第172話 ヨウコさんに起きた出来事1
ヨウコさんが座っていた四人がけのテーブルに移動する。オペラが気を
「
「おい、お前」
「はい、ピーのホットコーヒー」
「お前、こいつの事は『篁君』と呼ぶくせに俺のことはなんでそう呼ぶ?」
「親愛の表現でッス」
「嘘つけ」
オペラと曲垣くんのやりとりを見ていたヨウコさんがくすりと笑う。赤い唇が印象的だけど、笑顔は少し子どもっぽさが残っていた。
「で、何があったんですか?」
僕がコーヒーゼリーの上のソフトクリームにスプーンを入れながら切り出すと、彼女は真顔になって話し始めた。
——私はオペラが働いていたお店でバイトしてたんですけど、ええ、今はやめちゃいました。
うーん、理由?
そうですね、私のお客さんが二人、突然襲われて変死しちゃって、怖くなっちゃったのが一番の理由です。
犯人? まだ捕まってません。
そのことが相談したいことなんですけど……。
え? いえ、その、見ちゃったんですよね、犯人を。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます