第171話 全てオペラの企みか?

紫堂しどう、お前、僕たちのことをなんて説明したんだ!?」


 てっきりオペラの付き添いのつもりで来たのに、なんか僕と曲垣まがきくんが相談を受ける事になっている。


 少なくとも彼女——『ヨウちゃん』はそのつもりらしい。


 オペラは悪びれずにテヘヘと笑って誤魔化す。


「だってさー。ボクの頭じゃ難しすぎてぇ。たかむら君達ならなんとかなるかなって」


「しかも曲垣くんも来る前提じゃないか。どうなってんだ」


 曲垣くんは偶然僕のうちにやって来たのに、まるで最初から一緒に来るのが決まっていたみたいだ。


マガピーは」


「やめろ」


「ピーはいつも第一土曜日と第三土曜日には遊びに来るんだよ。知らなかった?」


「知らなかった……」


 たまに来てくれるけど、規則性があったとは!


「ちょっと待て。今、俺のことなんて呼んだ?」


 無表情で凄む曲垣くんにペロっと舌を出してかわい子ぶるオペラ。どこまでものらりくらりとかわして行く根性は見習いたい。


 いや、それよりもちゃんと否定せねば。


「ぼ、僕らはただの高校生で……事件の解決なんてしたことないです!」


「でも、すっごく強くって、頼りになって、オペラのことも助けてくれたと聞いてます」


 ヨウコさんは困ってしまって、グレーの瞳でチラチラとオペラに助けを求める。当のオペラはいつものヘラヘラとした顔で、


「話だけでも聞いてよ〜、お願い!」


 と手を合わせてくる。


「わかった、ホント聞くだけだよ」




 つづく

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