第178話 反魂玉、再び

「どこでこれを!?」


「いや、今ヨウちゃんが言ったじゃん」


 驚く僕にオペラが至極真っ当なツッコミを返す。


 ——驚きすぎて慌てた。


「さわってもいい?」


「どうぞ」


 ヨウコさんは僕の手に『反魂玉はんこんだま』を渡してくれた。指先でつまんで、曲垣まがきくんと二人でしげしげと眺める。


 曲垣くんが持っているものとすごくよく似ている。違うのは曲垣くんのものは力を失っていて、飾り玉にするために穴を開けられている点だ。


 ただ、なぜか僕にはこの『反魂玉』には鬼の持つ不思議な力——鬼力きりきが残っているのが感じられた。


 曲垣くんも僕と同じらしく、僕を見てうなずく。


「僕も曲垣くんもこの『反魂玉』に鬼力が込められているのを感じるってことは——」


「この街に鬼がいるということか」


 半ば断定するように曲垣くんはつぶやいた。




 つづく

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