-19- 従兄弟のケンちゃん
しばらく電車に乗ると、田畑が目立ってきた。
私のおじいちゃんとおばあちゃんは、とある田舎町で小さなブドウ農家を営んでいる。普段はダラダラしている私だが、おじいちゃんちに行くと、お手伝いを結構楽しくやっている。
「琴ちゃん、ブドウ農家継いでみるか?」
とまで言われている。私は、植物が好きみたいだ。
「おじいちゃーん。おばあちゃーん。来たよー!」
「よく来たねー。」
「琴葉じゃん!相変わらずぬいぐるみ持って来たのか?」
「何?悪い?持ってきましたけど。」
相変わらず感じが悪いこいつが、従兄弟のケンちゃん。
「勇気!久しぶり!」
「ケンちゃん、久しぶりー。」
勇気はケンちゃんのこと、結構好きみたいなんだよね。
「勇気、カードゲームしようぜー。」
ケンちゃんは、勇気のカードゲーム仲間だ。
「琴葉には、このゲームの奥深さが分からないんだなあ。」
「余計なお世話ですよ。どうぞ二人で、楽しんでください。」
「言われなくてもそうするから。ていうか、琴葉の今日の服、小学校の時も着てたやつじゃん。」
「だって部屋にあったから。あれば着るでしょ。サイズ大きめだったし。」
何を話してもケンちゃんとは話が噛み合わない。もう、ブドウ畑行って大人のお手伝いしよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます