第2話 Sad last stand of discriminated people~被差別民族の哀しき最後の抵抗~
1935年11月1日 「前橋村」長老は、群馬県庁県知事室で一太と対峙していた
長老「いい加減、自治なり対等な民族への昇格を認めてくれ」
一太「しかし、貴殿方の文化である首狩りというものは、決して、現代の日本、いえ、日本はなくなりましたから群馬県ですかね?
兎も角、我々にとって貴殿方は危険分子と言って過言ではないんですよ
ですから、県民の安全と貴殿方の迫害防止のためにも貴殿方には「保護下」に入ってもらわなくては困りますよ」
長老「口ではそうは言うものの、やってることは迫害ではないか
まぁ、いい
我々にも考えがありますからな」
一太「まぁ、そう、興奮しないでくださいよ」
長老「フンッ
失礼する」
一太は、長老が出ていくと誰もいない部屋の隅に向かって、
一太「にとり、いるんだろ?
頼まれ事をしてくれないか?」
にとり「長老の動向を探れってことでしょ?
それぐらい、馬鹿でも分かるわ」
一太「流石だな
にしても、にとり、君は、いつになったら私とディナーを共に…
って、もういないか」
その日の夜、沼田市の郊外にある廃工場で三人の男が話し合っていた
長老「では、我々が、独立戦争を仕掛けたら支援していただけると?」
???「えぇ、我々は、民主主義国家ですから差別は許さないのですよ」
???「そうとも、前橋市群馬県原住民族特別保護区形成案なんてものは、許されざるものですからね」
長老「では、我々は、1936年の元旦に蜂起できるように準備をしていきます」
それを物陰でひっそりと聴いていたにとりは、何処か物寂しげに、呟く
「一度屈服させられた相手には、世程のことがない限り抗ったって、無駄足になるだけなのに…
馬鹿な人」
群馬県知事室にて、にとりの報告を聴いていた一太は、
「分かった
じゃあ、大澤GK長官を呼んで協議することにするよ」
にとりは、気怠げに、
「で、最終的にあの民族はどうするつもりなの?」
と聞くと、一太は、なんでもないことかのように、
「折角、残してやったのに歯向かった馬鹿な奴らだから、駆逐してやるよ」
にとりは、目を伏せて一言、
「そう…」
と答えただけだった
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