-21- 問答

「ケンちゃん!起きて!朝ごはん出来てるよー!」

「うーん。」

「私が頑張って手伝ってる間に、あんたは寝てるんだから!」

「むにゃ…」


お泊まり2日目の朝。私は、純和風な朝ごはんを作った、というより手伝った。

アジの干物に、お味噌汁、たくあんに白米。どうだ。


「足りねーよ!」

「米、いっぱい食べろ!大メシぐらいの穀潰しがっ!でもさ、こんなに早く食べ終わるってことは、美味しかったんじゃない?」

「…。」

なんか、気分いいぞ。

「そういえば、琴葉って、高校、補欠合格だったんだろ?」

「え、なぜ、それを。」

「俺は高校受験、楽々だったからな。」

むかちーん。

「でも、勉強なんとかついてってるし…。まあ、助っ人がいるからだけど。」

「琴葉、カンニングしてるのか?」

「違うよ。毎日放課後に勉強一緒にして、教えてもらってるの。」

「え、勉強嫌いの琴葉が、毎日勉強してるのか?まあ、嘘だな。」

「本当だって!」

「いや、それはない。」

「じゃあさ、今から一緒に夏休みの宿題やろうよ!」

「俺はもう宿題終わってるから。」

自慢げなケンちゃん。私は、こいつとは仲良く出来ない。だって、いつも、めっちゃ下に見てくるんだもん!

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