狛鯉を作るのは良いして、天龍様をどう祀るかだ

天龍像を新たに作るのは決定として、祀る場所はどうするの?

スグルト神社で良いの?なんて話してた。


そこへ帰って来た父様曰く村の広場に天龍様の像と神社を作ろうと言い出した

神様になったのだから、それぐらいして当然だと

それに水の宝珠の事もあるだろと、ちっちゃい声で。


そりゃそうだアリス村の繁栄とキルヒアイス領の繁栄の基本となったのは

全てが天龍様の水の宝珠が始まりだった、それぐらいしないと罰が当たるわな。


農民は土着の信仰心が強い。太陽に大地に水

いいよ、いいよ、村人達に大いに崇めて貰おうじゃないか。


エルダー社長の所に行って広場の天龍様の神社を作ってと、お願いしに行こう

天龍様の像は大変でも、私が作ると伝えてに行ったらエルダー工務店の店中が

大騒ぎになっていたよ。だってそうでしょ、娘が土の巫女さんを務めます

と報告に行ったら土の精霊の名付け親になって、地龍のシブ・ウルルちゃんを

使役精霊獣にして土の上級魔法を使える様になったんだから。


エルダーさんは私と秘密を守る魔法契約を交わしている仲間だから

現在有るアリス運河を私が魔法を使って一人で作った事を知っている

まぁ今では誰でも知ってる事実なんだけどね。


だから自分の娘が土の上級魔法を使える様になった事の意味がわかるんだ

工事費が何よりも安く上がるし、それに早く終わるよね

グレースに他の魔法の適性があるどうかは、後でお母様に調べて貰おう

もし使えたら、私の負担が減るしw


お母様は私とは魔法の経験値が圧倒的に違うし、知り合いの魔法使いさんも

多いしね。でも光の教会は、なにかと面倒臭いしな〜


魔法紙を大量に購入してるお得意様だし寄付をたっぷりとしてるのだけれどね


アソコは光の神を絶対唯一神として崇めているからねぇ

ほら、アリス村って多神教に近いじゃない

村人達は水の精霊の水龍さんと地の精霊の地龍さんを崇めているし

最近はそれに昇格して神様になった天龍スグルト様が加わった

天に水に土の精霊を崇め奉る土地だもんね。


それが気に食わないらしいのよ

光の教会って、教えが一神教で御本尊様とかは元々、人間だし

人類が絶対優越種と考えている所だかねぇ (遠い目・・・)


光の宝珠の儀式が無ければ、行く必要も無いしなぁ

なんか、アソコの司祭が私の事を悪魔の娘とか言いふらしていると言う噂も

ちらほら聞こえてくる


『悪魔の娘、異能の娘、いずれ人間に仇なす存在』とかね

まぁ魔法で盛大にやらかしているからねぇ、だからお母様が今まで人前で自分の

能力を見せたら駄目❗️と言ってたのも凄く良く理解できる。


まぁ、オリエント村の教会での一番の寄付者の娘を悪様に罵るのはどうかと思うと言ってくれる人達も居るが・・・・

人は、いつ何処で、どういう方向に転ぶかは分からない

まぁ、オリエントの村を境にしてコッチはアリス村だし、キルヒアイス領だ。

私は領主の御令嬢だし村民達の尊敬も凄い、あまり悪い影響はないだろう。


一応、お父様が冒険者ギルドを使って色々と光の教会と神父の事を調べているのは知っているから、今は黙っておこう。


ウチのバッグにゃ冒険者ギルドに商業ギルドそれに鍛冶屋ギルドが

付いているんだぞ。 プンスカ‼️


あっ、最近はお父様とワインベルグさんとエルダー社長が組んで建築ギルドと

材木ギルドを作ろうと、しているから

もう二つバッグが出来るぞ。お金の力って凄いんですよ〜だ。


材木ギルドはねぇ、スグルト川を使った水運で運んだ材木を他に売ろうと言う

お話しだ。キルヒアイス領での建築材料の材木も多数必要だし

川の渡しの新造の木材運搬船は、その為の第一歩なんだ

(特大発←これ分かる人どれぐらい、いるのかなぁ?)


問題は動力なんだよねぇ、一番の近道は蒸気機関なんだけど

まだ工作技術が、そこまで進んでいって無い。


鍛冶研究工房のゴート親方も頑張っているけどねぇ

私が魔法の収納魔法内加工をして作ったとしても意味が無いしね

まぁモデル品を作って研究させるにはいいんだけどさぁ

工業製品じゃ無いと駄目だ、工業ベースで量産できなければ意味がない。


農具や板バネやスプリングを鍛冶屋の手工業で作っている状態ではまだ駄目だ

まだまだ鍛冶工房も機械を作る為の機械の部品を試作品で作る感じだし


剣なんかの武器なら私の鍛冶スキルで物凄い物が作れそうな気がするがw


量産品じゃなきゃ、あんまり意味ないもんね、私の個人装備だったら有りかなぁ

あっ、ご報告があります。水の宝珠を貰って一年が経ちました

我が家の井戸からは低級ポーションの水がこんこんと湧いてます。


なんかねぇ、ウチのお母様とアグネス(第二婦人)が凄く若返って肌とか綺麗に

なったの、だって毎日そのありがたい水を飲んで、ご飯を作り食べて手や顔を

洗いお風呂に入っているんだもんねぇ。


冒険者達が普通に使う低級ポーションだよ

考えてみればウチの農作物と家畜もそうだよね

大宝珠の水を用水路で引いて使っているから良く育つし、味も美味しいって

だからアリスブランドになっているし。


痩せた土地と言われてた場所なのに、恐るべし。水の宝珠‼️

水の宝珠と豊穣の女神の加護が有り今は追加で地の精霊の加護がWだし

天の加護で天候不順は無くなるだろうし

加護の増し増し効果で作物等の取れ高は同じ耕作面積の三倍だし

そりゃ、大入り袋も出るし、盛り上がるわな。


どんだけぇ〜‼️って叫ぶ、おじさんのおばさんが現れそうだな。


それで収穫祭アリス村は今日は仕事は全部休みです。祭日だ。


しかも大入り袋も出たよ(これはアリスのアイデア)

大人も子共にも一人づつの銀貨1枚が入っているという大盤振る舞い

ボーナスとか大入り袋とかの文化が無い異世界です

物凄い馬鹿受けで喜んでくれた、まぁ滋養強壮高級ポーションを一本売れば

お釣りが来るよwww


先ずは、神様と精霊達に供物を捧げ、アリスとグレースで祝詞を捧げる

そして工事の安全祈願をエルダー社長が粛々と取り行う


それの後は辺境領の領主様である公爵様の挨拶となる

元冒険者の父様は質実剛健がモットーだ、村長や地方の名士をすっ飛ばし

自分の挨拶もすっ飛ばしての公爵様だった。←ただ単に逃げたとも言う。


いきなりのラインハルトⅡ世公爵様の御挨拶だったよ

なんと辺境公爵様のラインハルト公爵様が地方の祭りに赴いてくれたのだった

まぁウチの寄親ではあるが普通は公爵様が田舎の祭りなんかには出席しないぞ

一般人庶民には遥か彼方の雲上人の登場である。


まぁ、経済発展著しい領と村への視察という名目だけど、本当の目的は

なんと言ってもポーションが目的だろ‼️






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