第10話 『2.0』サプリメントの解説(2)

【ツアー】

 ワールドガイドの一種。『ソード・ワールド1st』からの伝統で一つの街・国の詳細とそこをネタにしたシナリオを収録している。


『ツアー1 ルーフェリア』

『新米女神の勇者たち』の舞台になった湖の女神の国ルーフェリアのガイドブック。『新米女神』は『2.0』最初のリプレイにもかかわらずルールブックに載っているのとは全く違う土地が舞台で戸惑ったがようやく地理とか把握できるように。

 読んでみると、ページの大半がシナリオ。シナリオ中に地理や歴史のネタを入れ、プレイを通してルーフェリアのことを理解できる構成になっている。


『ツアー2 リオス』

『新米女神』の主人公ジークの出身地でベーテのデビュー作『from USA』の舞台であるリオスのガイドブック。冒険者と関わることになるNPCが100人も載っており、収録されたシナリオも商人やらヤクザやら学校やらいろいろな勢力が絡み合うものとなっている。巻末には冒険者視点の紀行文が書かれており雰囲気がよくわかる。


【博物誌】

 シナリオ中心のツアーよりプレイヤー向けの情報を、ということで始まったワールドガイドの新シリーズ。地理や有名NPCの情報が非常に充実しているが、新しい形のデータとして「流派」というのがある。特定の師匠や組織から秘儀を教えてくれるもので(ゲーム的には名誉点を消費して戦闘特技をカスタマイズする)、門下生のみに販売してくれる専用装備も強力なためこれだけのために入門する者も少なくない。一応特定の地域でしか習えない建前(だからワールドガイド収録)だが「PCが○○出身」「流れて来た者から教わった」「当該地域へ出かける機会があった」と公然と破られている(笑)。


『プレイヤーズ・ハンドブック フェイダン博物誌』

 リプレイの舞台として多用されながらルールブックにほとんど説明がなかった大陸南部フェイダン地方のワールドガイド。《年輪国家アイヤール》の歴史や各領の解説、ルーフェリアとリオスはルアーで紹介済みなので後はカイン・ガラやエイデルなど。

 流派で私のイチ押しはなんといってもライロック魔刃術、バスタードソード+2が入手できるのが非常に嬉しい。このゲームは主人公的な中量級ファイターが不遇のバランスなのでライロックソードが希望の星なのだが2.5で復活しないかなあ?

 このほかマルガ=ハーリ天地銃剣術は公式がロマンで作ったと公言している。ファイター・シューター・マギテックの3本伸ばしなんてしんどすぎる。


『プレイヤーズ・ハンドブック ザルツ博物誌』

『ルールブック1・2』で簡単に紹介されたザルツ地方をさらに詳細に解説している。ザルツ地方はユリウス皇帝や双子姫など著名なNPCが多く、アイデアの宝庫でもありアイマス動画でもよく舞台になる。


『プレイヤーズ・ハンドブック ユーレリア博物誌』

 ユーレリア地方の各国について解説。PCが国の有力者の女性と親密になる「美姫」いう特殊ルールが記載されている。新規の流派に加え『フェイダン』『ザルツ』の流派秘伝を『イグニスブレイズ』戦闘特技改訂に対応させるガイタンスも。


『プレイヤーズ・ハンドブック ダグニア博物誌』

 セフィリア神聖王国などダグニア地方のガイド。地理やNPCの記述はリプレイ『聖戦士物語』『with BRAVE』終了後のまとめという要素が強い。このほかバルナッドの闘技場で戦うルールを記載。


『プレイヤーズ・ハンドブック ディルフラム博物誌』

 ワールドガイドであるとともに『バルバロスブック』をサポートするサプリメント。蛮族PCの活躍の場としてアイヤール帝国の東にある蛮族領域ディルフラム地方が紹介されている。流派は蛮族に伝わるものや人族奴隷が独自に編み出したものが掲載。また『フォルトナコード』に掲載されなかった蛮族PC(ダークドワーフ含む)の超越者データ(16レベル種族特徴)だけでなく蛮族独自の超15レベルルール「求道者」も記載されている。

 超越者か求道者か迷った時は超越者を勧めているが、個人的には求道者の成長ルールの方がしっくりくる。『2.5』に超15レベルルール出すなら人族も求道者に統一すべきだと思ってるくらいだ。


『プレイヤーズ・ハンドブック イスカイア博物誌』

『エイジ・オブ・グリモワール(AoG)』に対応した魔法文明時代のワールドガイド。神聖大イスカイア帝国など当時の国の情報が書かれている。なぜかAoGに載ってなかった同書初出技能が16レベル以上になった時に習得できるデータも記載。このほかレギオンを使った大規模戦闘ルールも。

『2.5』と同じ2018年の発売ということもあり、これを使って遊んだことのある人は少ないのではなかろうか? 帯に「※本サプリメントは2018年発売予定の『ソード・ワールド2.5』にも対応しています。」とあるが、実際に『2.5』に『2.0』サプリを持ち込めた卓がどれだけあるかというと…


 他にもストーリー型サプリメントやオリジナルキャンペーン「ドラゴンレイド」の設定・シナリオ集などいろいろあるが、とりあえず通常プレイ用としてはこんなものか。『2.5』全盛期に入手も難しくなっているこれらのサプリをあえて買う必要性であるが… 一応電子書籍化されているが底本がB5だとスマホやノートパソコンでは読めたものではない、タブレット必須。(ここで紹介したサプリは文庫と明記したもの以外すべてB5)


1.『2.5』卓に『2.0』サプリの持ち込みを認めるGMがいる

 個人的にはライロックソードのある『フェイダン博物誌』を。あとはイスカイアの鎧など『2.5』未登場アイテムを使うための『アルケミスト・ワークス』『ルミエルレガシィ』か。自分の使いたい種族があるときはそれが載ったサプリを各自。『2.5』で再発表されてるデータはそっち使えと言われるだろうから今後事情は変わってくる。


2.いまだに『2.0』を使い続けるGMがいる。

『ルールブック123改訂版』『EX』の次は『イグニスブレイズ』を最優先で。改訂戦闘特技ないとダメ出しされてトラブルになるので。以降の優先順位は『ルミエルレガシィ』『ウィザーズトゥーム』『アルケミスト・ワークス』『カルディアグレイス』『ラクシアゴッドブック』『バルバロスブック』の順番で。

『フォルトナコード』『ディルフラム博物誌』『エイジ・オブ・グリモワール』『イスカイア博物誌』は特殊環境用のためGMが使うと言ったときのみ購入するとよいだろう。

 なおルールブックが改訂版でない場合『1』『2』は『カルディアグレイス』で、『3』は『ルミエルレガシィ』でフォロー可能。


 身も蓋も無いことを言うと、古本か電子書籍が半額の時はここで私が紹介したの全部買ってしまえと思うんだけどねw

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