第84話 執着。
梅雨の時期、あの日も大雨が降っていた。
静寂が流れる家。いつも俺を待っていたカナンはお母さんと病院に行って、今は俺一人…部屋の中でじっとしている。
「はあ…」
ため息ばっかり…。
そう言えば、最近はほとんど俺の部屋で寝てなかった。
いつもカナンの看病をしていて、薬を飲ませたり…、体を拭いてあげたりしてたからな…。部屋もお母さんが片付けてくれたまま…、二人が帰ってくる時まで時間があるから…ベッドで少し目を閉じることにした。
「……ちゃん」
「……うん…」
「お兄ちゃん〜」
どれくらい寝たのか分からない、目が覚めた時はびしょ濡れになったカナンが俺を起こしていた。しかも、制服なんて今日は学校にもちゃんと行ったんだ…。中学生になったカナンは今うちの学校で一番可愛い女の子だって、隣の席に座ってるやつが教えてくれた。全然知らなかったけど、初日からけっこう告られたって噂も広がっていた…。
いつの間にか、クラスの男たちに俺とカナンの関係まで知られているこの状況。
俺は一人で十分だったから、そんな話には気にしていなかった。
「うん。カナンちゃん、お帰り」
「私濡れちゃった…」
「そうよね?お母さんは?」
「えっと…、すぐ仕事に戻っちゃって…」
「じゃあ…、まずは服を着替えようね」
「うん…」
箪笥から着替える服とタオルを取り出して、お風呂の準備をしているカナンに声をかけた。
「カナンちゃん?着替える服とタオルはここに置いておくからね」
「……」
「カナンちゃん?」
「……」
沈黙…?シルエットはちゃんと見えるけど、何も話さないカナンが心配になって…少しその扉を開けてみた。
「えーいっ!」
「えっ…?カナンちゃん?」
すると、シャツを脱いだカナンが俺の腕を抱きしめる。
「びっくりした…。中にいるなら答えくらいはしてくれない?」
「心配してた?」
「当然だろう…?病院から帰ってきたばかりだから…」
「フフフ…、いいね〜」
「何がいいね〜だ!」
「じゃあ、私のことが心配になるから…。お兄ちゃんも一緒にお風呂入ってくれるよね?」
「こ…断りたい…」
「そんなことが許されると思うの…?」
「いや…」
嫌とか出来ない、そして断るみたいな言葉はカナンに通じなかった。
いつも優しい顔で笑ってくれるけど、その中にあるカナンの本性はちょっと怖い。こっちを見て「服を脱がして…」と言うカナンは、わざわざ俺に恥ずかしいことをさせようとしている。目の前で微笑むカナンは自分がこんなことをした時に、俺のモノが反応しているのを楽しんでいた。
グッ…。
そしていつも通り…、勃ってしまった俺のモノを握り締める。
「痛い…?」
「い、痛くはないけど…」
「ないけど?」
「……」
「そうだけ…?お兄ちゃん、私に言いたいことはないの?」
「……知らない」
ギュッ…!
「……っ」
握り締めたモノに力を入れるカナン。
その痛みにびっくりして、外したブラを床に落としてしまった。
「私が聞きたい言葉、お兄ちゃんなら知ってるんでしょう…?」
「……」
「早く言わないと…、折れるよ…?」
「き…、気持ちいいよ。カナンちゃん…」
「へへ…、気持ちいいでしょう?お兄ちゃん…変態…」
「……」
「早く下も脱がして、今日はお兄ちゃんとゆっくり入るからね?」
「うん…」
真っ赤になった顔で、俺はカナンの制服を脱がした。
「入る!」
「うん…」
俺も服を脱いでから、その中に入る…。
湯気が立つ狭い風呂場。こっちを向いているカナンの髪を洗って、次はその体を洗う順番だった。今まで見てきたから慣れているはずなのに、ボディータオルを持っていた俺はカナンの裸にためらってしまう。
「お兄ちゃん、何してるの…?」
「いや、なんでもない…」
「体冷えるから早く洗って〜」
「う、うん…」
「お兄ちゃん…、元気すぎ…」
「み、見るな…」
「じゃあ、早く洗って!」
体の隅々までちゃんと拭いて、俺の手がカナンの肌に触れていた。
自分もこんなことをされたら恥ずかしくなるくせに…、なんで自分の体を大事にしないんだ…。俺がカナンの胸とアソコまで触ってるのに…どうしてそんなに気持ちいい顔をしている…?俺に触れるのがそんなに好きなのかな…、カナン。
「うっ…、タオルより手で触るのがもっと気持ちいいかも…」
「変なこと言わないで…、体を洗ってるんだろう…」
「チッ…」
と、言いながらこっちに体を近寄せた。
「カ…っ」
また…、キスされてしまう。
風呂場の床は冷たいのに、カナンは俺を倒してから自分が満足する時までキスを続いていた。片手で俺のモノを触る感触と、俺の腹に座ってるカナンの熱いお尻が感じられる。これは…、あれをやっても全然おかしくない状況だった。
「変態…、妹に発情するお兄ちゃん〜。変態!」
「……知らない」
「お兄ちゃんも早く洗って、一緒に入ろう」
「うん…」
うちの風呂は狭すぎて、俺とカナンの体がくっつけるしかない大きさだった。
「温かい…」
「うん。カナンは大丈夫?狭かったら僕が出るよ」
「こっちの方がいい…。それよりお兄ちゃんの体、すっごく綺麗…。私が残した痕がいっぱいだよ…!」
「うん…」
「ねえ、後ろから抱きしめて!お兄ちゃんに抱かれたい」
「……ちょ…!」
そう言ってから立ち上がるカナンのアソコが丸見えになってしまう。
「なんで目を逸らすの?見てもいいよ?お兄ちゃんのものだし…、触ってみる?」
「いや…、いいよ。ちょっと恥ずかしくて」
「じゃあ…、私は遠慮なくお兄ちゃんのモノ触るね〜」
「うん…」
眩暈がするほど、体が熱くなっていた。
「ねえ、お兄ちゃん」
「うん?」
「私、今日告られたよ?」
「そう?」
「うん…。一つ上の先輩が私が可愛いから付き合いたいって」
「いいんじゃない?いい人なら付き合ってみたら?」
「何言ってるの?私にお兄ちゃん以外の男は猿にしか見えないからね…?私に言って欲しかったのはそんなことじゃないよ…?」
「……」
「知ってるんでしょう…?」
そう、知ってるよ…。
「カナンちゃんは僕のものだから…、誰にもあげないよ」
「そう。それ!」
そう言いながらこっちを向いてキスをした。
風呂の中で目を閉じた俺が…カナンと舌を絡み合う時、彼女は俺の手を掴んで自分の胸を揉ませた。とても柔らかい感触が指先と手のひらに伝わる。
これが女の子の胸…なのか?
「はぁ…、私もうダメ…。このままエッチなことしない…?お兄ちゃん…」
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