-18- 夏休み

夜遅くまでダラダラして、お昼近くまでごろごろする。

そんなことが合法でできる、最高の期間、夏休み。


教育熱心な私の高校には夏期講習があるので、私が思う存分ダラダラできるのは2週間くらいしかないけどね。部活のある生徒達は、3日間の合宿もあるので、もっと休めない。部活に入らなくて、よかったかもしれない。


夏休み初日。私は、お昼まで音楽をかけながらベッドでごろごろ。

「琴葉ー。」

お母さんの声。

「何?」

「何が『何?』よ。おじいちゃんち、行くんでしょ。」

「あ、そうだった!」

そういえば、今日から三日間、おじいちゃんとおばあちゃんちに泊まるんだった。すっかり忘れていた。

「もしかして、荷物も作ってないの?昨日、言ったじゃない。」

「荷造り忘れてた!」

おじいちゃんちに行くことを脳内から完全に追い出していた。おじいちゃんとおばあちゃんが嫌いなわけではない。毎年、一緒に泊まる従兄弟に会いたくないのだ。


「電車の時間が間に合わないから、適当に洋服詰めてきなさい。」

「はーい!」

本当に、目の前にあった洋服を適当に詰めた。


従兄弟とのバトルの火蓋が切って落とされることになるだろう。仕方ない。

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