第167話 珍しいメンバーでお出かけ


 門を出ると、ちょうど坂道の下から誰かがやって来た所だった。


 スラリとした長身に真っ黒な髪、肩には茶色の竹刀入れをかけている。


曲垣まがきくん!」


「なんだ、出かけるのか?」


 曲垣くんは僕の隣のオペラを見てそう言う。オペラは相変わらずヘラヘラとピースサインを送っていた。


「曲垣くん遊びに来るなら連絡してよ」


「面倒だった」


 あまりにも居合の事以外はめんどくさがり過ぎないか?


「僕が居なかったら無駄足じゃないか」


「会えたからかまわんだろう」


 結果としてはそうだけど。今からオペラの友達に会いに行くのだと説明すると、曲垣くんは少し首を傾げた後に、僕らに同行すると言い出した。


「聞けばお前は派手頭こいつの付き添いなんだろう」


 まあそうだけど。


「じゃあ用事が済んだらヒマじゃないか」


紫堂しどう、曲垣くんも一緒でもいい?」


 オペラにそう聞くと、いつもの様に軽く返事が来た。


「いいよー。曲垣くんの方が頼れるかも」


「おいおい、それはないだろ」


 あはは、と明るく笑いながらオペラは先頭きって歩き始めた。




 つづく

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