6/21〜6/30
21日
あー今日も外に出なきゃいけないのだりーあでもそういえば今日ってあの漫画の最新刊の発売日財布持ってきたっけ?あースイカあるから大丈夫かうわっサイレンうるさっどこかで火事でもあったのか?あ手紙出してねぇやポスト行かないとやんなきゃいけないこと増えたあーあんなところ花咲いてるんだすげー
「頭の中の独り言」
22日
「嫌だ……やめろ!僕はここから動きたくない!」
「どうして俺がそれを聞かないといけないんだ?」
お前の声は、本当に耳障りだ。その煩い口を早く黙らせてやりたい。本当にお前はいつもいつも。
俺はお前の背中を、もはや殴るように思いっきり押した。
「ウジウジしてないで、早く話しかけてこい!」
「突き落とす」
23日
いや、あのさ。「毎日小説を上げる!!」なんて無理に決まってるでしょ。何、意気揚々と言っちゃってるの過去の私。毎日その場その場しのぎで書いてるんだから、続くわけなんて無いでしょ!?今日はどうしよう。私の身の回りのことを書くにしても、もう書き切っちゃったよ。……あー、ネタが無い!!
「ネタが無い」
24日
暑いなぁ。と、呟く。ほんとにね、と君が答えて。
君が、ふぁ、と小さく欠伸をした。よく見ると、少し顔色も悪い。恐らく寝不足で体調が悪いのだろう。気づいてあげられなかった。大丈夫?今日は帰ろうか、と声をかけると。
「そうやって気づいてくれるとこ、好き」
僕たちは付き合っていない。
「夏バテ」
25日
とてもいい天気。こんな日は。
椅子と机を外に出す。少し大変だけど、頑張る。
机に可愛い布を被せて、手で馴染ませ。
台所に戻ってお湯を沸かす。紅茶は温度が大事。
クッキーも焼いちゃう。サクサクで良い感じ。
私も少しおめかし。気分が上がるから。
ほら、あっという間に心地いいティータイム。
「気分上々」
26日
散っていく。花弁はその役割を終えて、私達の前から消えていく。
だけど、今生の別れなどではない。時間が経って、季節がもう一度巡ってくれば、また会える。
また会えるのだけれど。
私は目を閉じる。その季節の巡りに、私は立ち会えるだろうか?
この短い命は、再会を待ってくれるだろうか。
「またね」
27日
あっ、怪獣が皆に迷惑を掛けているわ!
すかさずステッキを一振りして、変身☆
いつもはモサッとしてる私だけど、変身すれば話は別!可愛いコスチュームに身を包んで、可愛い魔法を使えるようになるの!
怪獣を倒して一件落着☆皆の歓声の中、手を振って去るわ!
……私は魔法少女。名前はまだない。
「匿名魔法少女」
28日
「暑いねー」
「うん、暑いね」
デート中、私たちはそう言い合う。
快晴の空。何の障害もなく降り注ぐ太陽光。溢れんばかりの人。背中に、手に、全身に、じわりじわりと、汗が滲んでいく。
本当に暑い。私は貴方の手を握り直しながら言った。
「暑いねー」
「うん、暑いね」
貴方も私の手を握り返す。
「暑いね」
29日
俺はお前のことが好きなんだ。
でもそれを言えるわけがなくて、それでもお前との関わりが欲しくて、興味を引きたくて、いつもちょっかいを出して。お前の声が、瞳が、俺だけに向けられるってだけで、俺は嬉しかったんだ。
でも今はもう、あいつの声も瞳も、俺には向かない。いじめっ子は嫌い、だとさ。
「恋するいじめっ子」
30日
私は地獄に落とされた、愚かな罪人。ああ、理由はわかっている。私が人を殺めたからだ。しかし私は反省などしてはおらぬ。そう怒るな。ここで嘘を言ったら、余計に罰が重くなるだろう。私は自分が極悪非道な人間ということは重々理解している。しかし私は正直者なのだ。それに免じてはくれぬか。
「正直者の罪人」
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