第5話
昨日、補習ついでに茶室へ連れて行こうとしたのが効いたのか、今日の耀司は二時間目から授業に参加した。とはいえ、真面目に受けるはずがない。文句を言ったり周りを小突いたりはしないが、ふんぞり返って机に足を乗せ、たまにいねむりをし、大あくびをして首を回す。つまり、教師への挑発がひどいのだ。
「先生の指導が甘いからじゃないですか」
三組で英語の授業を終え、
地道な交流を続けたおかげで、耀司の出席率は四月よりずいぶん上がった。めでたい反面、こういうことも当然起きる。
「すみません、よく言っておきます」
頭を下げた私に山根は答えず、給食の匂いが漂い始めた廊下を突き進んで行った。これくらい、なんともない。ためいきをつき、食欲の消えた腹をさすった。
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