第3章 アリスとオリエント村 第11話

第11話 光の宝珠の儀式


この異世界では日本と違う文化の『光の宝珠の儀式』という儀式が有る

それは、その人物に適した職業を10歳になったら

光の教会と呼ばれる場所で占う事だった。


とても高いんだって、普通の家族四人の二ヶ月分の食費ぐらいと聞いた

だから貧乏な家底は光の宝珠の儀式をやらない所も多いらしい。


この世界の成人は15歳なんだけど10歳で職業適正が教会で記されて

子供達はその職業に向けた訓練や勉強をするんだって。


自分の将来を占う大事な儀式なんだよ

この異世界では、ほぼコレで一生が決まる事が多いらしい

それを考えると、日本では職業選択の自由が有って良い世界だったんだなぁ

と、しみじみと思う。


魔法使いとか冒険者とかの職業は無かったけどね

偶に人生の途中でジョブチェンジが可能な人も居るらしいけれども…

でも大半の人はこの儀式で授かった職業に就く。



10歳になった僕のステータスを教えるよ


名前 アリス・キルヒアイス

種別・人種(エルフとのクォーター)   

性別・女性  年齢・10歳

クラス  農民の娘

HP 1000 (大人の男性で1500ぐらい)

MP 2000 (魔法使いの熟練者レベル)


魔力循環レベルC (俗に魔法使いレベルとされる)

風魔法 レベルB

    使用魔法、エアークッション、ウィンドカッター、ウィンドニードル

土魔法 レベルB

 使用魔法、アースクリエイト(土を耕す) アースエコー(土中探査)アースウォール(土の壁)

火魔法 レベル5【カンスト後レベルCになる】

 使用魔法、ファイアボール、ファイアウォール

水魔法 レベルC

 使用魔法、クリエイトウォーター、ウォーターシャワー、ウォーターウォール


常時解放スキル『娘は可愛い💕無双‼️』→『うちの娘は凄い』に変化

スキル異世界言語 スキル耐性 スキル工作 スキル身体強化


装備アイテム 素振り棒、農業用のアリス専用クワ、農業用ピッケル


【アリスの世界では適正を得てから10段階で上級魔法になる最初の階位1〜5は生活魔法レベル5以上から攻撃魔法が使える。カンスト後は上位魔法になりレベルCから始まりC→B→A→S。必要経験値はそれまでのカンスト前の10倍から段階を経て倍々と上がっていく】


とまぁ、10歳にして、とんでもないステータスだったんだ

だから人前での魔法はお母ちゃんに禁止をされていたし

このステータス画面は、どうやら僕独自のものらしいんだな


お母ちゃんは魔法使いでもあったから

僕の魔力量の異常性と使える魔法の種類には気が付いていたみたい

だから光の宝珠の儀式の前に首飾りをプレゼントされたんだ。


後で知ったけど認識阻害の魔道具だったみたい


そんな事も知らずに僕はワクワクしてたんだ。気分はアゲアゲ

職業は剣士かな?冒険者かな?と暢気に思っていたんだ。


そんなこんなで珍しくおめかしした僕は両親に連れられて村の光の教会まで

やってきました。随分とお金のかかった教会の建物の中は厳かな雰囲気です。


まぁ大抵の場合は権威を見せつけて信者を平伏さす為の大袈裟な装置なんだと

僕は思うけどね。信者から寄付を集めまくっているんだろうなぁ。


祭壇の中央に偉そうにしている司祭が居て、その側にシスターのお姉さんが居る

その祭壇には薄ぼんやりと光る光の宝珠と呼ばれる物が置いて有る

そして司祭の前の机には魔法紙が置いて有る

色々な魔法が掛かっている高価だという特別な魔法紙だ。


光の宝珠から得た情報を魔法紙に適した職業が記されると言う物

光の宝珠で行う魔法の自動書記という物らしい。


ただでさえ神童と村で噂されている僕だ。期待は高まる

畑では、大人並みに働くし剣の技術も中々で、それに魔法も使いこなしている

何せ先生は元冒険者の戦士と魔法剣士だし


まぁ、お母ちゃんが魔法を「人前で、みだりに使ってはいけません!」

と、釘を刺され、人前では使用禁止になっていたけれども・・・


生活魔法を使えるのが常識のこの異世界

だけれども、釜戸の火おこしとか、畑を耕し易くなるとか、水を出したり

水の在処が分かるとかその程度なんだ。


大気中の水分を集めて水を撒くレベルの魔法になると

水魔法でもレベルの高い人じゃなきゃ無理だし

ウォーターシャワーで水を撒くとなると魔法適正は8は必要ということらしい。


だから水魔法レベルCで畑に水撒きしてた僕は、かなり特殊な子供だったんだ。

それで、人前での魔法は禁止だとお母ちゃんに強く言われたんだ

僕みたいに全属性魔法が使えるというのは珍しいらしい。


また魔力量のMPが熟練の魔法使いと呼ばれるレベルだと言う事もある

もっと上の大魔法士レベルになると、どうなるか?


大魔法士レベルの人だと下手をしたら国に管理されるらしいんだ

そんなの自由が無いじゃん

まぁお母ちゃんの場合は優れた魔法剣士でも冒険者だったから

ギルドから保護されていたって事らしい。


生活魔法も有って便利な世界だけれども

例えば火魔法は釜戸に火を付ける程度で、そう何回も使え無いし

火魔法の攻撃なんて魔法使いレベルじゃ無いと無理なんだって❗️


魔力量が少なくて、生活魔法も使え無い人も多く居るし。

それと結構、魔法で生活が賄えるので意外と文明水準が低い事だった。


算数も単純な、足し算、引き算しか無いしね

もし暗算とか掛け算の九九とか僕が言い出すと大騒ぎになる事は間違いなし‼️

願いましてはなんての暗算なんかは御法度だよ。


だから、前世での知識や知恵は今はあんまり出さないようにしているんだ。


僕には夢が有る。戦士や剣士として冒険者になる事だった

だって異世界だぜ❗️異世界‼️

魔物退治や、ダンジョンの冒険が有るじゃないか。


僕は武将侍として名を馳せるのじゃ〜‼️ そんな名称は無いが…


そんな事を夢見る乙女だった。(自分で言ってて恥ずかしいw)

何せ精神年齢は前世+異世界合わせて38歳のアラフォーだからね。


そんなこんなで小さな胸を期待に膨らませて・・・

光の宝珠へと手をかざしたんだ。





----------------------------

☆マークや♡マークを押して、温かく応援して下さると、とても嬉しいです。

読んで下さる全ての皆様に感謝いたします。


応援して下さる皆様がいてこその創作活動の励みになっています。


これからも、どうぞよろしくお願い致します。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る