-19- 従兄弟のケンちゃん

しばらく電車に乗ると、田畑が目立ってきた。

私のおじいちゃんとおばあちゃんは、とある田舎町で小さなブドウ農家を営んでいる。普段はダラダラしている私だが、おじいちゃんちに行くと、お手伝いを結構楽しくやっている。

「琴ちゃん、ブドウ農家継いでみるか?」

とまで言われている。私は、植物が好きみたいだ。


「おじいちゃーん。おばあちゃーん。来たよー!」

「よく来たねー。」

「琴葉じゃん!相変わらずぬいぐるみ持って来たのか?」

「何?悪い?持ってきましたけど。」

相変わらず感じが悪いこいつが、従兄弟のケンちゃん。

「勇気!久しぶり!」

「ケンちゃん、久しぶりー。」

勇気はケンちゃんのこと、結構好きみたいなんだよね。

「勇気、カードゲームしようぜー。」

ケンちゃんは、勇気のカードゲーム仲間だ。

「琴葉には、このゲームの奥深さが分からないんだなあ。」

「余計なお世話ですよ。どうぞ二人で、楽しんでください。」

「言われなくてもそうするから。ていうか、琴葉の今日の服、小学校の時も着てたやつじゃん。」

「だって部屋にあったから。あれば着るでしょ。サイズ大きめだったし。」

何を話してもケンちゃんとは話が噛み合わない。もう、ブドウ畑行って大人のお手伝いしよ。

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