第98話 手帳の中の世界4
姉はそう言ったが、
「きっと近くにいるわ。
佐和の勘は当たっていた。
榑松孝之は近くの商店街の古本屋に身を寄せていたのだ。佐和から話を聞くと、孝之もまた血の気のひいた顔で身を震わせた。
——ああ、この人もお姉様のことを。
しばらくして孝之は顔を上げた。しっかりとした意志の宿る瞳で、
佐和に依存は無い。
日が暮れる頃を見計らって、佐和は孝之を
「な……ぜ……?」
驚く要の手を取る孝之の様子を見て、佐和はようやくほっとした。
——これでお姉様は大丈夫だわ。
逃げる為の軍資金に、自分のお
父と——結婚相手の成金、
——いけない!
佐和は身を
「お父様と——沼田さんが来るわ!」
つづく
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