第8話 『2.5』サプリメントの解説(アーケインレリック更新版)
売れてるTRPGシステムほどサプリが多すぎて金銭的負担から新規が手を出しにくいというパラドックスが。というわけで購入ガイドを兼ねてサプリの解説をしていきます。
基本的に『ソード・ワールド2.0/2.5』のサプリメントはその内容から複数のジャンルに大別されます。なので何が欲しいかである程度購入サプリを絞り込めるでしょう。
【大型サプリメント】
だいたい年1回のペースで出るルールやデータ満載のサプリ。これが出てプレイ環境が大幅に変化したりキャラのリビルドが必要になる事も少なくない。迷うならこれだけ買えばよいレベル。
『エピックトレジャリー』
・冒険者技能解説
・信仰する神の解説
・能力値のポイント割り振りルール
・一般技能
・熟練戦闘ルール
・アイテム・騎獣データ
発売前からタイトルや前情報でアイテムガイドだろうとは思っていたが、いざ読んでみると文庫ルールブックでは書ききれなかった補足集という役割も強い。技能・神の解説と一般技能はルールというよりロールプレイで世界観に入り込む際に有用。熟練戦闘ルールの存在からして事実上の「上級ルールブック」であり、基本ルルブ3冊揃えたら次はこれを最優先で購入したい。
『モンストラスロア』
・新技能「ドルイド」「デーモンルーラー」
・魔物データ
・ゴーレム・ファミリアのデータ
堂々のモンスターデータ集。「ルールブックのモンスターだけじゃレベル帯やバリエーションの穴が出る」と苦労しているGMは大助かりだがPL専だとそこまで重要性は高くない。新技能も実卓では人気だが私は興味ないので勧める気はない。
『メイガスアーツ』
・新技能「ジオマンサー」「ウォーリーダー」
・新しい神とその特殊神聖魔法
・深智魔法(ソーサラー・コンジャラー重複で使える)
・妖精魔法カスタムルール
・小魔法
・ルールブック記載の魔法・錬技・呪歌・騎芸・賦術の再編集。
魔法関係のサプリメント。深智魔法・妖精魔法のリメイクは2.0からやっていた人には嬉しいところ。新技能は個人的に興味がないのでパス。結論として初心者や貧乏人が買うほどのものではない。レベルとかで3分冊に分かれていた魔法データが一括で読めるのは地味に便利ではあるが。
『バトルマスタリー』
・新技能「バトルダンサー」
・戦闘特技一覧
・流派
・魔物データ
魔法の次は物理戦闘メインのサプリメント。マンガでよくある「肌を晒しながら重い武器を振り回す」キャラを再現できるバトルダンサー技能が最大の目玉。ルルブ3冊やOPBにばらけていた戦闘特技がまとめて再掲されている(データの変更はない模様)。流派ルールが2.5では初登場、2.0の流派のコンバート指針も書かれている。
バトルダンサー技能や流派ルールに興味を持つ人も多いだろうが、後述の『アーケインレリック』より優先順位は下がる。
『アーケインレリック―種族と秘宝―』
・新種族「スプリガン」「アビスボーン」
・2.0からの復活種族「ハイマン」「フロウライト」「ダークドワーフ」
・OPB種族の再掲
・希少種
・神話から実用品までアイテム各種
・トラップデータ
・大物ボス級魔物データ
種族データとアイテムデータがメイン。新規種族のほか、「ソレイユ出身ナイトメア」「草食獣リカント」など既存種族の派生も多数掲載。2.5ではマナタイト加工で名前が出るだけで2.5から入ったGMが扱いに困っていたダークドワーフもようやく詳しく解説された。
神話級アイテムはぶっ壊れスペックだったりそもそも伝説なのでデータ不明瞭だったりと「こんなんシナリオに出せるかページの無駄遣いすな!」と言いたいところだが劣化コピー品が世界に多数存在するとのことなのでGMが自作する参考になる。
このほか高レベル冒険者なら数万ガメルで買える魔法の武器も。個人的には強者の剣(バスタードソード+2)が欲しい。
『エピックトレジャリー』の次にぜひ買いたい。
【キャラメイク補助】
『キャラクタービルディングブック』
PCの能力や経歴をランダムチャートで作れる本。所謂「大惨事表」を詳細にしたものともいえる。デザイナーとしてはどうキャラを作ったらよいかわからない初心者に使ってほしいようだが、初心者がルールブック以外に金出すのは躊躇するという矛盾が。「やり込んだ人のキャラのネタ切れ対策」「GMがコピーを大量に取ってビルドごとに纏めて初心者PLに貸与」といった使い方が考えられる。
