第89話 僕の目標は
同い年のオペラがバイトして食い
僕にたまに乗り移って来る『
まずは初段を目指して稽古をしている。二段の
その日も相変わらず
稽古が終わり——正座して挨拶をすませる頃、美紅が落ち着きなくキョロキョロとあちこちを見回しているのに気がついた。
「何? 何かあった?」
「いや……気のせいかと思うのだが……鬼の気配というか、何か鬼の
「鬼のイブツって何?」
「鬼の持ち物——とか鬼の作った物とか……鬼の匂いが残った物というか」
少し鼻をひつくかせて視線を
真似してみても僕には何もわからないけど。
「うむ、この近辺に、鬼に関わる遺物があるのは間違いない」
美紅は確信したらしく、鬼の遺物とやらの気配を追ってふらふらと道場内を歩き出す。
目指すは
「待って! 美紅、開けちゃダメ——!」
つづく
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