第86話 だから勝手にやって来るアイツは誰なんだ
公園を出ると、
「一志?」
「え? あ! 戻ってる!」
その台詞に今度は美羽とオペラが驚いた。
「もしかして」
「
ありがとー、と言いながら抱きつくオペラにびっくりしている一志を見ながら、美羽はどこかへ帰ってしまった一志に向かってつぶやいた。
——また会えるよね。
「えーと、そういうわけで彼をウチに泊めてあげるわけにはいかないでしょうか?」
意識を取り返した僕は、篁家の座敷で母さんに頭を下げていた。座卓のこっちには僕と美羽と
そっと下から覗き見ると、母さんは相変わらずおっとりとした感じで首を傾げている。
なんたって今度こそ正真正銘の家出少年を連れて来たんだからそりゃ怒るだろう。
「……か」
「わかりました」
「母さん、ありが……」
「ただし条件があります」
つづく
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