チートじゃん

「ここどこよ。パート2」


なんと、今度は森の中にいました。

しかも全然、日本って感じじゃない。海外かもしれないけど……。

多分、まだ召喚された世界にいる。


もしかして、あれか?


「騙された?」


うぉ!めっちゃ手際いいな!

相手の名前すら知らないし、誰にやられたか、何処の国にいたのか全く分かんねぇ!

復讐されないように万全の対策してやがる!


「してやられた!」


アーハッハッハと笑う。

理由?笑うしか無かったから。


てか、魔族やステータスがある世界だ。

魔物がいてもおかしくない。

で、襲われた時、戦い方は分かるけど、武器がねぇ!

体術だけだと不安でしかない。

だけど、やるしかない。


海外の映画に憧れて始めた体術や剣術。

海外に飛んで覚えた銃の扱い方や一通りの銃火器の仕組み。

それら全てを活かして生きる!


「でも、武器を作るにしても、鉄や火薬が無いと無理だよね」


そう思うのと同時に、ピストルの構造を考える。


「え?」


手元に何かが形作られていく。

そして、ピストルが手元に出来上がっていた。


「鍛冶師ってそういうこと?」


どうやら武器を作る能力を持つのが鍛冶師の様だ。


「えぇ……この職業チートじゃん」


そして、丁度よく目の前に敵が現れた。


「ゴブリン……?」


そう、ゲームでよく見る、緑色の肌をしたゴブリンさんが出てきました。


「うーん、このピストルの試し撃ちしますか!」


構えて、撃つ。この動作を一瞬で行う。


「良かった。ちゃんと弾は入ってるんだな」


ゴブリンの眉間に弾は吸い込まれ、ゴブリンはそのまま後ろに倒れる。


しかし、弾切れが心配だ。


「銃を分解して作り直すか?」


って……消えた。分解をイメージすると消える様だ。


「そして、また作る」


すると、またしても何も無いところから手元に現れるピストル。

装弾を確認すると、しっかりと全弾入っていた。


「マジか……」


そして色々作っていく。

サブマシンガン、アサルトライフル、ライトマシンガン、ロケットランチャーとなんでもありだ。

しかも、全てが作るのに一秒もかかっていない。


「あぁ……この世界を壊すような存在に俺はなってしまったな……」


しかし、作れない物が出てきた。

簡単に移動したい為、乗り物を作ろうとしたが、作れなかった。


「もしかして、構造を理解していない物は作れないのか?」


しかし、逆に考えると構造を理解したら作れるということだ。


「もうダメだ。チート過ぎる」


そういえば、魔物を倒したんだったと思い出す。


「構造理解のスキルでステータス見れるわけ……があるのか」


――

名:カオル・イイダ

年齢:13

種族:人族

職業:鍛冶師

Lv:25


体力:2500

魔力:2500

攻撃力:2500

特殊攻撃力:2500

防御力:2500

特殊防御力:2500

敏捷性:2500


スキル:言語理解、鍛冶、構造理解、危険察知、気配察知、剣術、体術、魔力操作

――


「レベル上がってるんか……」


レベルが上がり、ステータスも上がる。つまり、これ以上強くなれる。

いつから俺はチートの権化となったんだ?


「てか、危険察知とか気配察知とか持ってるんだけど」


全く反応しないけど。

あ、気配察知の方は意識したら反応した。


周囲に1つの反応か。って、俺かよ!?


「つっかえねー」


まあ、常時発動しとけば、成長するか?


「さて、また探索しますか」


歩き回っていると、また魔物が現れた。


「オークか?」


俺の身長150cmちょっとを遥かに超える大きさだ。

……チビ言うな。少し気にしてるんだよ。


「さて、やりますか!」


オークはまだこちらを敵だと思っていない。


「テッテレー!ロケットランチャー!」


構えー!撃つ!


爆音が響き渡る。


「え?」


全然オークに効果が無かった。


「うそん」


そしてそのオークは俺を見る。


《危険》


この感覚を信じ、逃げる。


「マジかよ」


さっきまで俺がいた場所にちょっとしたクレーターが出来ていた。


「避けて正解だった」


そして、そのオークはこちらを向き、その巨大な腕を振り下ろす。


「狙ってましたぜ!」


俺は刀を作り出し、その腕を斬る。


「な!?」


刃が進むのが途中で止まった。


「くっそ筋肉がやべぇ!」


《危険》


刀をすぐに消し、離れる。

またしてもクレーターが出来ていた。

俺は風圧で吹き飛び、体を木にぶつける。


「痛てぇ!」


《危険》


「え?」


オークがいつの間にか目の前にいた。

俺はすぐにピストルを作り出し撃つ。

少し怯んでくれたおかげで、その場から離れることが出来た。


「こっからどうするよ?」


オークの体の内側を攻めるか。

炸裂弾を生成し、ピストルに込める。


「効いてくれよ?」


目に向かって撃つ。


「クゴォァ!!!」


オークの体の内部で破裂した弾が肉をえぐる。


「効いたか。よし、じゃあ形勢逆転だな!」


アサルトライフルを生成し、炸裂弾を込める。

そして、撃つ。


「グゴガァアア!!!!」


十分くらい一方的に撃ち続け、ようやくオークは力尽きた。


「生成する時に弾も切り替えれる様にしなきゃな」


今後の課題である。


「構造理解」


――

名:カオル・イイダ

年齢:13

種族:人族

職業:鍛冶師

Lv:125


体力:12500

魔力:12500

攻撃力:12500

特殊攻撃力:12500

防御力:12500

特殊防御力:12500

敏捷性:12500


スキル:言語理解、鍛冶、構造理解、危険察知、気配察知、剣術、体術、魔力操作

――


「あ、一気に化け物へと進化した」


このまま行くと魔王を超えそうだ。


「俺の憧れていた海外の俳優さんより強くなっちゃったよ……」


憧れを一日で超えてしまう。

何とも悲しいものだ。


「さてと、魔力操作ってものが気になってたんだった」


しかし、魔力操作が何なのかがさっぱり分からない。


「……魔力を感じれば、その魔力を操れるってことか?」


一日や三日で出来そうに無いので放置する。


「うーん、お腹空いたな……」


ちらっと、さっき倒したオークを見る。


「食べるか?」


我ながらアホなことを考えたものだ。

しかし、お腹はすいたのは仕方ない!と考え、枝をかき集めライターを生成して火をおこす。


オークを捌くのは苦労した。何せ、巨大過ぎたからだ。

全てを捌いた時には日が落ちていた。

後、炸裂弾を使った所為で食べれる場所が殆ど無かった。

そもそも食べれるかが分からないが。


「いただきます」


そして、一口食べる。


「美味い……わけでも無いな。肉って感じ。」


すると、何かを感じるようになった。

感覚でこれが操れるものだと分かった。


「これが魔力なのか」


元々魔力は持っていたが、その所為で魔力がどれなのかが分からなかった様だ。

恐らくだが、別の魔力……オークの魔力を取り込んだ為に、魔力が何かを理解出来たのでは無いかと推測した。

ステータスを確認すると、しっかりと魔力が増えていた。……一万くらい増えていた。


ありがとう……。化け物コース、着々と進めてるよ……。うぅ……。


少し、目から水が出た。


「気配察知と危険察知のおかげで寝れそうだな」


そう考え、安心して寝た。

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