-22- 手紙

起きたはいいけれど、早く起きすぎたせいで、時間を持て余してしまった。明日のお昼までここにいるとなると、結構な時間、畑のお手伝いをすることになるだろう。自分で植物を育て始めてから、畑のお手伝いも前より楽しくなった。生き物の世話は楽しい。そういえば、ケンちゃんのやつは何をしているんだろう。朝食を食べてから、勝手に「俺の部屋」と決めた部屋の中から出てこない。ゲームでもしてるのかな。もしかして、勉強?こっそりのぞいてみよう。


そーっと、ドアを開ける。すると、ケンちゃんは手紙を書いていたのだ!

「ケンちゃん、あんた、手紙書くんだ!」

「なんだよ、勝手に部屋に入ってくるなよ。」

「誰に手紙書いてるの?」

「秘密。」


絶対、彼女か好きな人に書いてるに決まってるじゃん。面白すぎる。


「ねえ、ケンちゃん、私も手紙書きたいんだけど。封筒と便せん分けて。」

「そんくらい自分で作れよ。」

「え、手紙って自分で作れるの?やってみよう。ていうか、ケンちゃん、自分で封筒と便せん作ってるの?」

「俺はうちにあるの使ってるけど。オカンが作るんだよ。」


「おばさーん。封筒と便せんの作り方教えて欲しいんだけど。」

おばさんは優しくてキレイで大好き。ケンちゃんのお母さんとは思えない。

「琴ちゃんと一緒に何かをするのって、本当に久しぶりね。嬉しいわ。」


私は家にあった雑誌から、封筒と便せんを作った。そして手紙を書いてみた。

送るのは、もちろん礼央だよ!

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