-10- 付き合うって、どういうこと?

思えば、私の考えはふらふらしていた。

彼氏が欲しい!とすごく憧れたり、このままの方が楽かなと思ったり。

あんなに彼氏が欲しかったのに、向こうから来られると弱いということも分かった。


次の日、私は礼央に声をかけた。

「おはよう。礼央、付き合いましょう!」

「え…。ありがとう。」

「でもさ、付き合うって、何をするの?」

「うーん。」

「ま、おいおい考えれば、いっか!」


付き合うって、どういうことなんだろう。

デートして、キスして?キャーッ!


「桂木さん、顔が百面相になってるよ。」

「付き合うって、恥ずかしいことなんだね!」

「どうしたの、急に。」

「いや、忘れて、忘れて。ていうか、私の名前、琴葉でいいよ。付き合ってるんだしさ。」

「え、勇気が出ない。」

「だーいじょうぶだってー。」

「じゃあ、琴葉ちゃんで。」

「はい。お願いしやす!」

「琴葉ー。おはよー。」

「秋奈!おはよ。私達、付き合うことになったから!」

「浮気すんなよ!」

「どっちに言ったの?」

「琴葉だよ。」

「え、なんで?」

「あんた、意外とモテそうじゃん。」

「秋奈に言われるとは…!光栄です!」


授業中も、なんだかそわそわしてしまう。

そっか。私、付き合ってるんだ。でも、お昼になっても、放課後になっても、いつも通りの一日だった。私も礼央も、恋愛したことがないのだから、しょうがない。


…それにしても、付き合うって、どういうこと!?

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