『アウトロープロファイルブック』
・冒険者ギルドに所属しない真の自由業”ヴァグランツ”について
・新種族「アルヴ」「ウィークリング」「シャドウ」「ソレイユ」
・『キャラクタービルディングブック』後のサプリを反映した作成チャート表
建前CBBの続編であるが、その後データ追加でいまではチャート表が役立たずに。ヴァグランツの戦闘特技は『バトルマスタリー』、新種族は『アーケインレリック』に再掲されているため現在では買う必要がない。ヴァグランツのキャンペーンやる時もGMの口頭説明で足りるだろう。
【ローカルガイド】
地理の本。2.0同様初期は一つの国か都市を解説したものにだったが新しいものは広範囲を解説した博物誌に移行している。。GMが該当の舞台でキャンペーンをするときは持っていた方が助かるだろう。
『冒険の国グランゼール』
近年のラノベでよくある「ダンジョン探索の冒険者が集まり、それ目当ての商人とかで人が増えてできた都市」を扱った本。しっかし高レベルパーティが完全攻略してダンジョン死んだら英雄じゃなくてKYだなw
2.5最初のサプリメントということもあって書名がサプリメントではなく「スタートガイド」となっており、初心者向けに『ソード・ワールド2.5』の遊び方の解説や具体例としてのシナリオも掲載されている。また2.0との細かなルールの違いも解説がある。
『鉄道の都キングスフォール』
アルフレイム大陸の鉄道網の中心であるキングスフォールの解説書。2.0と比較して2.5最大の新要素である「鉄道」がどういうものか詳しく書かれている。それにしてもベーテさんアメリカ人で鉄オタって珍しいな(日本では普通の子供でも電車に多少の興味を持つがアメリカではトッキュウジャーがパワーレンジャー化できなかった)。
『星座の街サイレックオード』
浮遊岩の上に作られた空中都市。アルフレイム大陸北東部って実プレイでもリプレイでもあまり出ないから馴染みが無くて興味が持てなかった。
『魔導の学府ユーシズ』
ルールブックでも魔法の発達した国として記述されていたユーシズの詳細が書かれたサプリ。ハリポタ的な魔法学校をTRPGでやりたがるGMは多いけど、ファンタジーRPGって魔法使いだけじゃプレイできんからどうしても男塾になってしまうんだよなw
『ブルライト博物誌』
ルールブック1の舞台であるブルライト地方を詳しく解説したサプリ。
【リプレイ feat. データ&ガイド】
リプレイとサプリメントが一緒になったB5版書籍。リプレイやデータ集単独だと買う人限られるから抱き合わせ販売したとも言う。まあ文庫の頃からリプレイの舞台や作中で使ったルールやデータを載せるのは珍しくなかったが。仕事の合間にスマホで電子書籍のリプレイを読んでいた私としては、文庫リプレイと違ってスマホの画面じゃ小さくて読めないのが痛い。
『剣と荒野と放浪者』(全2巻)
『アウトロープロファイルブック』で作ったヴァグランツのリプレイと舞台になったオーレルム地方のガイドからなる。リプレイはみんなキャラが立っていておもしろかったけど載っているデータはあまり魅力なかったな。
『冒険者たちの幻獣戦線』
短編小説集『冒険者ギルドへようこそ』の登場人物によるリプレイと舞台のスフパール聖鉄鎖王国のワールドガイド、アビス強化の追加ルールからなる。普通に読めるサプリではあるが購入の優先順位は低い方。
【ストーリー型サプリメント】
『ヴァイスシティ -悪徳の贄-』
『デモンズライン -追憶の守人-』
『グリフォンロード ‐黄金のキャラバン‐』
『エンシェントブルー ‐七王群島の夜明け‐』
はっきり言ってゲームブック。普通にシナリオとしても使うこともできるのでアイデアに困ったGMが使うくらいか。
購入の優先順位であるが、何はなくとも『エピックトレジャリー』を最優先で、次に『アーケインレリック』『バトルマスタリー』『メイガスアーツ』、重要度は少し落ちて『モンストラスロア』となる。後は無理して買うほどの重要性はないだろう。GMとしてアイデアが欲しいなら話は別だが。
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